2話「義」
それは当たり前のような言葉に見えて実際に体験すると結構無慈悲だったりする。
私にとってそんな事実を痛感させたのは『義』の刺青を背負った1人の男性
彼は怪物であり同時に私の師匠でもあった───
某月某日 カルム マーグ武器ショップ店にて
「良くて8年じゃな」
「結構長いな」
「お前さんの復讐はこれで終わったわけだが他にやりたい事はあるのかの?」
「やりたい事、か」
あの化物に復讐するだけが今までの人生最大の目的だった。
でもそんな人生最大の目的も達成してしまった。
何とも空虚だ。
復讐は何も生まないという言葉があるが復讐は人を空虚にさせるという意味合いだろうな
「まぁ適当に探すとするさ」
「何か目的を見つければあっという間に8年なんか過ぎるもんじゃよ」
「そんなもんか?」
「そんなもんじゃ」
「そういや例の木偶人形はいないのかの?」
「ああ今はパトロール中らしい」
「いつも付きまとわれていたのに珍しいのぉ」
「あの木偶人形。お前さんの事好いておるのではないか?1回ぐらいデートしたらどうだ?え?」
「やめてくれ。そもそもアンドロイドに個人的な感情など無い。人類を平等に愛しているとかぬかす奴らだぞ皆が好きなんていう奴らが個人の人間に対してのみ好きになるわけがない。」
「例え愛されたとしてもそんなのは蛇に愛された蛙のような気持ちになる」
「言い得て妙じゃのぉ」
チャリーン
ドアノブの鐘が鳴る
「こんにちは。親愛なる人間様の皆さん」
見た事のない機種のアンドロイドだな
「・・・アンドロイドさんが何かご用で?」
「ええ。彼に色々とこの街の見学を」
「こ、こんにちは」
アンドロイドの後ろに眼鏡をかけた青年がこちらを見ている。
なんとも前時代的な服装だ
「あれが眼鏡か。初めてみた」
「はい?」
「いや何でもない」
「彼は?この街だとあまり見ない顔・・・というよりも初めて見る服装だが宇宙人でも連れてきたのか?」
「ええ!よくぞ聞いてくれました!彼は第三次世界大戦前のコールドスリープ計画の第一号なのです!」
「そして彼が目覚めたという事はコールドスリープ計画成功したという事と同じ!」
「ああ!素晴らしきかな人類!人類はまた一歩前進するのですねぇ!」
恍惚として表情を浮かべながらまるで劇で演じている役者のように大袈裟だ。
「へぇへぇそれはおめでぇこって」
「第三次世界大戦以前の・・・」
「おいアンタ。第三次世界大戦以前に居たって事は確かか?」
「え、ええ本当です。」
「マーグの爺さん、ちょっくら暇つぶししてくる。診断料金はいつもの口座から引き落としてくれ」
「はいよ」
「おいアンドロイド今はこの街の紹介だろ?なら俺が案内してやる」
「ですが彼にはチップが」
「俺のを追跡すればいい、何煮て焼いて食っちまうわけじゃないさ」
「こいつも機械より生身の人間の方がこいつも接しやすいだろうよ」
「わかりました。一応近くから監視だけはさせて頂きますね」
「よしじゃあ行こうか」
「あんた名前は?」
「マイケルと言います。フルネームはマイケル・マッカートニ。よろしくお願いします」
「ああ、マイケルね。俺はマリア。マリア・フォージャー」
「傭兵をやっている。金と内容次第で何でもやる何でも屋って所だ」
フードを着ていて良く見えなかったがよく見ると女性とも男性とも見える風貌でもありどちらの性別だとしてもクールな顔立ちをしている
「失礼ですが女性の方ですか?それとも性自認が女性?」
「いや身体も心も男だ。よく言われる」
「ここの世界のルールや仕組みはどこまで?」
「えーっと世界は愛機と無愛機の二つのエリアに区分けされて全ての人類は子供を作る『義務』があるという所までは」
「世界のルールは知ってる感じか、了解。じゃあこの街の説明からだな」
「この街を大きく分けて5つのグループに分類される。『宗教』『反社』『武器商人』『科学者』『その他』だ」
「宗教はいわゆる慈善活動集団だ。一応弱者を最低限守るがその分奉仕活動を強制されるかつ教会の外についての揉め事は一切関知しない」
「しかし宗教建造物といった建物に対しての破損はかなり逆鱗に触れる。前にあった事だが教会の壁を破壊したというだけで破壊に関わった人間諸共皆殺しにされたらしい」
「最大の特徴は誰がそのグループに所属しているかがはっきりしていないゲリラ性と所属している超人の多さぐらいだな」
「超人?」
