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『異世界人間失格 ~スキル【批評】持ちの独白~』  作者: 猫寿司
第八章:あるいは、私という人間の『異世界のはじまり』

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幕間:『竜の落とし子』第一部

視点:ガロン(竜族と人間のハーフ)

地底世界の生態系において、頂点捕食者である「竜族」と、その餌である「人間」の間に子が成ることは、本来あり得ない奇跡であり、最大のタブーである。

竜族の王が、略奪した人間の娘を慰み物とし、幾多の夜を経て××した果てに、奇跡的に受胎し、母体の命と引き換えに産み落とされた忌むべき子。それがガロンだ。


【特性:18歳の変態】

幼少期は竜族と変わらぬ姿と獰猛さを持っていたが、成体となる18歳を境に急激な変態メタモルフォーゼを遂げた。


外見:全身を覆っていた鱗が剥がれ落ち、人間に近い皮膚が現れた。ただし、二の腕や背中には硬質な鱗が残存しており、上半身裸となれば、その異形さは一目瞭然である。


精神:かつて抵抗なく摂取していた「人肉」に対し、激しい拒絶反応と罪悪感を抱くようになった。


攻撃性:竜としての闘争本能が薄れ、人間らしい理性が芽生え始めた。


これは「進化」か「退化」か。

竜でもなく、人間でもない。どちらの世界にも属せない孤独な魂の物語。

1. 檻の中の回想


冷たい石の床。鼻をつく排泄物の臭い。

俺は、地下深くの牢獄で膝を抱えていた。

頬はこけ、眼窩はくぼみ、かつての精悍さは見る影もない。ただ、眼光だけが飢餓感でギラギラと異様に光っている。


暗闇の中、自分の腕を見つめる。

かつては硬い緑色の鱗に覆われていた腕は、今や薄汚れた肌色に変わり、ところどころに醜い鱗がこびりついているだけだ。


(……昔は、違った)


