第二章 激闘編
米米
このストーリーはインターネットに流布している話を参考にしたフィクションである。各々の内容が事実であるとは限らない。
米米
①
かずみは、朝起きて、お手伝いさんに入れてもらった東方美人に口をつけた。いい香りだ。好古園の一部を模した日本庭園を見ながらいただく台湾茶は格別だった。毎日朝起きてお茶を味わえると今日も生きていけると張り合いがでてくる。息子たち3人は無事に育ってくれている。基本、乳母がこどもたちを育ててくれた。帝王学やらを学ぶにはかずみは必要ない女だったからだ。でも子供たちは、たくさんかずみのお乳を飲んでくれた。実母なのに乳母の役割のようだった。あの子達は満腹になって、よく眠っていたし、免疫機能が上がってくれたはずだと自己満足していた。男の子3人はなにせ健康に育ってくれたから、よかったと。かずみは子どもたちを育てた気にはなっていた。
飼い猫のミーシャ<ロシアンブルー>は今散歩でもしているのだろうか?ミーシャは主人が他界してから、飼い始めた猫だ。戻ってきたら、朝食にいつもの手羽先を一本あたえよう。今日は御主人様の機嫌がいいから、グレインフリーのキャットフードもつけてあげよう。ふふふ。
子供たちは、かずみの親族の命日にはいつも庭にある神社にお参りに来てくれる。私の父(彼らの祖父の)命日には、いつものように上海から台北まで来てくれた。忙しいだろうにご苦労なことである。
「お母様、ご機嫌いかがですか?お変わりありませんか?」
長男の俊宙は、ジョン・ローンのような端正な顔立ちでヤクザのボスとは思えない口調でいつもかずみに聞いてくれる。
ガッチリした体格の長男の用心棒にしかみえない次男の浩然が長男と自家用ジェットで来てくれた。
三男の星宙は、日本にしばらく滞在しているとのことで、本日も来られないとのことだった。
「あなた達が達者でいてくれれば、わたしは健康なのですよ。いつまでも達者でいてくださいね。」
「お供え物はすでにしてありますから、まず神社に向かいましょう。」
三人で、二拝二拍手一拝で拝んだ。かずみは三人の息子が安全で健康でいられますようにと祈った。神社のかずみだけが知っている御神体のレムリアの青い石に向かって。
「星宙が日本にいるなら、顔を見に行っちゃおうかしら。日本も恋しいし。」と話を向けてみると
「星宙は関西にしばらくいる予定ですが、取り込み中だから、本当に顔を見せるだけになってしまうかもしれません。元気な顔をみたら、京都にでも旅行してみたらいかがですか?歴史あるかつての都で美味しいものでも食べて。」長男の俊宙が答えた。
長男は、もう実質的に組織を取り仕切っているとのことらしい。正式な就任を待つだけなのだろう。婚姻を済ませるまでは仮のボスなのだそうである。中国共産党とも、台湾の総督府ともつつがない関係でいることが組織内で評価されている。母親の血統が生きているのかもしれないと青島ではささやかれているとのことである。普段はヤクザらしく見えない。厳しい顔をした普通のサラリーマンのようだ。しかし、一旦切れるとすざましい形相になって何をしでかすかわからない残酷なタイプの人間だ。一目置いていた組織を裏切った部下に対して、パンツを下ろさせて2つの金玉を串刺し、バーナーで焼き切った。部屋では、悲鳴と沈黙(失神)が、交錯していたらしい。この男の子孫が決して今後存在しないように施し、地獄の苦しみを与えるためだ。みな顔をしかめて状況をみていたが、俊宙は平然と睨んでいた。長男のひと目見た印象は堅気でも、中身は紛れもなく中国マフィアそのものである。
次男は、父親に似て、顔も体もごっついが、仕事はきめこまかいく対応するタイプである。切った張った青島内の行政に力を発揮している。組織づくりには天賦の才能があるのだろう。兄を助ける役割に徹している次男である。兄弟で外交官と行政官の役割で連携して組織を回している。祖父の楊傑が人相判断と姓名判断の画数から描いていた青写真通りとなった。でも、右足にも左足にも細長いナイフをいつも隠し持っている。藤沢周平の小説の隠し剣のように、ピンチの時にはいつでも使えるように練習しているとのことである。この家業だと武力が必要な時が来ると考えていた。
