DEADEND

20XX年　第3次世界大戦　勃発
人類は人類の手によって人類滅亡の危機に陥った。
しかしその危機はある者達によって回避された。
それは世界を救おうと決意した英雄でもない
悪を以て全てを支配しようとした独裁者でもない。
それはAI───
───人類に対して愛を持ったAIであった。

そして第3次世界大戦終戦から100年後。

この世界はAIによって変質したのだ。
この世界は愛を持ったAIによって2つの世界へと分けられた。

AIによって思想といったあらゆるものが管理され、選民思想に染まった世界『愛機』
AIの管理がある程度放任され、法律そのものが無い世界『無愛機』

そして世界大戦終戦時からAIによってとあるルールが生まれた。
それは人間の権利であり同時に義務であるルール

『人は死ぬ前に子供を作らなければならない』

『愛機、無愛機のエリアに関わらず子供を作っていない間は人が死亡または自害しないようAIは全力で監視、保護しなければならない』

『繁殖行動の期間はAIの裁定により定められる。その期間を超えても繁殖行動をしない場合はAIによって強制的に繁殖行動をさせるものとする。』

この世界はAIによってどんな人間にも平等に繁栄を約束された『歪んだ理想郷(ユートピア）』である。

そしてこの世界で望まれぬ子どもとして生まれた男　マリア・フォージャーは己が復讐を完了した。
目的を果たした彼はどんな人生を歩むのか。
残り少ない人生の中で何を残そうとするのか。

これは彼の『DEADEND(人生)』についての物語である。