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アニミ物語  作者: カボバ
冬祭り編
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76/419

4





さっていくアダンがそう言ったので振り返ると顔は見えないがたぶんタモンだろう人物がこちらに来ていた。



アダンの方に軽く頭を下げ見送る。



「ミリア、大丈夫だったか?」


「アダンさんが盾になってくれてましたよ、話もいっぱい聞かせてくれました。」


「そうか。」


俺たちも出ようかと促された。




粗方部屋の中の居た人たちは退室したようでこの場所からでも祭壇がよく見える。


そちらに向き直り軽く頭を下げてから、タモンに続いて部屋を出た。




部屋を出てまだ立ち話をしている人たちの横を抜けエレベーターに乗ってからタモンが帽子をとったので、ならって帽子をとる。


タモンが8階を押したのですかさず6階を押す。




「明日は朝11時にここを出発するそうだからできればギリギリまで部屋で待機していて欲しい。」


「わかりました。」


10分前になったら1階のエントランスに集合してすぐに影に入るようにと言われたのでそれも了承した。


話をしていればあっという間に6階に到着し先にエレベーターを降りる。



「それじゃあ、おやすみなさい。」


「あぁ、おやすみ。」


そう返すとすぐに扉を閉めエレベーターは行ってしまった。





部屋の中に入りひと通り室内を探索した後バスルームに向かう。


長風呂する気にもなれずさっさと済ませ部屋に用意されていた食事を食べてベッドで寝てしまった。



何もしていないのに疲れた。


ただただそう感じる1日だった。






「ご朝食の準備ができました。」


翌朝、目が覚めてベッド横にある簡易的なクローゼットの中に入っていた制服に着替える。


ちょうど着替え終わったタイミングで隣のリビングスペースから繋がる短い廊下の方から声がかかる。



「ありがとうございます。」


こちらに気をつかって見えない位置から声をかけてくれたのだろう。


しばらくして人の気配がなくなったところでリビングスペースを抜け隣の部屋に行くと1人分の朝食が準備されていた。



そして時間になり部屋を出る。


エレベーターを待って扉が開いたと思ったら駆け込むようにもう1人乗ってきた。


来ている服の特徴から同じ学園の生徒であることはわかったが知らない人だった。




話す必要もないのでそのまま無言で1階に向かう。


1階に到着すると先に降りて足早に行ってしまったのを見届けてから降りる。


エントランスホールを見回せばすぐにタモンを見つけることができたので、壁沿いに歩き近寄る。




「おはようございます。」


「おはよう。早速だが入ってくれるか?」


「わかりました…!」


返答しながらさっさと影の中に入ろうとしたところ、1歩分入ったところで背後から何かがぶつかった。




「ごめん、僕もかくまって。」


そのままぶつかってきた人物と2人で影の中に入ってしまう。


「えっと…。」


後ろを振り返り相手を見ると先ほどエレベーターで一緒になった人物だった。



背は頭ひとつ分高くて、歳もたぶんそんなに離れていないように見える。



相手の袖を掴むとハッとする。




「えっと、大丈夫ですか?」


「うん、大丈夫。君のティーの能力?」


「そう言うものだと思ってもらえれば。」



すると外にいるタモンが誰かと話している声が聞こえた。




(…相手は誰かを探してる?)


もう1人の話している言葉はとても断片的にしか聞こえてこなかったが、その内容は人探しのようだ。




「ミリア、それにユイト聞こえるか?」


問答をしていたがやがて終わったようで小声だがはっきりこちらに聞こえる声で声をかけてきた。



「もう出発の時間だからこのまま行くが、ミリア体調が悪くなったらすぐにそいつを出すんだ。ユイト、お前の兄貴からかくまうのは学園までだからな。」


「わかった。」


ユイトと呼ばれた彼が返事をする。



「少し色々と準備をしたいので私のどこでもいいので触れた状態でいてくれませんか?」


数秒の間を置いて声をかけた。


今は彼の袖を掴んでいるがこのままでは何をするにも不自由だった。



恐る恐るといった感じで肩に触れて来た事を確認し、彼の袖から手を離す。




(確かずいぶん前に入れてたはず…。)


そう思いながら自分の影に手を入れて中を探る。


中から取り出したのはまさに何をするにも中途半端と言った長さの青緑色の紐だ。



レクリエーションの時間に毎回ただおしゃべりするのは芸がないと言う話になった。


そこでそれぞれが得意なことや自分ならではの技術を実演して見せようと話になった時、ミチカが披露してくれたのがミサンガ編みだった。



聞いたことはあったし生まれ育った街でもやっている子は見たことがあったが、自分でもやってみるとこれがなかなか楽しくてティールームで1人黙々と作業して作ったものた。




(特に用途がなかったし解くのももったいなかったから取っておいたけど、役に立ってよかった。)


片方に結び目と輪を作り自分の手首に通す。そしてもう片方も同じように輪を作り彼の手首に通した。



「少し不便ですけど、これでとりあえず両手は自由に使えると思います。」


影の中を何度も利用していてわかったことは、別に直接触らなくてもある程度融通がきくということだ。




(これでもいいって気がついた時にはさすがに驚いたけどね。)


正確にはタオルの引っ張り合いをしていて誤って影の中に落ちてしまったテルマのティーを、中途半端に影から飛び出したままだったタオルを引っ張り上げた。


その時に聞けた証言を元にできるだろうと言う発想に至った訳だ。



その後さらにクッション2つ影から出し1つを手わたし座った。




 


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