三男は、青島ではドブ掃除の役回りで、危ない橋をわたっているので、かずみの心配の種だった。無事でいてほしいと今日も三男のことに時間をかけてお祈りした。
かずみには、三人の子供とも青島の重鎮でなくてはならない存在になっていることが不思議に思えた。健介とかずみの子どもたちなのにである。隔世遺伝なのだろう。
かずみは、組織で認められたり、実力を発揮したりで、世の中で血統の存在が重んじられていることが少し分かったような気がした。
②
三男の星宙は、ヤクザのイメージを劇画にしてみたらこうなるという顔である。短髪で大きめの黒いサングラスをいつもかけている。とても鋭い眼光なので、相手に威圧感を与えすぎないようにするためだ。商売上、人を警戒させすぎないのが得策だと思うようになったからである。最近は、コロナ予防の為マスク着用が流行っているので、人に会う時は、桃色や赤色の明るい色のマスクを着用するようにしている。
お母様は、私が黒いサングラスをして会う時は、そのメガネを外してちょうだいと言って、母が前に体を乗り出してきて、息子のサングラスを外して母の前の机の上に置く。お母様がにっこり笑ってから、会話が始まる。星宙が怖い顔でも、息子は息子なので、息子の顔を見たいのだろうと思っている。
戦闘を何回もくぐり抜け、この世界で生死の世界をまたいでは、行ったり来たりしている。生き残っていくたびに、戦い前に怖いと思うことはなくなってきていた。俺はいつ死んでも仕方がないと踏ん切りがついてきたからかもしれない。それに、母と兄たちにしか知らせていないが、息子がすでにひとりおり、自分に何かあったら、息子とその母親の面倒を見てくれと伝言してある。彼らなら約束を守ってくれるはずである。息子ができたから、この世への未練が少し小さくなっているのかもしれない。
お母様は、茶目っ気があるが、話し方と見た目の印象と違って、度胸の座っている女性だと大人になってから、三男は認識を新たにしていた。星宙にとっては、今やなぜか母親をとても畏怖している女性になっていた。この感覚はどこから来るのか、年齢を重ねれば、分かるものなのだろうか?
兄たちから、母が星宙に会いに行くという連絡をうけた。日時は後で連絡するとのことだ。現在兵庫県で自分が取り込んでいることが謎解きのようで、精神的な余裕がない。母も三男の状況はうすうすわかっているから、兄たちからはモーニングかランチを一緒に取ってやってくれとのことだ。兄たちは、星宙が母の顔を拝見して、少しリフレッシュしてくれればいいと思っていた。でも星宙は、母への親孝行ではなく、自分のために、会いたくなっていた。助言が欲しいわけでもない。会話の中で、なにか助けになってくれることを気づかせてくれるのではないかと期待している自分がいた。
③
青島が地道に取り組んできた計画にほころびが出始めてきたことが垣間見えてきたからだった。星宙は、この不自然なことに精神的に忙殺されているといっていい。
GHQの戦後の日本統治の計画が占領後に変更されたことがあった。
日本人はなにかとごまかしてくるので、GHQはスムーズに日本を統治できないでいた。そこで、GHQは見た目では区別がつきにくい中国人や朝鮮人を重要ポストに重用していくことにした。現在国会議員の9割ほどは、実際在日で固められている。国家公務員(官僚)は7割ほどを在日で占めている。医者も地位が高い人ほど日本人ではない傾向にしているのである。
県庁にも、青島は、そのような風を吹き込む計画に臨んでいた。約7000名の兵庫県庁で働いている在日中国人は、1000名を超えていた。人事部部長や総務部長はもとより、在日の人間が多いほど、予定している計画遂行には有利に働く。この5年間で、退職者も少しいる。だが、自殺者や事故死で、100名以上が死んでいる。退職後に自殺したり、自然死とは思いにくい事故死をしているケースもある。今や県庁の在日職員は、800名を割り込んでいる状況だった。最近心筋梗塞、脳血栓、腎臓や肝臓の疾患で、長年の不摂生が原因と思われるような職員たちがつぎつぎに死亡している。補充も順調というわけにもいかず、意図的に在日の人数が削減されている計画が実施されているのかもしれない胸騒ぎが星宙にあった。