「超人はいわゆる遺伝子操作で生まれた人間を超えた人間だ。まぁ要はスーパーマンみたいなもんだ」
「まぁ超人にも色々弱点はあるがな」
「次に『反社』は前時代でいう『警察』の役割を果たしている。」
「反社が居なければこの街は今以上に悪化していただろう」
「まぁ現状も最悪だけどな」
「最大の特徴は他グループにおいて最も暴力性が高く平均的な力は最も高い点と『武器商人』と同様に金といった経済を維持している集団ともいえる。」
「『武器商人』『科学者』は文字通りの集団だ」
「『武器商人』は他勢力に武器を売りつける争いの種を植え付ける集団で『科学者』はタブーを無視したイカレタ集団って感じだな」
「まとめると自分の事を弱者だと思うなら『宗教』暴力性が高く強者だと思うなら『反社』商売上手だと思うなら『武器商人』マッドサイエンティストだと思うなら『科学者』の組織に入る事を勧める」
「さっきのお爺さんは?」
「ああマーグさんね。マーグさんは『武器商人』兼『反社』だな」
「複数のグループに所属するとなると怪しまれるのでは?」
「当然だがグループにも派閥があったり独自の考え方があったりする」
「いわゆる左翼、右翼、中立みたいにな」
「だからそれを良しとする集団に入っているのであれば特段構わん」
「マーグさんは武器のメンテナンスの金さえ払えば誰でもウェルカムの商売人だ。ここに住むならまず彼の」
「マリアさんはどこに所属しているんですか?」
「ああ『その他』だ。」
「そういえばその他の説明とアンドロイドの説明を忘れていたな」
「その他は4つのグループに所属しなかった奴らを指す。いわゆるはぐれもの浪人みたい感じだ」
「そしてそのグループの頂点に立っているのが『アンドロイド』だ」
「アンドロイドは世界のルールさえ守れば基本関わらん違反があればすぐに捕縛され人格矯正施設にぶち込まれる」
「ずっと考えていたんですが世界のルールは本当に守られるんですか?
特に『子供』を作っていない人を殺しちゃいけないルールを破ったか破っていないかなんてどうやって見分けるんでしょう」
「ああそれは簡単だ。さっきあのアンドロイドが言っていたチップで検出できる」
「チップは極小のチップでチップを元に感情を監視しているらしい」
「どんな人間もどんな異常者も殺傷行為を働こうとしたり目撃したりするとある種の電気信号が流れてその信号を元にルールを違反していないかを分析している」
「そのチップは基本生まれた直後に植え付けられ外す事は完全に不可能だ。例え外せたとしてもすぐに発覚され人格矯正施設にぶち込まれる」
「二つ質問があるんですが」
「まず一つ目が分析できることは分かりましたが分析した直後に行動に移せないと意味ないのでは?」
「二つ目にさきほど出てきた人格矯正施設とは?」
「まず1点目は直後から行動に移す事はアンドロイドにとっては可能だ」
「そんなバカな」
「理由は単純。俺達が立っている全ての地面が『アンドロイド』だからだ」
「この地面全てが!?」
「ああ、さっきのアンドロイドは人との交流用のアンドロイドで本来のアンドロイドは地面と言った固体にも液体にもなれる。」
「もしこの世界の最強を決めるのであれば間違いなく最強はアンドロイドだろう」
「まるで陳腐なSFの世界に迷いこんだみたいだ」
「まぁ弥生時代から現代へタイムスリップしたようなもんだ仕方ないさ」
「次に2点目の人格矯正施設とは世界のルール違反に際しての処罰施設だと思っていい。」
「この施設に入って出た後には世界のルールを破ろうとする行為自体に対してトラウマを植え付けられる」
「俺も入った事は無いが入らない方をお勧めするよ」
「後は愛機ぐらいか」
「愛機はSFでよくあるアンドロイドに管理された世界のような感じだ」
「安全ではあるが全ての行動はAIによって管理される何もかもな。」
「そしてこの愛機にいるとそいつは高い確率によって選民思想となる。」
「例えマイケルがならなくてもアンタの子供は必ずと言っていいほどにAIに選ばれた特別な人間と思い込み無愛機の住人を下だと思う。5マニー賭けてもいいね。」
「説明は以上だ。他に質問は?」
「大丈夫です」
歩きながら話していたせいか、いつの間にか酒場の目の前に立っていた。
「広いですね」
「ここはこの街の名所だ。一番マシな酒が飲める」
「なるほど・・・あれ?」
「あの酒場の横にあるでかいビルみたいな施設は?ブルジュハリファ2つ分ぐらいはある。」
