表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Happy!大作戦  作者: 火無菊
1/1

みかん

みかんの白いぴろぴろを取るかどうかということは、たわいもない世間話の中の一つであり非常にどうでも良い話である。しかし食べ方に各々のこだわりが出るのではないだろうか。


いつの頃からか剥くようになっていたが、最初から剥いていたかは正直覚えていない。幼少期に家族や友人から影響されていたのかもしれない。


自分は何故かあの白いびろぴろが許せなくてみかんを積極的に食べる頻度が下がってしまった。なぜならめんどくさいから。


「あのみかんの白いぴろぴろ、アルベドって言うらしいよ〜」


「人物名みたいやね」


「栄養が多いとか言われてるけど、なんか舌ざらざらするような気がして苦手〜」


「だからってうちが剥いたやつ片っ端から持っていくのやめ」


「バナナやみかんって剥くだけですぐ食べれて、簡単に甘くて美味しいからハッピーじゃん!」


「いや自分で剥け、それかそのままアルベドさんくっついたまま食べろ」


「え〜アルベドさんきしょい。剥いたのもーらい!」


「それはうち用なんですけど??」


一緒にぐだぐだ喋っている、語尾がやけに伸びているこいつは同じ美術部に所属している幼馴染である。


「アルベドさんって石膏彫刻にいそうな名前」


「確かに!なんならアルベドさんの想像図粘土で作ろ〜!ね?」


ここはとある高校の美術室。夕日が沈んでいく中、油絵のシンナーのような匂いが充満し、大きなキャンパスに囲まれながらぐだぐだと雑談やお絵描きをするのんびりした部活だ。


2ヶ月に1度だけ顔を出せば良いのだが、居心地が良く毎放課後来てしまう。学校において自分達だけの空間というのは良いモノだ。


「みかんってさ〜、未完とも言えるよね」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