維新の会の議員からは、知事と焼き肉4人組と噂される側近は部落問題や環境整備事業などのようにいろいろな兵庫県にはびこる利権を解消しようと取り組んでいる。知事と4人組とが利権の最後の砦である港湾利権に手を突っ込み始めてから、我々の息のかかった職員たちに不幸が起きているケースが増えてきている。単なる偶然なのだろうか?薄気味悪かった。
星宙は、神戸山口組の仕業ではないかと警戒していた。維新、中国が絡んでいると地元の暴力団である神戸山口組が気づいていると考えるのが自然だ。自民党ともつながっている。奴らが気が付かないはずがない。知事とその側近が県政でしている改革を考えれば馬鹿じゃなければ気づくはずである。星宙の勘が外れているとは思えなかった。
今までと違う。山口組も青島も、鉄砲や刃物での闘争で伸し上がったヤクザだ。自殺や事故死に見せかせることはよくあることである。長男の俊宙も、新たな形の戦闘が始まった気配を感じ始めたので、弟の星宙を兵庫県に送ってきていた。連絡を頻繁にくれるようにとのことだ。兄弟で連携して対応できるようにするためだった。
④
正木刑事と相棒の高崎刑事は、西播磨県民局長が自殺したとされた現場にいた。
遺族からの依頼で創作されたが、しばらく前から誰も住まなくなっていた実家の風呂場で、手首を切って浴槽の中で死亡していた。遺書はなかった。
正木刑事は、すぐに血まみれの湯船から引き上げられた際に見えた足首に付いている痣が気になっていた。刑事は足首に(手錠というか)足錠をしばらく付けていたのではないかと推測した。面倒くさがる検査医に死因を調べてくれないかと両手を合わせてお願いしていた。
ただの勘だったが、手首を切っての自殺にしては、湯船の血の量がやけに少なく感じられてもいた。顔も苦悶の表情だった。もっと穏やかな死に顔でも良さそうだと感じたからだった。
⑤
星宙は、母親とステーキランチをシティホテルで食べながら、いつもの挨拶を交わして、陳腐な戯言を言い合った後、お母様に言われた。
「昔、聖徳太子という人がいて、『和をもって貴しとすべし』唱えた人がいて、その言葉は、今でも引用されることが多い有名な言葉よ。日本人らしさを象徴している言葉の一つ。天皇陛下が蘇我氏に暗殺された後、戒めとして十七条条憲法に記載されたの。暴力で物事は解決しないし、禍根を残すから。
あなたは中国人だし、日本人でも現代社会でそんな呑気なこといって生きてなんかいられないよと思っているでしょうね。昔は昔、今は今なのだからと。仕事にもよるし。現実に、そんなこと可能なのかと。
でも、あなたの頭の端に刻んでおいて欲しいわ。その言葉があなたの助けになる日が来るんではないかと私は思っているの。」
三男は、黙って母親を見つめていた。
➅
検査医から正木刑事に翌日に連絡が来た。
「心臓にスパイクタンパクが管を巻いています。これで血液が流れにくくなってしまった。死因は心筋梗塞になります。これは手首を切っての自殺ではないです。自殺に見せかけています。」
高崎刑事は、正木からの説明を受けた後、コロナワクチンとスパイクタンパクを詳しく説明していただけませんかと聞いてみた。
正木は「お前には、コロナワクチン注射をしてはいけないと言っていたよね。親や兄弟にも。免疫機能を破壊する機能があって、心筋梗塞や脳をつまらせる。そして腎機能や肝臓機能などに害を与えるのだ。その悪さをするものがスパイクタンパクなんだよ。更に言うとどうも浜松市のデータでわかったことだが、製造番号で3000番代と決まった番号だと致死率100%なのだそうだ。がん患者も増えているらしい。ネットで流れている情報だが、弟が日本医師会に所属していない医師だから、確認が取れている。」
正木は、検査医に頼み込んだ。「もう火葬されていると思うが、過去の死体で、兵庫県庁の在日の職員が死亡した例で、スパイクタンパクで死亡したか自然死なのかどうか?他の死体でチェックできるってことはないですよね。たぶん火葬されているだろうし。お手数だけどスパイクタンパクでの死亡がチェックできるものがあれば、お願いします。」