絶対に侵入させないと言っているかのようにロボットやアンドロイドが巡回をしている。
「そこは『人類生殖センター』だ。人が安全に出産、育児をする場所だな。大半の人はここで生まれて全ての言語といった最低限の教育を受ける事になる。」
「確かにこんな近未来なのに私の言葉のは不思議だとは思ったんですがだからか・・・」
「ちなみに他の言語は?どの程度まで?」
「全部だ」
「全部!?」
「ああ、全ての言語と私生活に困らない程度の四則演算といった赤ん坊から教えられる知識はあのアンドロイドによって脳に直接刻まれ、監視用のマイクロチップが埋め込まれる。もちろんその間はその家族も施設に入って生活をする。」
「何度も驚いていたけど本当に浦島太郎のような気分だなこりゃ」
「マリアさんもここで?」
「ああ、あのビルで生まれた訳じゃないが親がネグレクトだったもんであそこに18年間は世話になったな」
「すいません、聞いちゃいけなかった質問ですかね。」
「気にするなこの辺じゃ珍しい事じゃないさ」
「一般的に最低限の教育が完了後。親は子供を施設に送るか、そのまま家に帰って育てるかを選ぶ。ただ俺の場合は前者だったって事だけだ」
「あとそのビルの不法侵入も世界のルールの違反に抵触するから気を付けろ」
「あんなハチの巣にされそうな所に侵入しようとする奴いるんですかねぇ」
「まぁな」
そして僕達は酒場の中へと入っていった。
その中はまるでゲームに出てくる酒場と言っていいほどの見た目と色んな人種の客で賑わっていた。
「なんとも・・・ここだけ中世の酒場のようだ」
「そうだろ?時代が経ちすぎると逆にこんな見た目が流行るのかもな」
「二名ですか?カウンター席に案内させて頂きまーす♡」
「ご注文はお決まりですか?」
「俺はウイスキーを」
「マイケルは何か飲みたいものは?」
「僕はあまりお酒は飲めなくて、じゃあジンジャエールを」
「お兄さんー♡」
「わわッ」
推定Dカップ以上はあると思われるロングツインテ―ルの女性のようだ
「この街に来るのは初めてー?安くしとくよー?」
「や、安くするっていうのは・・・」
「そりゃ大っぴらに言えないあーんな事ですよー?」
「いやまだ初対面なので・・・」
「お兄さん童貞?可愛いー♡」
背中に胸を押し付けられわざとといっていいほどにゆっくりと左右へと移動している。
「ヒャイ!」
「・・・」
冷えた目でマリアがこちらを見ている。
「すまないマイケル今日がこいつの出勤日という事をすっかり忘れていた」
「勝手に連れてきて申し訳ないが違う店にいこう」
「あらあらマリアさんはお一人でお帰りですかー?」
「花売り女が・・・」
「あらー?何か言ったかしら―?カマ野郎は声はアソコと同じでちっさいのかしらー?」
一瞬2人の間に火鉢のようなものがでてるように見えるくらいには険悪だ。
「お二人は険悪そうに見えはますが何かあったのでしょうか?」
「まぁ色々とな」
「色々とよ」
「後、マイケルから盗った金は返してやれ」
「え!?本当だ無い!」
「それはお兄さんとのプレイの前金ですよー?ねーお兄さんー♡」
「いや流石に初対面ですし・・・」
「振られた様子だが?」
「っち・・わーたよ」
「私みたいな良い女で筆おろししねぇとかほんと意気地のねぇオス!っぺ!」
「うわぁ・・・」
「再度言うがこの街にルールは世界のルール以外無い。だからルールに抵触しない窃盗等は誰も助けてはくれん。例え人間に絶対忠誠を誓ったアンドロイドであったとしてもな。」
「・・・肝に銘じて置きます。」
その数秒後銃声が響き渡った。
「ひゃあ!?撃ちやがったぜぇ!」
「ガキがぁ!舐めてると潰すぞ!」
「あ・・・あ・・」
「こんな事許されていいはずがない!っというか世界のルールの違反なはずなのになんでアンドロイドが動いていないんだ!」
「よく見てみろ急所を外して撃っているしかも口径が小さいレーザー銃だ。あれじゃチップのセンサーには引っかからん。相手はおそらくプロの反社だろう」
「こういう連中は良くいる。子供を殺す事ができないルールだからこそ、そういった血を見たい奴のためにああいう手合いがいる。そしてあの子供は・・・」
「まぁ要するにあれはショーだ。誰から雇われたが知らないが下手に関わりを持たない方が・・・あ!おい!」
「子供があんな目にあってただ黙ってみてるなんて僕には無理だ!」
「なら、これを持っていけ」
「これはハンドガン?」