俺は目を閉じ、幼い日々の記憶を手繰り寄せた。


子供の頃の俺は、見た目も中身も「竜族」そのものだった。

父である王は、俺を息子として愛してはいなかったが、珍しいペット、あるいは強力な手駒として、それなりに扱ってくれた。

「いいぞガロン。食え、食らい尽くせ」

父が投げてよこす「餌」――人間を、俺は何の疑問もなく貪っていた。

その味は甘美で、力に満ちていた。父は俺の頭を撫で、俺はその太い指に頬を擦り寄せていた。


だが、すべてが変わったのは、18歳の誕生日を迎えてからだ。


身体が熱を持ち、鱗がボロボロと剥がれ落ち始めた。

鏡に映る自分の姿が、日に日に、あの「餌」たちと同じ姿になっていく恐怖。

それと同時に、心の中に何かが芽生えた。

人間への共感。痛みへの想像力。そして、同族食いへの吐き気をもよおすほどの嫌悪感。


決定的な瞬間は、ある戦勝の宴の夜だった。

上機嫌な父が、俺への褒美として上等な肉塊を放り投げた。俺は反射的に、それに食らいついた。

だが、次の瞬間。


「ガハッ……! オェッ……!」


強烈な拒絶反応。俺は咀嚼した肉を、父の足元に派手に嘔吐してしまった。

胃液と混じった肉片が床に広がる。

それでも、竜の飢餓は収まらない。俺の手は、震えながら吐瀉物にまみれた肉を再び拾い上げようとし、理性はそれを止めようと悲鳴を上げる。


「あ、うぅ……食い、たい……いやだ、食い……たくない……ッ!」


食べたいというおぞましい本能と、吐き出したいという人間としての尊厳がない交ぜになり、俺は涎と涙を垂れ流して痙攣した。

あまりに浅ましく、あまりに哀れな姿。


ふと見上げると、父が俺を見下ろしていた。

その目は、かつての愛玩動物を見る目ではなかった。

心底汚いもの、生理的に受け付けない汚物を見る目だった。


「……興醒めだ。失せろ」


あの日から、父の態度は一変した。

父の目から、俺への関心は消えた。

いや、もっと悪い。父の目は、俺を通り越して虚空を見ていた。

目が合わない。一度も、ただの一度も。

俺がどんなに必死に訴えても、父にとって俺はもう、存在しないも同然の「ゴミ」へと成り下がったのだ。


2. 決定的な事件


父に見放されてからも、俺は奴隷のように扱われながらも、まだ自由に動くことは許されていた。

だが、数ヶ月前。俺の運命を決定づける事件が起きた。


ある日、狩りから戻った仲間たちが、一人の人間の男を解体し、宴を始めた。

俺は無理やりその肉を食わされ、泣きながら貪り、嘲笑された。

その屈辱と自己嫌悪に苛まれていた夜、俺は見つけてしまった。

食料庫の檻の中に、次に食われるために捕らえられていた人間の子供を。


まだ5歳くらいの男の子だった。

かつてなら「柔らかそうな肉」としか思わなかっただろう。

だが、その時の俺には、震える小さな背中が、俺自身の孤独と重なって見えた。


(……逃がさなきゃ)


俺は周囲の目を盗み、子供を檻から出した。

「静かに。逃げるんだ」

裏口へ誘導しようとした、その時だった。


「――何をしている」


背後から、凍てつくような声。父だった。

子供が悲鳴を上げ、俺は咄嗟に子供をかばうように立ちはだかった。


「……父上。この子は、まだ小さい。食うところなんて……」

「雑種が。餌に情けをかけたか」


父の戦斧が閃いた。

俺の言葉は、衝撃とともに断ち切られた。俺は吹き飛ばされ、壁に叩きつけられた。

薄れゆく意識の中で見えたのは、父の巨大な手が子供を鷲掴みにし、そのまま……。


(ああ、やめろ……やめてくれ……!)


俺の抵抗は無意味だった。

翌日、俺はこの牢獄に放り込まれた。


この場所は、ただの牢屋ではない。 竜族たちが宴を開く「広場」の隅に位置し、鉄格子越しに広場の様子がすべて見える場所だ。 同族たちが人間を殺し、解体し、貪り食う地獄絵図。 それを特等席で見せつけられる「見せしめ」の檻。