正木刑事は、自殺でないとすると、故人の遺留品を調べて犯人を探してみる。捜索の自然な流れである。故人宅のデスクとキャビネット、そして自宅のパソコンと個人用スマートフォンを遺族の承諾を得て、貸してもらった。
また、県民局長の県庁用のパソコンとスマートフォンを貸してもらいに、県庁に出向いた。岡山副知事が警察署の正木と(正木の部下の)木村の2名の刑事を応接室にて出迎えてくれた。書類の閲覧の許可と県民局長の会社用のパソコンとスマートフォンの押収の件をお願いすると
「自殺と聞いているのに、なぜですか?」と執拗に聞いてくるので、「捜査上必要なことなので、それに他殺かもしれない。」と言っても、うだうだと煮えきらないので、もしかしたらそんなことになるかもしれないと思い裁判所発行の捜査令状を持ってきていた。
副知事が真っ先に応対しに来たので、これはやはり何かにあるにちがいないと正木刑事は踏んだ。それに捜査令状に目をまんまると見開いていた。捜査令状を示されることになるとは、思ってもいなかったのだろう。 事前に取得して、カマをかけて様子をみてみたが、それがあたった。
これは何かあるぞ。このIT機器(PCかスマートフォン)は突破口になりそうだ。刑事はほくそ笑んだ。
⑦
星宙のもとに、神戸山口組が自分たちの港の倉庫にウクライナからの積荷を移動していると神戸港で荷作業をしている青島のメンバーから連絡があった。なんでも気になることがあったら連絡するようにと言っていたからだった。
2年ほど前までは、ウクライナからの荷物なんてまったく無かったとのことだった。黒海から神戸港に何を運ぶのか?ここで働いてからそんな荷物があったことがなかったけど、ここ1年ほどウクライナから荷物がたまに来ているとのことだった。穀物でも輸入するようになったのだろうか?しかし、一部の荷物を組員たちが大切そうに移動していることが気になっているとのことだった。大きなコンテナには、穀物が入っているようだが、フォークリフトで運んでいる(真空断熱)クーラーBOXが10箱ほどある。移動するのに必ず4人ほど警備しているかのように、その荷に付き添っているのが不自然とのことだった。そんなに大切なものかと。
岡山副知事は、油断しすぎてしまったと悔やんだがもうどうしようもない。まさか警察がアプローチしてくるなんて。県民局長のファイルはすべて削除していたが、PCもハードディスクも物理的に壊してしまわなかったので、警察がハードディスクを復旧してしまうかもしれない。正木とか言った刑事はボンクラではなさそうなので、リストを探し出してしまうかもしれない。社内や副知事の不倫データを発見するだけにとどめておいてくれるのを祈るしかなかった。気づかれてはいけないファイルも復旧されるかもしれない。
とりあえず維新の議員には早く状況報告しておかないと。
正木刑事は、警察がPCを押収した時点で、ハードディスクのファイルをチェックすることはもちろんのこと。削除されたファイルも見ることができるかもしれないので、削除されたファイルを復旧してもらえるように警察のITチームに依頼していた。
維新の議員には、県庁の裏リストが警察に漏れるかもしれないと連絡をいれた。維新の議員からは、星宙にすぐに連絡がはいった。それに、検査医からも、星宙にスパイクタンパクの件も連絡が来ていた。
➅
星宙は、ウクライナからの荷物を確かめてみることにした。今夜荷役として潜入している青島のひとりに倉庫の案内を指示してもらうことができた。案内役は、星宙と仲間二人(医師と手下)にセキュリティカメラに映らない経路を教えてもらう。ダボダボの黒い服と帽子と大きな黒いマスクを着用して、ウクライナからの品物がある倉庫に入った。後でカメラに姿が多少移ったとしても、誰が侵入したかわからないようにするためである。
星宙たちは、倉庫内に小型倉庫があることをすぐに分かった。
そのなかに入ると非常にひんやりとしていた。冷凍保存しているのだろう。荷はやはりワクチンに違いないと思った。
