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アニミ物語  作者: カボバ
入学編
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36






翌日は1時間目の授業はなく2時間目からだが、時間ギリギリにいくのはどうかと思い1時間目が始まって10分ほど経った時間に到着するように向かった。




「ミチカ、おはよう。」


「おはよう。」


どこへいくか悩んだが、とりあえず1211室に入ってみるとミチカが本を広げ自習していた。



「来てるのはミチカだけ?」


「そうだよ。他のみんなは課題提出ギリギリのとき以外は授業時間にしかこないよ。」


「そうなんだ。」


とりあえずミチカが本を広げていない場所の席に座る。



「そういえば、ミリアは同じ寮じゃないのね。」


「そうだね。」


「まぁ、入学して最初に住むところもいくつかあるみたいだからせっかく同じクラスの同性なのに残念な気はするけど、仕方ないわね。」


一軒家であることは同級生にはしばらく言わないほうがいいと先輩たちに言われていたのでこれ以上の追求がなさそうでホッとした。




「そういえばミチカ、昨日ペン1本多く持って帰ってない?」


「ちょっと待って。」


ミチカはそう言って手に持っていたものを1度置き、机の端に置いてあったミチカの筆箱を探る。



「増えてないわね。どうしたの?無くなった?」


「そうだと思う。昨日先輩が迎えに来て慌てて片付けたんだけどその時に1本足りないって気づいて。コウヤと少し探したけどなかったから誰か間違って持って帰ったかなと思ったの。」


簡単に状況を説明した。



「なるほど。昨日はみんなであれやこれや広げてたから誰かのところに紛れ込んだのかもね。」


次の授業の前か昼食の時にでも聞こうと決めた。




「そういえば、ミリアのところの先輩!あのすっごい大きい人!!」


急に大きい声を出すものだから空いている席の背もたれの上でうとうとしていたミチカのティーが立ち上がり、トボトボと歩いて窓際の方へと行ってしまった。



「昨日飲み物取りに行ってる時に声かけられてびっくりしちゃった。」


なるほど、まっすぐこの部屋に来たのかと思ったらそうではなかったようだ。



「ミリアも招待があるだね。」


「うん。」


「Sクラスでも招待があるのはミリアとコウヤだけよ。まぁ、コウヤは全然行ってないみたいだけど。」


「そうみたいだね。何かあったの?」


「ごめん、私もよく知らないんだ。でも、週に1回は先輩が来てくれるよ。」


昨日が初めてではなかったのかと思う。



「この後は歴史の授業だけど、昨日の分で復習は大丈夫?」


「たぶん大丈夫。わからなかったらまた教えて。」


そんな会話をしながら、時間が過ぎていく。






「歴史担当のアマジです。」


その先生は異様だった。


背中に背よりも高い槍を斜めに背負っていて、顔は口元を隠すように布で覆っている。



「このクラスも人が増えたということで簡単に授業やり方をおさらいする。」


そう言って全員に紙束を配った。



「この授業では歴史の時代や物事のテーマにそって講義を4回から6回おこなう。そしてそのテーマについてのレポートを提出してもらう。レポートについては形式は自由、私が採点し一定の点数以上で合格。点数が足りなかった場合再提出とする。」


アマジはそこまで話し、一度全員を見回した。




「歴史とは君たちにとってとてもつまらないものかもしれない。しかし、歴史とは先人たちが積み上げてきた多くの失敗とほんの少しの成功である。生活、言動、今この瞬間ですら我々はその恩恵にあやかって生きているということを忘れるなかれ。」


そこで一呼吸。


「では今回からのテーマ。教科書32ページ、神話と物語から捉える歴史の流れについて。」



そこからの授業はひたすら一本調子だった。


教科書を内容を読み注釈が付け加えられ、事前に配られていたプリントには内容の穴埋めをする形式で書き取っていき板書された内容などをノートにメモとして取っていく。


それが止まることなく授業終わりまで続く。




「すっごい、頭の中が焼けるような感覚…。」


その言葉にみんなで頷く。



「この後は実技だっけ?」


「そう、着替えて多目的室Bに集合。」


昨日と同じく1212室で昼食を食べながら会話する。



「今日は何するんだろうね?」


「先週はひたすら走ってた記憶しかないなぁ。」


午後の実技も十分ハードな内容なようだ。




ご飯を食べ終わりしばらくのんびりしていたが着替えが必要ということでミチカと一緒に1213室に移動する。



「やっぱり何度見てもミリアのティーって便利よね。」


先に着替え終わったミチカがこちらを見ながらそういう。



「そう?」


「そうよ。物が入れられて、取り出しも自由。しかも、重さとかも特に感じてないんでしょ?」


心底羨ましそうにミチカがいう。



「まぁ、わからないことも多いから困ってるんだけどね。」


そんな話をしながら地下の多目的室Bに入ると、もう他の面々は来ていた。




「ごきげんよう、諸君!」


まもなく昨日教職員室で会ったユノカが大きな声を上げながら入ってきた。



「全員揃っているわね。」


ユノカは思い思いに準備運動していた面々を見てそういう。



「本日の課題は鬼ごっこ!君たちが鬼になって、私のティーを捕獲する。それだけ。」


またしても鼻歌でも歌うかのようにごきげんな調子で話始める。



「1人10分で交代。課題クリアした人から抜けていく方式でやっていきましょう。」


順番決めをするように言われて、特に争うことなく希望で1番最初にしてもらった。



「まず1周目は自分で考えること、2周目からは他の子たちと相談して作戦を考えるのありにします。」


パンパンとユノカが2回い手を叩く。すると頭上から何かが降りてきた。


知っているものより一回りほど小さなハト。



「参加生徒以外は出入り口近くの壁沿いに居てね。10分で10羽捕まえたら今日の課題はクリアよ。」


いつの間にか床を歩いていたと思っていたハトが増えている。





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