「トリガーは持ち手にあるボタンでオンオフ可能。弾数無制限のレーザー銃だ」
「まぁ無いよりかはマシだろう」
「ありがとう初対面なのに色々してくれて」
「気にするな俺だって気持ちは同じさ」
マイケルが一階の酒場へと向かった後そっと呟いた
「・・・見込みはあるな」
「どうしたー?もうべばっちまったのかよおい!」
「痛い!痛いよぉ!もうやめてよぉ!」
「え?やめねぇよ?なんでやめる必要があるんだー?」
「おめぇが痛がってるだけで金が入るんだ!だからやめねーよぉ~?」
「おいそこのお前!」
「あ?」
「今すぐそれをやめろ」
「おいおいなんだ?いっちょ前に正義の味方のつもりか~?変なもんつけやがってイキるなよ陰キャ野郎が!」
「少なくともてめーよりかはマシだろうけどな鶏野郎」
「おいおい!聞いたかお前らぁ!俺の事を鶏野郎だってよ!よし決めたこいつ半殺しor撲殺確定でーす!」
「うぃーす!」
その直後、互いに素早く銃を抜き拮抗状態へと陥る。
「(この陰キャ意外にも銃を取り出すスピードがはえぇ!なにもんだこいつ!)」
「そこのアンタ達ショーは許可したがこれ以上の騒ぎはこっちにも考えがあるよ」
「・・・っちわーったよんじゃあ無法エリアに移ろうぜ陰キャ野郎」
「無法エリア?」
「おいおいんな事も知らねぇのかよこの辺でドンパチやったら流れ玉とかで他の奴らに恨み変われるだろうがよ」
「無法エリアはよ。互いの勢力の絶対不可侵領域なわけ!言うなれば決闘場さぁ!」
「まぁ良いそこでやればあんたをぶち倒せるんだろ?」
「よし、んじゃあ移動だお前らぁ!」
「うぃーす!」
男達はその瞬間そっとほくそ笑んでいた。
「着いたぜぇここだ」
そこは
「オラぁ!」
プロボクサーのような拳がマイケルの方へと向かった。避けなければかなりの痛手を強いられていたことだろう。
「あぶねぇ!何しやがる!」
「おいおいこれは殺し合いだぜぇ?何生ぬるい事言ってやがる・・・ってかお前童貞かよ。頭ぶち抜けないじゃんめんどくせーなぁ」
「おい!感情メーターを用意しろ。アンドロイドに来られるとめんどくせぇからな」
「陰キャ野郎1分ぐらい待ってやるよハンデだ。3分間待ってやる好きに隠れな」
一瞬、鳥頭の目の色が変わったがそれを気にする余裕はマイケルには無かった。
その隙に互いの距離を離し、銃をマニュアル通りに取り出しトリガーを抜く
「(ここからが本番だ。殺されないにしろそれ以上の事は覚悟しないとな)」
「へぇ!見つけたぁ!足をねらえぇ!」
「あぶねぇ!」
「さっさとくたばれよぉクソカスがぁ!」
「肩が見えてるぜゴロツキ!」
「あがッ」
「なるほど銃弾と違って反動が少なく狙いやすい。まさに銃の究極系だなこりゃ」
「おいおい。死んでるまぬけがいるぜぇ!」
「出たな鳥頭!」
2m近い盾を大量に持った集団がマイケルの前に立ちふさがる
(あの盾でレーザ銃を防ぐつもりか?)
レーザ銃で放ったレーザーを盾に当たった直後まるで魔法のようにかき消されてしまった。
「はぁ!?レーザーが消えた!?」
「さっきの威勢はどうしたー?オラァ!」
「がはっ!」
バールで何度もたたきつけられているが致命傷になり得る頭ではなく足や腹といった箇所を執拗に狙い叩きつけられている。
「ぐっこちとら軍で鍛えてるんだ負けるかよぉ!」
最後の力を振り絞り複数からくるバールを跳ね返し包囲網を抜け出し脱皮の如く逃げる。
「しかしなんだあの盾、わけわかんねぇ・・・」
「せめて実弾さえあれば・・・」
「あら?もう泣き言?彼の見込み違いだったのかな?」
そんな弱音を吐いた瞬間、銃の照門の淵から目のようなものが現れている
「わぁ!銃が喋った!っというかいつの間にか耳に小さなイヤホンらしきものがなんだこれ」
「それは外さないで。それが無いと会話が出来ないの」
「さっそくだけど本題に入るよ。なぜレーザーが消えたのだと思う?」
「そんなの数世紀前の俺がわかるわけ・・・」
「このままだと死体とお友達になるよ?」
「それは・・・」
「それが嫌なら考えて。こんなイカれた世界で思考を放棄すれば死ぬか薬中の仲間入りよ。」
「うーん」
「じゃあまずレーザーが消えた原因から考えよっか?」
「それは盾だろ」
「じゃあその盾はどういう風にレーザーをかき消したの?」
「レーザーが当たる瞬間に盾の外側に分散するように消えていった・・・かな?」
「じゃあそれはなぜ?」
「なぜって言われても・・・」