同行している医師が、このクーラーBOXを開いて、薬品をワクチンの容器に落としてみた。液体が凝固した。
「やはりワクチンのようです。武漢でしか作っていないものだと思っていました。ウクライナでも同じようにつくっているのですね。容器までそっくりだ。ロット番号がすべて3000番台のようです。一品抜いておきますね。詳しく調べてみます。たぶん何種類かあるうちで、確実に数日以内で死に至るワクチンです。」と医師が言った。
星宙の部下は、携帯時限発火装置をBOXの奥に忍ばせて倉庫を辞した。6時間後にはすべてのワクチンが燃えて使えなくなる。
⑦
正木刑事のもとに、PCを調べているテクノロジー班から、副知事や県庁に勤める職員の不倫情報などの労務情報以外に面白いものを発見したとメッセージ連絡があった。電話では話せないので、警察本部に来てからお話したいとのことだった。
事前にチェックした高橋刑事から正木刑事には、
「県庁職員のリストがゴミ箱に削除されたファイルから出てきました。おもしろいのは、リストには在日の職員には、日本名の他に民族名が記載されていることです。裏リストというものなのでしょうか?そして、今回の県民局長も含めて在日の方でこの約2年で死亡された職員には、バツ印がついていて、100名以上なんです。正確に言うと151名です。」
正木刑事は、マスコミと兵庫県議会が現在、パワハラだとか、おねだり疑惑とかテレビで放映されているが、誇張して報道されているし、ひつこく報道していたので、なにかひっかかっていた。姫路ゆかた祭りの件をその担当者と確認してみたが、全くのでたらめであることがわかった。母親の友達もゆかた祭りの婦人会に所属しているので、大嘘であることの裏も取れた。
知事は嫌われるタイプだからやられたのかと思ったが、別件で知事の政治生命を葬り去ろうとしていると推察した。
⑨
万博は開催が微妙になっていた。ただでさえ、資金が不足しているのに、この数年の物価高である。万博開催を契機にインフラを整備するため、万博後のカジノ用インフラ整備が進んでいない。資金を注入できなければ、万博は頓挫するが、それにともない、その後建設予定のカジノがふっ飛んでしまう。そんなことになったら、カジノ利権は消えてなくなる。インフラ整備が完了後なら、まだなんとかなるかもしれないが、厳しくなった。
それに、直接万博と関係している案件ではないが、カジノ利権に深く関わる港湾利権を同時に獲得してしまおうとしていた。
維新と中国の狙いは、平たく言えば、自民党や神戸山口組が抑えている日本の港湾利権を維新の会と中国の利権に切り替えることだった。そして、姫路、東播磨、神戸、尼崎西宮芦屋と大阪の湾岸の県をまたがって最新設備に切り替えて統括管轄することである。効率化の名目で利権を抑えられる。
各港には港湾を取り仕切っている組織がある。県庁を在日職員で取り囲んで、いろいろな利権を有利に進めていく。そして、湾岸組織にも在日を多数勢力に収めて、多数派工作で、港湾利権を一気に把握する。カジノと合わせれば、より巨大な利権となる計画だった。
県庁でも、港湾の各組織にも在日の勢力を大きくして反対を抑え、メディアから効率化という名の下の宣伝効果で、カジノ利権よりも先に抑える予定だったが、知事や副知事、そして新しい維新・中国派閥が、旧派閥(自民党・反知事)に押し戻られることになってきた。
⑩
星宙は、兄の俊宙と浩然に、兵庫県の状況を報告した。すると長男の俊宙が、新しいワクチンであるレプリコンワクチンを兵庫に空輸するからそれを利用したらどうだと切り出した。このワクチンは、それを注射した人が他の人にもワクチンの死に至らせる機能を空気感染するタイプのものであるので、
「でも、味方にもワクチンの免疫排除機能が伝播してしまうから、共倒れになっちゃうんじゃない?」と星宙が兄に質問すると、