「そこで見ていろ、出来損ない。それがお前の本来の姿だ」


父の言葉が呪いのように俺を縛り付けていた。


3. 覚醒


「いや……っ! 離して!」


悲鳴が、俺の意識を現実へと引き戻す。

檻の鉄格子の向こう、いつもの広場が騒がしい。また、人間が捕まってきたのだ。


今回は、いつもとは規模が違った。

地響きと共に、隊列を組んだ竜族の集団が広場へと雪崩れ込んでくる。遠征に出ていた本隊が、戦利品を多数持ち帰ってきたのだ。

奴らは騎乗竜を太い縄でくくり、巨大な荷馬車を何台も連ねている。その荷台から、今まさに「積荷」が降ろされようとしていた。


「降ろせ! 新鮮なうちに選別するぞ!」


怒号と共に引きずり出されたのは、縄で芋虫のように縛られ、数珠繋ぎにされた大量の人間たちだった。

男、女、老人、子供。

だが、特に目を引くのは女たちの多さだ。

衣服を剥ぎ取られ、あるいはボロボロの布切れ一枚を纏っただけの女たちが、鎖に繋がれて引きずり降ろされる。


「うぅ……ひっ……神様……」

「助けて……誰か、助けて……」

押し殺したようなすすり泣きと、絶望に満ちた命乞いが交錯し、広場は瞬く間に阿鼻叫喚の地獄と化した。


その列の中で、一人の母親らしき女が狂ったように叫び、近くの竜族の足元にすがりついた。

「お願い! この子だけは! 私はどうなってもいい、だからこの子だけは見逃して!」

彼女の腕の中には、まだ幼い子供が必死にしがみついている。

だが、竜族の眼差しに慈悲の色はない。

「あぁ? 餌が口を利くんじゃねぇよ」

ドカッ、という鈍く重い音。

竜族の太い脚が、母親の顔面を無慈悲に蹴り飛ばした。

「あぐっ……!?」

母親は鼻から血を吹き出して吹き飛び、子供が泣き叫ぶ。

「ママ! ママァ!」

「チッ、うるせぇガキだ。進め!」

竜族は子供の首根っこを掴んで列に戻し、うずくまる母親の腹をさらに蹴り上げ、無理やり歩かせる。


「おお! 今度は上玉揃いじゃねぇか!」

「へへっ、あの細いの、俺にくれよ!」


その惨状を見ても、岩山で留守を預かっていた滞在組の竜たちは、血走った目で大騒ぎしながら群がっていくだけだ。

彼らにとって、それは食料の配給であり、新しい玩具の到着でしかない。


その地獄のような光景の中で、俺は目を凝らす。

一際乱暴に扱われている、若い人間の女がいる。

長い黒髪は乱れ、顔は涙と土埃で汚れ、恐怖に引きつっている。

彼女は必死に身をよじり、抵抗している。


「おい雑種。特等席で見せてやるよ」


竜族の一人が、檻の中の俺を見ながら下卑た笑みを浮かべる。

彼は女の足首を掴み、引きずり倒すと、わざと俺の目の前、鉄格子からわずか数メートルの地面に仰向けにねかせる。

「いや、いやぁっ! お願い!」

女が泣き叫び、逃げようと手足をばたつかせるが、別の竜族がその頭を地面に乱暴に押さえつける。

ドンッ、と鈍い音がして、女の顔が苦悶に歪む。


完全に無力化された状態で、彼女は衆人環視の中、衣服を引き裂かれる。

「きゃあああああっ!」

布の裂ける音と共に、透き通るような白い肌が露わになる。

膨らみかけの胸、くびれた腰、怯えて震える太腿。

大人の女性だ。以前なら、ただの「上質な肉」に見えただろう。


その竜は、檻の中の俺をじっと見つめながら――まるで「お前もこうしたいんだろう?」と挑発するように――女の全身を舐め回し始める。

ザラザラとした竜の舌が、女の白い首筋から胸元へ、そして腹部へと這う。


「ひっ、あ……っ! やめ、て……!」


粘液にまみれた舌が胸の突起を執拗に弄ぶたび、女の口から悲鳴とも喘ぎともつかない声が漏れる。

その光景を見た瞬間、俺の身体の奥底で、どす黒い熱が暴発する。


(……××したい)


竜としての本能が、目の前の無防備な雌を蹂躙しろと叫ぶ。

あの柔らかい肌に爪を立て、組み敷き、俺のモノを叩きつけたい。

喉が鳴る。口の端から、卑しい涎がだらりと垂れる。

同時に、別の欲求も鎌首をもたげる。


(……食べたい)