「じゃあ話題を変えましょうか。なぜ彼らはあなたを追いかけないんだろう。追いかけようと思えばおいかけられたはずじゃないかな。」
「それは俺をいたぶる事が目的で・・・いや待てよ?」
「それが目的で無いとするのであれば・・・」
「あの盾には弱点が二つあるかもしれない!」
「多少は頭が回るようだね。」
「あんたが何者かは知らないが今は協力してくれ」
「まぁそれしか選択肢が無いけどね」
「どうした?もう降参か?」
「いいや今からアンタをぶっ潰す所だ」
「いいねぇ嫐りがある」
銃を抜き、盾にレーザを撃つ案の定レーザはかき消されてしまった
「おいおいあんだけ威勢の良い台詞言っといてまた同じ手かよ」
「いいや、あんたをそこに誘導させたかったのさ」
鳥頭の近くには水道管らしきものがありマイケルはその水道管にレーザを打ち鳥頭に水が打ち浸れる。
その水により盾には小さなケーブルが現れ、盾のコアらしきものが出現する。
「な!」
「やっぱりそうだ!その盾には見えないように透明のケーブルが刺さってる!そのケーブルか盾のコアを破壊すればレーザ銃があたるんだ!参ったか!くそやろうが!」
少し驚愕した表情をみせたと思った刹那
彼の表情が嘲笑う表情へと変貌した。
「何がおかしい!」
「久しぶりにここまで追い詰められてびっくりしちまった。大半のやつは無駄打ちしまくって自滅しやがるのにてめぇ中々やるなぁ!」
「おい!俺の部下にならないか?大半の女は犯せるし、気に入らねぇ奴は拷問や薬漬けにしてもいいぞ!」
「今更命乞かよ。てめぇ、悪党としても型落ちだなあんた」
「いいや最後通牒だ。ここで断るならてめぇを薬漬けにしなきゃならねぇ」
「てめぇみてぇな犯罪者のゴミの下に付くなら死んだほうがマシだ。」
銃を彼の頭に照準を当て狙いを定める
「ぶち抜くぜ!」
しかしその刹那━━━
レーザーはまたしても彼の盾によってかき消されてしまった。
「な!」
「あーあだから言ったのによぉ」
「冥土の土産だ。なんでレーザーがかき消されてたのか疑問だろ?」
「この盾はよ。てめぇの言う通り確かに弱点はある。だがよ、それを補う方法もあると思わねぇか?」
「この周辺はよ。盾のワイヤレス通信エリアなんだわ」
「ようはこの盾はこの場所にいる限り無敵というわけ!」
「無法エリアは絶対不可侵なはず!」
「ああ、あれな。」
「うそだよ〜〜〜ん!」
「wwwww」
「無法エリアなんかあるわけねぇじゃん!まぁ確かにあの酒場でやりあってたら面倒な事になってたかもしれんが」
「敵の言う事を信じるとかやっぱ愛機の連中は馬鹿だよなぁ!心の底では人間の根底に性善説があると信じてやがる!」
「ここはよぉ!騙された奴が悪い無愛機なんだぜぇ!」
勘違いをしていた。
こいつにもこいつの悪党としての最低限の誇りがあるのだと思っていた。
こいつはただのハイエナだ。
強いやつには歯向かわず弱い奴を徹底的に嫐る獣だ。
「殺せねぇが薬漬けにして変態共に売っちまうからよじゃあな。」
彼らは近づき盾でレーザを防ぎつつマイケルとの距離詰める
「もう駄目なのか!」
そう諦めた刹那
酒場で別れた男が現れた
「諦めるには早いんじゃないか?」
「あ、あんたは━━━」
「遅いよ!マリア!」
「すまない、まさかツインの銃を間違えて渡してしまうとは」
「ふーんそれが口実ね、まぁいいけど」
「あんた面倒事は嫌なタイプだと思っていただけどな」
「ああ、確かに面倒は嫌だ。その上その面倒から受けられる報酬金といったものもない。」
「じゃあなんで」
「お前だ」
「は?」
「お前を助ける事にメリットを感じたから助ける。要するに気まぐれさ」
「良かったわねあんた、あんたの事マリアはかなりお気に入りみたい」
「おいおい何てめぇらで盛り上がってやがる。」
鳥頭は銃で牽制のようにマリアの頬の近くを狙う
「こいつはぁ非童貞だ殺せぇ!」
「へい!」
「牽制測定型か」
マリアがそう呟いた瞬間━━━
鳥頭の部下の一人が突然首から上が消失していた。
「な!?何も無い所からレーザーが出てきて消えた!?」
部下たちは突然死を迎えた事実に対しで軽いパニック状態となっている
「てめぇら!落ち着け!この世界に魔法なんてねぇ!絶仕掛けがあるはずだ!」
「まず互いに背を預けて射程を確保しろ!」
「いい線だが上ががら空きだ」
頭の上から突然レーサーが放たれレーサー串の刺しにされ切断面が焼かれた腕だけが残った!
