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先ほど女子生徒を連れて行った大人の2人が戻ってきた。
外で話すのもと思い敷地内に入ってもらう。
「あれ、君って。」
門を閉め4人で向き直ると大人の人の1人が声を上げた。
「先日、外に行った時に門のところで会った警備隊の人で間違えないですか?」
あの時とは制服が違うので先ほどは気が付かなかったが、あの時外出届をわたした人だった。
「学生証の提示は必要ありません。そうなると所長を呼ばなきゃいけなくなるので。」
姉さんは一応確認されていたが、こっちは確認がなかった。
そこからあったことの確認をされた後、先ほどの女子生徒のことを教えてくれた。
「その人も何も知らないと…。」
主張していることが先ほどの男子学生と全く同じだ。
「なぜここにいたのか、なぜ怪我をしてるのか。まったくわからないそうです。」
なので精神鑑定などを専門に行う人待ちと言うことらしい。
「マーケットでの出来事も関わってるとすると確実にねらわれてますよね?」
確認のために姉さんが聞く。
「その可能性が高いですね。偶然で1日に2度も被害にあうなんてことないでしょうし、無差別的なことならもっと騒ぎになっててもおかしくない。」
「心当たりがないのですが…。」
「クラブに所属していると言うだけで敵意向ける人たちが居ないわけではないでしょうからね。」
そう言う線もあるのかと今更ながら考えが至った。
「どうされますか?」
突然向き直ってそう問われる。
「トランプの方が当事者の場合、我々より権限が上になります。」
なんだか少し前にも同じようなことを言われたのを思い出す。
「今の私にはこの件を解決できる力も人脈もありませんので、全てそちらにお任せしたいのです。」
知らないと言い張る人たちを尋問する能力もなければ、あてもない。
「わかりました。この件に関してはこちらが責任を持って捜査と報告をさせていただきます。」
一応警備を強化する旨と、できれば解決もしくは何かわかるまで行動範囲を限定して欲しいと言われた。
そうして警備隊の人たちはひとまず帰って行った。
「ミリア、今週授業以外に何か特別用事はある?」
「特別どこかに出向かなきゃいけないところというと金曜日ですかね。」
「そう言えばそれがあったわね。」
金曜日はもう1度花園のクラブハウスに行かねばならない。
申請した貸出品の受け取り確認と祭り期間中に配る物を受け取りに行かなければいけない。
「私が一緒に行ければよかったんだけどね。」
「必ず花姫本人が取りに来るようにと言われたのでこればっかりは仕方ないですね。」
説明の時も姉さんが書類の提出をしに行ってくれた時にもそう言われたそうだ。
「とにかく、それ以外はなんとかしないとね。」
それから話し合い、できるだけ1人で行動しないように計画を立てた。
「そう言うわけですので来週と再来週はお休みさせていただきます。」
木曜日、授業前。
いつも通り早い時間に来ていたミチカに事情を説明する。
「わかったわ。ノートと先生への説明は任せて。」
「ありがとうミチカ。これよかったら受け取って。」
焼き菓子の入った箱をわたす。
「これ、ミリアのところのブラウニーズの手作り。」
ミチカが受け取りながら言う。
「うん。たぶんしばらくはたくさん必要だからお願いしてたくさん作ってもらってるんだ。」
わたすのはミチカが最初だよ。と付け加える。
「たくさん必要って?」
「うん、いろいろとね。」
かいつまんでミチカに伝えればなるほどねと納得してくれて、そのタイミングで他のみんなも登校してきた。
「ティーの力を細かくしたい?」
午後の実技の時間。
今日は何か課題をこなすわけではなく、それぞれがティーの得意なこと苦手なことを理解しようと言う事になりそれぞれが課題に向き合う中ユノカに相談をする。
「私の能力って、なんというか大は小を兼ねる的な大雑把なところがあって。」
「もっと細かく小さくコントロールするにはどうしたらいいかってこと?」
ユノカの言葉にうなずく。
「大雑把って言い方はどうかと思うけど、広範囲に影響できるミリアさんのティーはかなり魅了的だと思うけどね。」
例えばとユノカが自分のティーを呼び寄せる。
「ハトって飛んでる時、大きく羽を広げて羽ばたいてる時と羽を閉じて身を任せるように移動している時。他にも色々あるけど使い分けてるのよ。」
ティーを呼び寄せたのはその違いをわかりやすく見せるためかと納得する。
「ミリアさんの場合だとそうね…。」
そう言ってユノカはティーを撫でながら少し考える。
「例えばわかりやすくサインを決めるとか。」
「サインですか?」
「そう。今ってティーにどうやって行動を伝えてる?」
「言葉にしたり願ったりですかね。」
あとティーが意識外で勝手に動くこともあるかと思う。
「例えばよ…。」
そう言ってユノカはポケットから口紅と言うには可愛らしい色なので色付きのリップだろうものを取り出す。
そしてキャップを開けると、人差し指の先に付けた。
「指で普通に線を書けば太い線が、でも爪を立てるように線を引けば細い線に。」
行動を言葉にしながら腕に2本の線を引く。
「指先に付いている量は一緒だけど、書いた結果は違うでしょ。こう言う些細な違いでティーに目的の違いを伝えるっていうのはどうかな?」
「なるほど。」
そうなるとティーがどれほどこちらの行動を参照してくれるのかなど模索することは多そうだが、ひとつの解決策にはなり得る。
「ありがとうございます。」
「いいのよ。他にもわからないことがあったらいつでも聞いてね。」
ユノカは他の生徒を見て回るために行ってしまった。




