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第2話 か、可愛いっていった!?

朝のホームルーム後


今日は何故か僕の隣の席の女の子北条奏(ほうじょうかなで)にチラチラ見られるという少し居心地の悪いホームルームの時間を過ごすこととなった。


理由は全く分からない訳では無い。朝から割と大きな声で拓斗と話していた事もあるし、話の内容も女の子としては気になる内容ではあったのだろう。


というか女の子でなくても男が女装するかしないからという話が耳に入れば嫌でも気になると言うものだ。


僕だって自分の話で無ければ凄いことを考えるものだと思い密かに耳を澄ますだろう。


北条奏という女の子はお世辞抜きに可愛い、というより綺麗な女の子で僕のクラス1年1組に限らず学年全体でも1,2を争う程人気な女の子だ。


月並みな表現で申し訳ないと思うが正しく

「立てば芍薬座れば牡丹、歩く姿は百合の花」

という言葉が似合う高嶺の花と言っていい女の子だった。


そういうのも彼女が他の人と最低限必要な業務連絡以外で話す姿を同じクラスで隣の席である僕ですら見たことがないからだ。


親しい友達がいる様子もなく昼になれば1人どこかに行き気づいたら戻っているといった謎の多きお隣さん。


僕としても隣にこれほど綺麗な人がいたらお近づきになりたいという気持ちはあったのだけどここまで人と関わろうとしてない子に自分から話しかける程コミュ力が高いわけでも空気が読めない訳でも無いので関係性としてはただのクラスメイト以外の何物でもないだろう。


そんな彼女に視線を向けられるというのはなんとも言い難い感情が湧いてくるもので、恥ずかしいやら照れくさいやら、どうしたらいいのか分からないもどかしい気持ちになる。


そうこうしているうちに僕の視線も北条の方に向いていたのかバッチリと目が合ってしまう。


大きく澄んだ黒い瞳、少し吊り上がった目元に形の良い眉毛、手入れの滞った手触りの良さそうな長い黒髪、見れば見るほど綺麗だと思わせられるその容姿に思わず見とれていると、向こうも目が合った事に恥ずかしくなったのか、ふいっと目を逸らされる。


結局こちらをチラチラ伺っていた理由は聞けるわけもなく、目が合ってお互い見つめあってしまった数秒だけでドキドキしてしまった自分が恥ずかしくなり、余計に居心地が悪くなってしまった為逃げるようにトイレに向かう。


「流石に見すぎたなぁ」


と独り言をボソッと呟き、まだ少し火照った顔を覚ますように顔を洗う。

ハンカチで顔を拭きながら外に出るとさっきの僕達の様子を見ていたのかニヤニヤしながら拓斗が近寄ってくる。


「優人〜お前北条さんと何かあったのかよ〜」

「拓斗が朝から変なこと言うから隣の席の北条さんに話が聞こえてたんだろ、そうじゃなきゃ北条さんが僕の事チラチラ見てくる事なんてないだろうし」


お前が余計なことを言って変に注目を集めたからだと言外に含め恨めしそうに視線を送ると、流石に拓斗もバツが悪かったのか


「それについてはホントに悪かったって!」


とまた謝ってきたのでこれ以上責めるのは宜しくないと思い。


「僕ももうそこまで怒ってないから大丈夫、今後はもう少し時と場合に言葉を考えて欲しいけどね」


こんな感じでこれ以上は言及しないけど慎重に発言してくれと意思を伝える。


「わかってる、流石に朝は弄りが過ぎたし暫くは大人しくするよ」

「暫くというかもうしないで欲しいけどね」


思わずジト目になるのは仕方がないだろう。


「けど朝の話だけであんなに北条が人に興味を示すのか?」

「男か女装なんてワードが同級生の口から出てきたら僕だってびっくりするよ、北条さんみたいな人だったら余計にびっくりしたんじゃないの?」


「そういうもんかねー意外とお前に興味があるのかもだぞ?」

「そんなことはないでしょ、まだ成長しきってない僕に北条さんがなんて、ないない」

「あーはいはい、今日はもう言わないって決めたから流すけどお前のそういうとこすっげー弄りたくなるって教えとくな」

「なんだよ!本当に成長期がまだなんだから仕方がないだろ!」


これに関しては自分でもよくわかってない。


意地で言っているつもりもないのだけど変声期を迎えた上でも高い声だし父が童顔というのも不安を募らせる理由の一つだ。


きっと背は伸びると信じないと余計に辛くなりそうだから言っている節があるのは認めざるおえないだろう。


いや!まだまだ伸びるけど!!