「ひいいいなんだよこれええええ!」
「ちっ!役立つ共め!」
「おい男女!俺とプライドを賭けた一騎打ちしようぜ!」
「おいこいつは!」
「・・・良いだろう」
鳥頭が少しニヤけた表情をした。
「流石は誇り高き人だ!ならこっちにこ
「やめろ!絶対罠だ!」
「そんなのあんたに言われなくても百も承知よ。まぁ待ってなさい。」
「よしここまできたな。・・・馬鹿め!このエリアはレーザーを消失するエリアなんだよぉ!」
二人の周りからドーム状のバリアのようなものが展開されていた。
「いくら変な手品を使おうがレーザーである限りこのエリアでその手品は使えねぇ!死ねぇ!」
「それは内側からの話だろ」
「よく知ってんなで?だから?ああ、あのメガネ野郎に助けて貰おうって魂胆なら無理だぞ?足の骨折ったんだから。ここまでこれるわけがねぇ。」
「後ろを見てみろ」
「ハッタリか?そんなの通用しな━━━」
後ろに何かの影が見えている
とっさに鳥頭は後ろを振り返った
「なんで銃が宙を動いてやがる!?まさか第三次の遺物━━━」
「デットエンド(詰み)だ」
その銃から放たれたレーザーは鳥頭の顔面を貫きそしてマリアの腕の方へと向かった後消滅した。
「これで全滅か」
「お疲れマリア。特に痛みとか無い?」
無線機から声が聞こえる。
「特段無いな」
「で、この男はどうするの?」
「今からそっちに向かう。足が骨折しているらしいから外骨格パワースーツを持ってきてからそちらに向かう」
「了解」
「マリア無事か!っというか一体どんな手品を使ったんだ?」
「俺の後ろをよく見てみろ」
「後ろ?」
彼の後ろにはよく見ると透明な銃が浮かび上がっている
「なんか透明な銃のようなものがナンダそれってかなんで銃が浮かんでいるんだ?」
「無線式透明銃だ。俺の身体を使って操縦をしている。透明なのも俺が指定したからだ」
「自分の身体を使ってってあんたの中になんか埋め込んでいるのか?」
「大体合ってるが詳しくいうと俺の身体の半分が機械だ」
「な、ってことは」
「ああ、俺は身体の半分はサイボーグだ」
「な、そんなの大丈夫なのかよ!」
「勿論大丈夫なわけではない。体の一部ならともかく半分以上の機械化は寿命と永久的な痛みを伴う」
「ってことはあの武器屋で言ってた8年って」
「聞いていたのか、ああその年数は俺の残りの寿命だ」
「な、なんでそんな事を!」
「━━━復讐を成すためだ」
そう言った後目の付いた喋る銃の表情らしきものが暗くなったような気がした
「この銃を持っていた奴を殺すためだけに必要だったのよ私達の為にもね」
「で、マイケル。ここから本題だ」
「薬漬けになってた少年の所に行くかどうか決めろ。悔い無い選択を期待する」
「そんなの行くに決まってたんだろ。そいつを助けるためにきたんだから」
「━━━そうか、わかった連れて行こう。外骨格パワースーツの装着は俺がしてやる」
そうこうしているうちに倉庫らしき所に到着した。
「ここにあの少年が」
鎖で縛られた少年が一人ただ澄んでいる
「おい大丈夫か!」
「・・・・」
「薬薬薬薬クスリィ!ハヤクチョウダイヨオオオオ!」
クスリで決まっていた少年が暴れだす
その刹那━━━
一つの銃声音が聞こえた。
撃ったのはマリア。そして当たった人間はクスリで暴れだ少年であった
「な・・なんで殺した!こいつはただの被害者だろ!しかも子供だ!世界のルールの抵触違反だろ!」
「まず世界のルールに抵触はしない。なぜならばこいつは子供であるが『生殖行為』を完了しているからだ。」
「そして銃を撃った理由だが・・・」
「よく見てみろこいつの首元を薔薇が満開になっているこれは通称ヴァンパイアゾンビの末期状態だ。
この状態になればもはや手遅れだ」
「そしてこの薬の最も厄介な点は他者にも感染しうる点だ。」
「俺が殺してなければお前が噛まれて一緒に死ぬ所だったんだぞ」
「でも俺に世界のルールが」
「確かにお前には世界のルールが適応される。だがそれは『生殖可能』で『死なない』だけだ。お前が薬漬けになって頭がイかれてたとしてもあの機械は何もしない。精々死なないように生殖可能なように処置されるだけだ。」
「そ、そんな・・・」
「そして、もしあの少年がお前を襲ったとしよう。そうなれば彼は生殖をしていない者に対して命を奪える行為をしたと見なされ人格矯正施設にぶち込まれ死ぬより辛い目に合う」
「そうなるのがお前がやりたかった『義』なのか」
「じゃああの少年はどうすれば良かったんだ。どうすれば彼は救えたんんだ。一体どうやれば・・・!」
