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動物のティーは預かる者が現れた場合、特殊な措置がとられることは昔から変わらない。
現れたらその足で街の1番偉い人のところへ子供は連れて行かれて、親には子供は神のところへ行ったと説明された。
そうして誰にも別れを言うことなく人知れず街から出され1番神に近い土地へと連れて行かれる。
学園が今のようになる前、はるか昔からそうだった。
あなたは人と違う特別だと言われ育ったことをいつの日からか当たり前として大人になる。
それを受け入れられないのは、平凡を努力で上書きしのし上がってきた人々だろう。
中央により近いところで特別だと言われ育ってきた彼らに、努力を積み重ねやっとの思いで手に入れた地位を追い越される。
理由を聞けば、彼らは特別だ我々とは違うからと返される。
それに納得できる人材はそれなりの人生を送り、そうでないものは意味もない苦悩を背負わされた。
苦悩はやがて恨みに変わり敵意になる。
根本がどうだったかなんてことはもはや誰も見ようとしない。
何も与えられなかった人々が集まったところで、何ができるわけもなく火種にもならなかった。
力があっても発揮する場がなく、努力を重ねても見てもらえる目がない。
そんな仕組みを打開しようと決起したことは数知れず。
それでも変わらなかったのは単純に計画を実行に移すことがなかったか、動き始めすぐに叩き潰されたか。
彼らだけでは秘密を抱え込むことは難しく、決定力に欠けていた。
そんなもう何度燻りかき消されたか数える人もいなくなった頃、出会うはずのない2つが出会った。
どちらから声をかけたか、なぜお互いの目的を知り得たのか。
そんな些細なことは後の誰も気にしなかったか、誰かの意思を持ってかき消されたか。
ここに決定力を得た。
最初の犠牲者はまもなく退く予定の老兵。
長年堅実に実績を積み重ね退役するまでにそこそこ偉くなり、それに満足できない者たちを宥めて盾になっていた。
止める者がいなくなった組織は1人また1人と燻っても居なかった者たちにまで火をつけた。
最初の犠牲は事故とも故意とも判断がつかず混乱した。
その混乱の最中で立て続けに犠牲者が出た頃には、見回せば2つの派閥が明確になっていた。
保守派はこれまで通りすぐに叩き潰されて終わりだと思っていた。
混乱する現場、増える犠牲者。
まともな仕事ができなくなってくる頃になって、ようやく危機感を覚える。
その頃にはうちうちにどうにかできるというところを遠に超えていて、一般市民にも影響が出始め不安と恐怖はあっという間に感染していった。
お互いが手に武器を持って向かい合う。
そんな戦闘ならいくらでも解決も和解もしようがあった。
しかし次に誰に向くかわからない。
その恐怖が隣にいるものすらも疑い遠のけた。
各々が疑心暗鬼になり孤立する。
それがいかに相手にとって好都合だったのだろうかというほど犠牲者数は増えた。
亡くなる者は大小あれ名のある人であり、その影響は何も知らず生活している人たちに向かう。
最初の犠牲者を始まりとしているが、その動きがたまたま表面化したというだけ。
では終わりはと聞かれれば、あっけないものだった。
絞り込み罠をはり、やっと尻尾を掴んだ。
犠牲者をこれ以上増やすまいとしているこちら側に対して、相手側もある変化を起こす。
共通の目的のために各々の方向から手段を行う。
しかし一見同じように見えていた目的が、実はズレていた。
遠く手が届かないどころか見えてもいなかった目的は同じように見えているうちはよかったが、いよいよ手が届くかもなどとなってきた頃にそのズレを見せた。
内部で争いこそしなかったもののそのことが大きな隙となり掴まれた尻尾は掴んだ手を振り解くことができず、やがて決定的な証拠とともに捕縛された。
本来人を守るはずの軍人や役人たちが捕えられる。
彼らの話を聞けたものが一蹴しなかったおかげで、この問題は今となっては歴史の話として残るのみになった。
ではもう一方はどうなったか。
表向きは彼らは解散させられ、出身者たちに対してはあるものは記憶を消されまたあるものは一生を誰かの視線を感じながら生きていくことになった。
しかし中心人物だった3人はいつの間にか、というよりこの物事が起こっている最中の行方がはっきりとしない。
ほとんどこじつけの様な形であれば、微かな痕跡を辿ることはできる。
彼らは僅かなズレの中で自分たちに都合のいい結果を得て逃げきった。
傷を伴ったという話もあるが、全てを見通し見事に目的を達成したという話もある。
小中学校のころはとにかく暗記という勉強法がとことん苦手で、
ひたすらいろんな媒体でその物事に触れて科学や歴史を理解してたタイプの人間です。
なので中学まではとことん成績が悪く、高校大学では結構評価のいい稀有人間でした。
たぶん教科書的な文章にしたら400字くらいで書けることも、
こういう見え方する人もいるって感じの書き方したので疲れました。