あの白く脈打つ首筋に牙を突き立て、熱い血を啜りたい。肉を食いちぎりたい。

瞳孔が縦に裂け、爬虫類のそれへと変わる感覚がある。

強烈な性欲と食欲。それはあまりに甘美で、抗い難い誘惑だ。

自分の中にまだ、こんなにも醜い「竜」が残っていたことに、俺は戦慄する。


「アンッ……! は、ぁ……ッ! 誰か……っ!」


女の胸が荒々しく愛撫され、その声が苦悶の喘ぎへと変わる。

その艶めかしい響きが俺の鼓膜を震わせるたび、理性が焼き切れそうになる。

頭の中が真っ白になり、暴走しそうだ。

檻を破って、あの女に覆いかかり、××し、食らい尽くしてしまいたい。


「う、あ……ぁああッ!!」


俺は頭を抱え、檻の床に爪を立ててうずくまる。

ガリガリと音を立てて爪が石床を削る。

呼吸が荒い。心臓が早鐘を打つ。全身から嫌な汗が吹き出す。


やめろ。俺は獣じゃない。

相反する気持ちが俺の中でせめぎ合う。

女の「やめて!」という悲痛な叫びを聞くと、欲求の波が引き、強烈な嫌悪感が押し寄せる。

だが、その声が力尽き、弱々しい喘ぎ声に変わると、また本能が暴れ出しそうになる。

食べたい、××したい、助けたい、殺したい。

矛盾する感情が脳漿を掻き回す。


「お……かあ……さん……」


女の口から漏れた、消え入りそうな言葉。

涙で濡れたその顔が、ふとこちらを向く。

恐怖と絶望に染まった瞳。

その瞬間、俺の視界が歪む。

目の前で陵辱されている女の顔が、俺が見たこともないはずの「母」の顔と混同し始める。


(母さんも……こんな風に?)


俺を産むために、こんな地獄を味わったのか。

父たちに囲まれ、笑われ、尊厳を踏みにじられ、泣きながら……。


彼女の悲鳴が、俺の中の汚らわしい欲望を一瞬で冷やし、そして焼き尽くす。

縦に割れていた瞳孔が、丸く、人間らしい形へと戻り――そして、そこから涙が溢れ出した。


「……ふざけるな」


残ったのは、純粋な殺意と、慟哭のような願いだけ。

顔を上げる。そこにあるのは、迷いも欲望もない、ただ一点を見つめる憤怒の表情。


(助けたい)


その感情が、俺の全てを塗りつぶしていく。食欲も、性欲も、恐怖も、全てを。


どうせ俺は、父に見てもらえない。

どうせ俺は、このままここで腐って死ぬ。

なら、最後に一度くらい。


(俺は、俺の意志で生きる)


俺は立ち上がり、太い鉄格子を両手で掴む。

背中の皮膚の下で、眠っていた筋肉が脈打ち、膨張する。二の腕に残る鱗が逆立ち、バチバチと音を立てる。


「グ、オオオオオオオッ!!」


ギチギチギチ……!

信じられない音が響く。

今の俺は人間ではない。だが、純粋な竜でもない。

だからこそ発揮できる、規格外の怪力。

俺は咆哮とともに鉄格子をへし折り、檻を蹴破る。


4. 逃走


「なっ!? 雑種が檻を破ったぞ!」


驚愕する見張り番の顔面に、俺の拳がめり込む。

頭蓋骨が砕ける感触。

俺は風のように広場を駆け抜ける。目は血走り、口元は怒りで歪んでいるが、その足取りは迷いなく女へと向かっている。


「ガアアアッ!」


女にのしかかろうとしていた男の首根っこを掴み、壁に叩きつける。

そいつが腰に帯びていた大剣を奪い取る。

重いはずの剣が、今の俺には羽のように軽い。


「キサマ……! 父である王に歯向かう気か!」


広場の奥から、父――王が戦斧を手に走ってくる。

その目は、怒りに燃えている。

(ああ……やっと目が合ったな、親父)


