05 過充電
そんな感じの充電生活。
この仕打ち、別に納得しているわけでは無いのですが、
それなりに順応出来ちゃうのが、僕なのです。
世の中が僕を不要物や不審者として扱うなら、それならそれで構わないかな、と。
ちゃんと自覚もありますし。
ただ、それは世間さまが望んだ自然な流れであることが、なによりも重要。
もし今の状況が、私利私欲で世の中を都合良いように操ろうと画策するヤツらのせいで、
ソイツらが調子に乗って家族友人に手を出してきたら、
その時こそ"若仙人"は、お望み通りのジェノサイダーへと変貌を遂げるのです。
つまり今は、虎視眈々でやる気満々な、過充電状態。
……
今日も今日とて、エルサニア王都をひとりぶらぶらしております。
暇つぶし、というわけではありませんよ。
あえて言うなら、おとり作戦。
僕を干してる連中に無防備な姿をさらけ出して、食いついてくるのを待っているのです。
これだけ大掛かりな仕掛けをしてくる連中が、僕が我慢できずに爆発するのを待ってるだけとは思えませんので。
まあ、僕が完全に干上がって枯れちゃうまで作戦継続するかもしれませんが。
いずれにせよ、楽しいですよ、王都ぶらり歩き。
って、モロに暇つぶしですよね、これ。
『サイリさん、ちょっと』
はて、どなたかな。
路地裏から小声で僕を呼ぶのは……ロミエスカさん?
うひゃん、引っ張らないでくださいよぅ。
……
連れ込まれたのは、路地裏の奥にある一軒家の裏口。
中に居たのは、ルシェリさん、ロミエスカさん、それと、リーサリアさん?
「お話し、聞いてください」
えーと、これってなんの集まりですか、ルシェリさん。
「エルサニアの将来について、ご相談したいことが」
なんだか大ごとみたいですね、ロミエスカさん。
それにこのメンツ……
「助けてほしいのです、サイリさん……」
とりあえず、話しを聞かせてください、リーサリアさん。