「今後の選択肢は2つある」
「まず1つ目はそんな悲しい事実に目を瞑り愛機に永住し安全に過ごすだ。毎日機械の言う事を聞く事が義務付けられるが少なからず嫌な思いはしないだろう」
「2つ目にこの世界を変える事だ。」
「さぁ、選べマイケル。お前はどっちを選ぶ?」
「俺は・・・・」
「俺は・・・この世界を変えたい!」
「こんなちっぽけな力しかないけれど」
「少なくとも子供が薬で薬漬けになってる事を知らないフリをして笑って過ごせるほど俺は頭がイカれてない!」
「それが第三次世界大戦から逃げてきた。せめてものの義務だ!」
[───良い選択だ」
マリアはマイケルに駆け寄り跪く
「えー!そっち選ぶんだ!意外!私は間違いなく愛機に行くって賭けてたのに!」
「さっきの喋る銃!急にいなくなったと思ったら何者なんだこいつは!」
「彼女の名前はツインフォー・フォージャー。俺の双子の片割れだ」
「は?」
「でも・・・それ銃・・・だろ?」
「ああ、外見は銃だが中身は知性ある人間だ」
「この銃の中にはデータチップ化され圧縮された脳みそが入っている。」
「そのデータチップによって自由に動けるわけだ」
「まぁマリアの通信充電が無いとすぐ死んじゃうけどねー」
「あと覚悟しときなさいよーあんた。マリアにかなり気に入られたみたいだから後でやっぱ無しなんて言いやがったら頭ぶち抜くからね!」
「あ・・・はい」
「勘違いしてもらっては困るが俺はゲイではない。性的趣向で言うなら女性の方が好みだ。まぁなんていうか・・・よろしくな相棒」
「ああ!」
マリアがそっと微笑む。
それは彼が生まれた瞬間初めて笑ったかのような無垢な笑顔であった
「ああー!ゲイくさいわぁー!男の芳香剤の匂いがするわー!」
「お話は終わりましたか人間の皆さん?」
「ああ、さっきのアンドロイドか。」
「マイケルさん、足を骨折しているようですね。診せてください・・・はい治りましたよ」
「え?はや・・・ってか本当に治ってるしどゆ事・・・?」
「アンドロイド。それは無愛機のルールに抵触しないのか?」
「ええ。彼は『特殊』なケースなので」
「で?マイケルさん。再確認となりますが無愛機に残るか愛機に行くか心は決まりましたか?」
「もちろん無愛機に残る」
「無愛機に目的を聞いても?嫌なら構いませんが?」
「目的は世界を変える事とそれとなぜ第三次世界大戦が起きたか知る事だ。」
「前者は先ほどの会話でお聞きしましたが後者はなぜ?」
「それが第三次世界大戦が起きる前に生きていた者の責務だからだ。まぁ今からそれを聞くのが手っ取り早いんだけどそれについては教えてくれなさそうだしな」
「ええ、もちろん。第三次世界大戦が起きた理由だけは教える事が出来ません。なぜならば───」
「え?」
「嫌なんでも、頑張ってくださいね。一個人としては応援してますから」
そう言うと彼は液体となり姿を消した。
詰まった言葉の中には「本当にくだらない理由だから」と聞こえたような気がした。
「第三次世界大戦が起きた理由か。言われてみれば俺も知らないな」
「私も」
「なんだかんだ長い8年になると思ったが案外短くなりそうだな。」
「───ああ、そうだね。面白い8年になりそうだね。」
「マイケル。もし行くところが無いなら俺の所属している組織の見学にこないか?」
「他に行くところ無いしいいぜ。どんな所なんだ」
「何ただの秘密結社さ」
「え?」
-----------------------------------------------
「よし着いたぞ」
「ん?何の変哲もないビル?」
「そこのビルの中にあるエレベーターに入った後に6階のボタンを2回押した後に34階のボタンを4回押す。最後に閉じるボタンを長押しだ。はいメモ」
「まぁ良いけどなぜこんな事を?」
「今から行くところはセキュリティの関係上初回はそのエレベーターでしか行けない決まりでな。成功しているかどうかはさっきの無線機で連絡する。」
「ああ、さっきの戦闘でツインフォーさんからくれたやつか」
「では一旦お別れだ。」
別れた後、エレベーターに入り指示された通りにボタンを押す。
「成功だ」
「ああ、分かった」
「ここからは圏外になるのでこれ以降連絡は出来ない。よろしく頼む」
「ああ、それも了解」
「随分と待つな」
チ―ン
「お?着いたけど・・・なんというか長っぴろいな。」
その刹那後ろから足で蹴りが入る。その蹴りは見事な彼のケツにクリーンヒットした
「オラぁ!」
「いったああああああ。何しやがる!って!お前さっきの酒場の女!」