皮肉なことに、俺が反逆者となって初めて、父は俺を「敵」として認識し、俺を見たのだ。

だが、もう遅い。


俺は目の前の雑魚を一太刀で両断し、血に濡れた手で、呆然とする女の手を引く。


「立て! 走るぞ!」

「あ、あなた……は……」


女は俺の背中と、二の腕に残る鱗を見て息を飲むが、俺の目を見て何かを感じ取ったのか、頷いて立ち上がる。


「逃がすかァッ!!」


父の振るう斧が、俺の背中をかすめる。

背中の鱗が弾け飛び、皮が裂け、激痛が走る。鮮血が舞う。

だが、止まれば二人とも終わりだ。


俺は女を背負うと、迷路のような岩山の斜面を駆け上がる。

追手の怒号。矢が岩肌を削る音。

俺の脚力は、常軌を逸している。岩から岩へ、獣のように跳躍し、垂直に近い崖を登りきる。


背後で、父の激怒した咆哮が響き渡る。

それは、俺との決別の合図だ。


5. 獣の刻印


岩山を駆け降り、谷を飛び越え、追手の気配が完全に消えた下流の川辺。

そこで俺は、背負っていた女を下ろした。


「はぁ……っ、はぁ……」


女は川辺の石に座り込み、乱れた呼吸を整えている。

ずぶ濡れになった衣服は肌に張り付き、破れた箇所からは白く輝く肌が露わになっている。

冷たい川の水飛沫が、火照った俺の肌を打つ。だが、俺の中の熱は冷めるどころか、爆発的な勢いで膨れ上がっていた。


「あ、あの……ありがとう、ございました……」


女が涙目で俺を見上げ、震える唇で感謝を紡ぐ。

その濡れた瞳。無防備に開かれた首筋。

白く、柔らかく、脈打つ命。


ずぶ濡れになった衣服は無惨に引き裂かれ、もはや肌を隠す役目を果たしていない。

破れた布の間からは、豊かな乳房がこぼれ落ち、その先端が白く透き通る肌の上で桜色に強張っているのが鮮明に見える。

さらに視線を下ろせば、露わになった秘所から、先ほどの陵辱の痕跡か、あるいは生理的な反応か、透明な粘液が銀色の糸を引いて太腿を伝っていた。

その無防備で、あまりに扇情的な「半裸」の姿。


それを見た瞬間、俺の中で張り詰めていた「理性」の糸が、プツリと音を立てて切れた。

「助けたい」という崇高な使命感は、一瞬でドス黒い、粘り気のある激情に塗りつぶされる。


(……美味そうだ)