「コロナワクチンとレプリコンワクチンとも、ワクチンとは名ばかりで、遺伝子を変更するスパイクタンパクを体内に注入して、免疫機能を破壊していくワクチンであることは我々の共通の理解だ。レプリコンワクチンは、コロナワクチンの機能に加えて、シェディング(接種者の呼気や汗腺から何らかの毒素が放出されて非接種者に感染する)機能が加わっている。しかし、レプリコンワクチンが伝播してもワクチンの致死機能を無力化するワクチンを星宙も含めて青島のメンバーには打ってもらう。ならば、我々は心配なく活動できるということだ。蛇足だが、レプリコンワクチンが最初に開発されたが、レプリコンワクチンを無力化するワクチンの開発に時間がかかってしまったんだ。だから、日本はじめ世界では、レプリコンワクチンを使用できなかったんだ。政治家や官僚、そして医者にもダメージをあたえることになるから。」
「神戸の湾岸の労働者に打っておけば、青島のメンバーは死ぬことはなく、神戸山口組などその他のメンバーをやっつけられる。荒いけど、いい案ですね。やってみましょう。青島のメンバーを中国から送ってくださいね。兵庫県に待機させましょう。日本人が死んだら、中国人を送り込んで港湾作業に支障がないようにしましょう。」
兵庫県庁内も、港湾内部も、地道に足固めが完了する。後はマスコミに宣伝されることができる。港湾作業で、大阪も含めて、維新の会の政治力を活かして、施設や器械を中国企業製造物で揃えることができる。今までの利権を一掃して、人件費、機械リース費、運送作業費など全て、中国利権に変更できる。
⑪
正木刑事に、検査医から連絡が入った。
「兵庫県にある5箇所ある港湾事務所の職員や荷役作業員」の死亡者がこの6ヶ月で50人以上です。半端ない人数です。それに死因と死体を調べてみたら、すべての職員や荷役作業員からスパイクタンパクが検出されています。心筋梗塞やら、腎臓障害やら、脳血栓やら、(ワクチンで自殺を誘発するのか)自殺の人まで、脳やら、心臓やら、ありとあらゆるところからスパイクタンパクが発見されています。異常としか思えない死亡者数です。大虐殺です。情報を付け加えると港湾事務所の職員でスパイクタンバクで死亡した人は全員日本人です。また、遅くなりましたが、県庁で亡くなった在日の人を調べてみたら、スパイクタンパクで腎臓をやられた人が1名出てきました。」
正木は、県庁では在日の職員が、湾岸事務所では日本人が、スパイクタンパクで死んでいることになにか関係があることなのか?ないのか?中国と日本との戦争なのか? 全く意味がわからなかった。ただ、神戸山口組がざわついていると暴力団取締役関係者からの連絡で警察署内で噂にはなっていた。
⑫
神戸山口組の若頭補佐の新崎は、あっと言う間に中国に5つの湾岸組織が乗っ取られていることに驚愕していた。新崎は、自分たちもワクチンを利用して人を殺していたから、警視庁内部情報で、スパイクタンパクの情報を確認できた。
各組織にいる班長以外は、随時、在日に乗っ取られていることに気付いたのは最近になってからだった。残っている日本人は、ヤク漬けにされたりもしている。兵庫県庁の在日勢力を2年ほどかけて地道にけずってきたのに、中国人は一気にやって来るのだな。やはり、日本人よりも中国人の気が短いのか?こうなってしまっては、青島の幹部がいるアジトを見つけ出して、方をつけよう。
中国人たちは岩木山の別荘にアジトがあるらしいから、皆殺しにしてやろうではないか。頭も殺してしまうチャンスだ。「これだけ若いものがやられたのじゃ黙っているわけにはいかない。鉄砲玉集めろ。」
正木刑事と高崎刑事は、神戸山口組が動いているので、部下を神戸山口組の主要な事務所を見張るように手配していた。3箇所から20人ほどヤクザが移動し始めたと情報があった。
青島はまさか殴り込みに来ると思っていないので、神戸山口組を見張っているわけでもなく、湾岸事務所も見張っているわけでもない。
次男が日本に様子を見に来ていたので、軽く飲みながら、事が順調に運んでいることを確認して、次のマスコミ対策を相談していた。2人しか外で別荘を見張っていなかった。別荘内には10人ほどいた。
新崎は、まずグレネードランチャーを別荘に撃ち込ませた。一発目で完全崩壊していなかったので、2発目を打ち込ませた。別荘があった場所に行ってみると人が何人も横たわっていた。横たわっている人間には、体が半分ない者まで頭がある人間には、瓦礫を除いて、ひとりひとりの倒れている頭に銃弾を打ち込ませた。