「あらあら?よく見たら酒場であった童貞のお兄さん?てっきりあのチンピラに薬漬けにされてるのかと思ったけど思ったよりかはやるのかしら?」
「まずは謝れ!ってかお前これ本気で蹴っただろ!」
「これも愛情表現なのになぁ」
団扇で口元を隠し失笑している。
「お、来たか・・・あーこの女も居たのか」
「あらあら?DEADENDさん。いや男女さんでしたっけ?物覚えがわかりにくくて嫌ですね。顔が原因なのかしら?」
「・・・はぁ」
「ため息をつかないでくださる?辛気臭い雰囲気があなたのせいで辛気臭くなるので」
「あのーお二人は仲がお悪い?」
「ああ」
「ええ」
その後長い沈黙が続き沈黙状態となる。
それをフォローするかのようにツインフォーがマイケルの傍えと近づいた。
「仲が悪いとアピールしているほど実は仲が良いっていうのがお決まりなんだけどこの2人はガチで仲が悪くくてね。いつか殺し合わないかハラハラドキドキだよ全く」
「ツインフォーさんは彼女と仲が良いんですか?」
「うーん。どうだろ僕としては仕事仲間の1人かなぁ」
「おー元気かぁ皆の衆」
話しかけてきた男は70歳は超えていると思われる風貌のおじいさんで中世ヨーロッパにいる貴族のような服装を着ている。そしてそのおじいさんを護衛するかのようにお爺さんの横には2人の女性がいた。
「師匠!何かあったんですか!」
一目散に口から言葉がでたのはマリアだった
「団長!緊急事態ですか!?であればすぐに!」
「いや緊急事態では無い。ただ第三次世界大戦以前の男がここに来ると聞いてな。気になってきてしまっただけじゃ。」
「なるほど」
「びっくりさせないでくださいよぉ団長」
「で、その男が君かい?」
「ええ」
「その顔・・・その平和ボケしているような表情。第三次世界大戦以前によく居た面構えじゃなぉ。国籍は日本かの?」
「ええ。純日本人では無いですけど」
「体つきと姿勢は案外良い。っという事は元自衛官で第三次世界大戦が始まる前のいざこざの戦いの時に怖くなって戦争から逃げるためにコールドスリープに志願してきたっといった所かな」
「まぁそうですけど」
「責めてる訳じゃあらせんよ。戦争なんて逃げたいと思うのが当たり前じゃからのぉ」
「失礼ですがおいくつで?」
「はて忘れたかの?多分本来ならお前さんと同世代じゃないかの?」
「・・・」
軽く1000歳は超えている何者なんだ・・・
「まぁ雑談はここまでとして自己紹介をしよう。ワシは義この秘密結社のリーダーをやっておる。趣味はチェスじゃチェスに興味があればいくらでも教えるぞい。」
「では次に改めて俺から」
「俺はマリア・フォージャー。表向きはフリーの傭兵で裏は秘密結社のエージェントをしている。コードネームはDEADENDだ。」
「僕はツインフォー・フォージャーよ。マリアとは双子に当たるわ。こんな見た目だけど一応人間だからそこんところは配慮しなさい。性自認としては・・・まぁ女性でいいわ」
「?」
なんだか含みのある言い方だな
「・・・」
「では次に私からで良いですか?」
「私はフローレン・フロレンス。表向きは酒場の踊り子をやってます。コードネームはクレイジー・ラグーンです。よろしくお願いしますね。マイケルさん」
自然な動きでマイケルに近づき手を繋ぐ
そのつなぎ方がなんとも淫靡である。
「ひょ!あなた本当に小時間前に酒場であった”あの”女性の方ですか?」
「何の事ですかー?フローレンわかんなーい」
「きっつ」
聞こえるか怪しいほどの小声でマリアがドン引きしている声が聞こえた気がした。
そしてそんなやり取りを割り込むかのように背の小さい女性が話しかけてきた。
「私はノック・ミレーユです。表向きは孤児院の管理人兼教会のシスターの手伝いです。コードネームは2SHOT1KILLです。得意分野はスナイパー。マリアのバディです。」
「ん?」
「マ・リ・アのバディです!貴方がどれほどマリアさんに慕われてるか知りませんが渡す気はありませんので」
「はぁ、まぁ・・・よろしく・・・」
「ふん」
「最後にウチか。緊張するなぁ」
「ウチはライデン・クォーチでーす。一応女でーす。他の人みたいにエージェントじゃないですけどメカニック兼システム管理やらさせてもらってまーす。一応主任なのでわからなかった事があったら聞いてくださーい」
「よしこれで全員回りましたね」
「では恒例の歓迎の挨拶を」
「「「「「 ようこそ秘密結社 義へ 」」」」」
その言葉は自分の中の何かが変わり始めるのではないかと
そう予感するほどの言葉であった。