誰にした訳でもない言い訳を自分の中で散々呟いた後拓斗と一緒に教室に戻る。


教室に戻ると北条も普段どうりに戻っていたので僕も気にしてない風を装いながら授業の準備を始める。


今日の1限目は歴史で正直自分で勉強した方がためになるレベルの先生なので退屈な時間だなー等と思っていると。


「赤羽くん、ちょっといい?」


と凛と透き通った声に名前を呼ばれ少しドキッとしながら呼ばれた声の方に向く。


「ほ、北条さん?どうしたの?」

「歴史の教科書と地理の教科書を間違えて持ってきてしまって、もし良ければ見せて欲しいの」

「あ、ああ、なるほどね!それくらいなら大丈夫だよ、机寄せるね」


まさかこんなに早く声をかけられるとは思っていなかったので驚いたけど教科書を忘れてしまったと聞いて安心するような少し残念な様な気持ちになる。


ただでさえ今日変に意識してしまった後にここまで近くに接近することになるとは、などと思っていたら北条のノートが視線に入る。


綺麗な字だな、というのが最初の印象だった。

丸みの帯びた自分の字と違い、習字でもしていたのかと思う程に卓越した文字、要所要所に蛍光ペンで線引きされており真面目に授業を受けているの1目で分かるノートだった。



「ごめんね?今日は変に赤羽くんの方見ちゃって」


急に北条から話題を振られ、接近している中周りに聞こえないように囁くような声で話しかけられこれまた焦りを含みつつ答える。


「いや、大丈夫だよ。僕の方も変な話をしていた自覚はあるし、寧ろ変な話を聞かせるような事になってごめんね」

「いえ、そこまで気にされる程の事でもないのだけれど。少しびっくりしたのは本当ね」

「僕もあんな話を朝イチからするとは思ってなかったよ」


北条とこんなに長く話したことはあっただろうか?と少し感慨深い気持ちになりながらも会話を続けていると少し雰囲気の変わった北条から驚くような言葉をかけられる。


「赤羽くんは、その、女装?に興味はないの?」


僕は暫く固まった後


「そ、そんなのに興味なんてないよ!僕男だし!」

「そ、そうよね!ごめんなさい!変なことを聞いてしまって!でも女装した赤羽くんって可愛いと思ったからつい!」


とお互い少し声が大きくなりながらも...え...?


「北条さん今、可愛いって...いった?」

「え...あ!そ、その、へ、変な意味ではなくて!」


さっき言われた言葉に驚き隠せず思わず聞いてしまうと北条も本気で焦ったようでタジタジになり言葉が詰まっている。


そんな事をしていると流石に声が大きかったのか歴史の先生が


「授業中の私語は慎みなさい!」


と教師なら当然の憤りを見せる。

周りを見ると僕が、というより普段話しているイメージのない北条が授業中に話していた事に驚いたらしくクラスメイトから驚いたような視線を一気に浴びせられる。


内容までは聞き取られていなかったようで周りは訝しんだ視線こそ送ってきていたがその場で問い詰められるようなことは無かった。


それでも話していた内容も内容だったため僕も北条もそのまま話を続ける気力もなく2人揃って顔を赤くし、その授業が終わるまでずっと居心地の悪いまま授業を受けることとなったのだった。

2話目も書き終えたので投稿しておきます!

話を書くに当たってのプロットとか全く考えず勢いで書いてあるので話が変になってる事も多々あると思いますが随時更新に編集していきますのでご了承ください!

感想にレビュー、評価お待ちしてます!

それではまた!

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