赤外線望遠鏡で人数を確認していたが、中国人2名が見当たらないように新崎には思えたが、もう別荘には、いなかったのか?と思い始めた頃、東の方角から銃弾が飛んできて、またたく間に4名が倒れた。
(「浩然と星宙は、一発目にランチャーが別荘に着弾した後、リビングの隣の部屋で運良く相談していたため、地下からの脱出口から逃げられた。地上の脱出口は西側と南側があり、星宙と浩然は脱出した。中国に逃げてください。わたしは、奴らを仕留めてきます。このまま引っ込んでいられません。と兄に言い残して暗闇に消えた。」)
星宙は、グレネード(手榴弾)を3個四方に投げながら、電動ハンドガン神戸山口組の奴らを連射した。神戸山口組15人が死んだり、負傷したりして戦闘能力を失った。しかし、星宙も銃撃戦で、すでに左腕が吹っ飛んでおり、右足の腿にも複数被弾していた。星宙は負傷しながらも新崎の前に立ちふさがって銃をかまえた時、「拳銃を捨てろ」と後方から、声がした。兄の浩然を腕で羽交い締めにし、頭に拳銃を突きつけている若いヤクザが叫んだ。
三男は、「なぜ浩然がいるんだ。逃げていないのか?」と思ったが、兄はすまないと目で弟に合図していた。星宙はこれまでかと拳銃を地面に落とすと。
浩然が、後ろから頭を狙われている体をすばやく下にすり抜けて、左足からナイフを取り出して、若い男の首を刺して絶命させた。そして、すばやく右足のナイフを新崎に投げつけた。新崎のこめかみにナイフが刺さって後ろ向きに倒れた。
星宙が「お見事と。」言って後ろ向きに倒れた。
浩然が「気を確かに。」と言ったところに、パトカーのサイレンが鳴り響き、正木がパトカーから出てきていた。
⑬
星宙と浩然は、神戸山口組から突然別荘を襲撃されて正当防衛で応戦したことになった。維新の議員たちの後押しも有り、逮捕されることもなく無事に中国に戻って休息を取ることになった。
星宙は、左足も右腕もない身では、お母様に合わせる顔がないなと呟くと
浩然は、メドベッドで治療してもらうから、右腕も左足も前のように戻ってから、お母様にお会いすればいい。心配することはなにもないよ。と笑顔で返答した。
星宙が、ベッドで目が覚めるとお母様がベッドの横に座っていた。
大変な怪我だったのね。でも死なないで良かった。歩き回れるようになったら、台湾のお母様のうちに来てくださいね。話があるから。
プロローグ:
かずみは、星宙と庭の神社をお参りした後、ちいさな奥宮の扉を開けて、白い布にくるまったものを取り出した。庭の縁側にすわって、星宙に握りこぶしくらいの美しい青い石を見せてくれた。
かずみは、「この神社の御神体は、レムリアの青い石というものなの。」と息子に話し始めた。
このレムリアの青い石は、伏見家に伝わってきたものです。
日本列島の太平洋側にレムリア(ムー)と呼ばれる大陸があったの。そこでは、住民は、争いごとがなく、とてもしあわせにくらしていた。巨人族もいっしょに暮らしていて、皆とてもしあわせだった。
ある頃から、レムリアが海に沈むという噂が広がり始めても、本当かどうかわからないと警告をする神官を聞きながしていた。しあわせすぎたのかもしれない。
でも、突然大陸は沈んでしまった。住んでいた住民はバラバラになって、一部は日本に行き着いたの。レムリアの青い石は、平和に安全に幸せに暮らすという象徴だと私は思っています。
伏見家の人間は、人の悪口を一切言わない人だと聞いています。祖父もそうだった。
あなたは、そんなことなど、自分の周りではありえないと思うでしょう。でも、あなたは、伏見家の血統を受け継いでいる。そして、わたしたちはレムリアの青い石を受け継いでいるということを。
あなたにも、レムリアそして伏見家のそんな血が流れているということを頭の片隅において頂戴ね。
激闘篇終了。レムリアの青い石編につづく。
米米
このストーリーはインターネットに流布している話を参考にしたフィクションである。各々の内容が事実であるとは限らない。
米米