04 ドライブ
そんな感じののんびりライフ。
今日は『ロージー』稼働テストという名目での、
ケストーネ砂丘での全力全開スピードチェック。
もちろん兼ねてからの約束通り、ナルンとの勝負もね。
……
うん、大方の予想通り、
平地での直線最高速なら『ロージー』に軍配。
知っての通り、ナルンの凄さは不整地も障害物もモノともしない柔軟な機動力ですし。
『『ゾディ・ロージー』、すっごく早かったねっ』
コレにちゃんと追いついてこられたナルンも、すっごくカッコ良かったよ。
いっぱい水分補給してね。
いつものお皿で美味しいお水をぺろぺろごくごく。
お疲れさま、ナルン。
『今回はご気分は良好でありますか、マスターサイリ』
うん、大丈夫だよ、ゾディ。
『ロージー』の魔導サスペンションシステムで対応出来ないほどの悪路じゃなければ、
まだまだ気持ち良くドライブ出来そうだよ。
『アリシエラ博士が現在開発中の『慣性制御魔導装置』が完成の暁には、増設魔導ブースターでの三次元立体高機動モードを存分に御堪能いただけるようにっ』
えーと、ほどほどにね。
モノカさんも言ってたけど、"魔導"って付ければなんでもアリだよね、この異世界。
『今日はもうおしまい?』
大森林まで走っても良いけど、街道ではみんなの迷惑にならないくらいのスピードで、だよ。
『『ロージー』とナルンの勇姿が皆様の目に焼き付くよう、程良い速度で凱旋するのであります』
ふたりともカッコ良いから、ファンレターとか来ちゃうかもね。
ところで、『ロージー』の魔素残量は大丈夫?
『速度が速いほど、大気と共に取り込める魔素量が増大』
『つまりは、満タン絶好調でありますっ』
じゃあ、街道パトロールしながら、エルサニア大森林へ。
出発!
……
えーと、途中からゾディのサポート抜きでのマニュアル運転の特訓ってことになりまして。
もちろん、周辺『探索』全開で人身事故防止しながらの安全訓練でしたよ。
そして案の定、子供たちが走って追い抜ける速度でのヘタレ運転。
『逆の意味で目立っちゃってるのであります……』
子供たちが喜んでくれてうれしいよ。
走行中はお触り禁止してくれると、もっとうれしいんだけど。
まあ、交通ルールなんて無いもんね、この世界。
ツァイシャ女王様と相談して、各地で交通安全教室とか、どうかな。
でも、なんだか『リサイリー』でダミー人形代わりの衝突実験の実演をやらされそうな気がする……