俺は無言で女の肩を掴み、川辺の泥の上に押し倒した。


「え……? あ、あの……?」

「……ッ!!」


困惑に揺れる瞳を無視し、俺は彼女の上に馬乗りにり、のしかかる。

重たい音を立てて、白い肢体が泥に沈む。

俺の手はすでに、女の豊かな胸を乱暴に掴んでいた。


「ひっ、い、いやぁっ!?」


悲鳴があがる。だが、今の俺にはそれすらも極上の音楽だ。

力任せに揉みしだく。柔らかい。温かい。指が沈み込む弾力。

そして鼻腔を満たす、甘い雌の匂い。


「んぅ……っ! やめ、はなして……! 助けてくれたんじゃ……!」


「うるさい……ッ!」


俺は女の抵抗をねじ伏せ、その首筋に顔を埋める。

舌を這わせる。

しょっぱい汗の味。その下にある、甘い血の香り。

ゾクゾクと背筋が粟立つ。たまらない。父たちが夢中になるのも分かる。これは最高だ。


「あぁ……っ、んんっ……!」


俺は女の両足を強引に割り開き、その間に顔をうずめた。

そこには、恐怖と快楽に濡れた××が、無防備に晒されている。

鼻をつく強烈な雌の香り。俺の理性の最後の欠片が消し飛ぶ。


「――ッ!!?」


俺は獣のように、その秘所に喰らいついた。

ザラついた舌先で、震える××を執拗に転がし、弾く。

溢れ出る蜜を啜り、柔らかな肉襞をこじ開け、奥へ奥へと舌をねじ込む。


「ひ、あ、あぁッ!? や、やめ、そこ、おかしくなるぅ……ッ!」


女の背中が大きく弓なりに反り、上半身がのけぞる。

泥を掴んだ指が白く引きつり、足の指が丸まる。

俺は構わず、最も敏感な突起を唇で捕らえ、真空になるほど強く吸い上げた。

ジュル、ジュルリ、と卑猥な水音が響くたび、女の身体がビクンビクンと激しく痙攣する。


「アッ、ヒグッ! こ、こわ、れる! 頭が、ああっ、××しちゃうぅぅ……ッ!!」


「ひぐっ、あ、あぁッ! い、いやぁ……! 何か、入ってくるぅ……ッ!」


女の太腿が痙攣し、俺の頭を押し退けようと爪を立てる。

だが、その弱々しい抵抗が、俺の征服欲をさらに煽る。

お前のその声も、震えも、すべて俺が引き出している。

すべて俺のものだ。


『壊せ。食らい尽くせ』

脳内で何かが囁く。


俺は昂るままに、自分の欲望の塊を、女の秘所へと叩きつけた。


「アッ、ガアアアアッ――!!」


女の瞳が見開き、絶叫が木霊する。

構わない。俺は獣のように腰を打ち付ける。

何度も、何度も。

女は泥人形のように揺さぶられ、その瞳から光が消え、ただ快楽と苦痛の波に翻弄されるだけの肉塊へと堕ちていく。


「あ、はぁ、ひぃ……っ! こ、こわれる……ぅ……!」


「グルルルッ……! もっとだ……!」


まだ足りない。もっと深く。もっと強く。

俺は女の腰を万力のように鷲掴みにし、獣のように吠える。

「あ、ひぎぃッ! あ、あぁぁ……ッ!」

俺の爪が女の柔らかな太腿に深く食い込み、白い肌にどす黒い鮮血の筋を作る。痛みにのけぞる女の反応が、俺のサディスティックな征服欲を煽る。

結合部からは、俺の楔が最奥を抉るたびに、グチュッ、ズリュ、と卑猥で粘着質な水音が響き渡る。

蜜と愛液、そして血が混じり合う生々しい音。

「や、やめ、そこ、奥、突かないでぇ……ッ! お、おかしくなるぅ……!」

女の喉から漏れる途切れ途切れの喘ぎ声と、意識が飛びかけた虚ろな瞳。

そのすべてが俺を狂わせ、更なる暴虐の極みへと駆り立てる。


俺は動かなくなった女の肩口に噛みついた。

ガリッ。

鋭い牙が肉を裂き、骨に達する感触。


「ギャアアアアッ!!」


激痛による女の絶叫。

口いっぱいに広がる鮮血の味。


「――ハッ!?」


その悲鳴と鉄の味で、俺は弾かれたように我に返った。

世界が急速に色を取り戻す。

目の前には、泥と血、そして俺の体液にまみれ、白目を剥いて痙攣する女の無惨な姿。

そして、その身体に覆いかかり、口元を血で汚した自分。


何をした?

俺は、助けたかったんじゃないのか?

母と重ねて、守りたかったんじゃないのか?

それなのに、結局俺がやったことは、あの父たちと同じ――いや、それ以上に残酷な「捕食」だった。


「あ……あぁ……」


女はピクリとも動かない。ただ、壊れた玩具のように横たわっている。

俺は震える手で自分の顔を覆った。血の匂いが鼻をつく。

助けたはずの女を、俺自身が壊した。


「もう……だめだ……」


これでは、俺の心が壊れてしまう。

人間の心なんていらない。竜の身体なんていらない。


「人間か竜……どちらかで生まれたかった……ッ!!」


俺はその場に泣き崩れ、その場から動くことができなかった。

川のせせらぎだけが、俺たちの罪と絶望を、どこまでも冷酷に流していくようだった。

プロローグ:竜の落とし子、その生態


【個体名:ガロン】


種族:竜人族ドラゴニュート人間ヒューマンの混血


年齢:18歳


身分:王族の血を引く奴隷

【特性:18歳の変態】

幼少期は竜族と変わらぬ姿と獰猛さを持っていたが、成体となる18歳を境に急激な変態メタモルフォーゼを遂げた。


外見:全身を覆っていた鱗が剥がれ落ち、人間に近い皮膚が現れた。ただし、二の腕や背中には硬質な鱗が残存しており、上半身裸となれば、その異形さは一目瞭然である。


精神:かつて抵抗なく摂取していた「人肉」に対し、激しい拒絶反応と罪悪感を抱くようになった。


攻撃性:竜としての闘争本能が薄れ、人間らしい理性が芽生え始めた。


これは「進化」か「退化」か。

竜でもなく、人間でもない。どちらの世界にも属せない孤独な魂の物語。

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