14 覚悟
結局、モルガナさんの言いなり。
犯罪者稼業まっしぐらですよ。
こんなの、みんなにバレたらヤバすぎ謙信。
例によって誰にも告げずに、家を飛び出しました。
まずは『ロージー』の『転送』で、ノルセリエまでひとっ飛び。
あの旅での片道4日が、まさに一瞬ですよ。
後ろに乗っけてたモルガナさんを連れて、うら寂れた冒険者ギルドへ。
ちょっとだけ驚いた顔をしている御老人に、
モルガナさんが何やら耳打ち。
覚悟を決めた面持ちの御老人が、やる気なさげな若者に引き継ぎしております。
どうやらここでのお仕事を辞めちゃった模様。
本当、仕事って、なんぞや。
御老人の手荷物を『ロージー』の『収納』トランクに入れて、
モルガナさんと御老人を乗せた『ロージー』は次なる場所へ。
なんだか最後まで縁が無かったな、このノルセリエ。
……
『転送』で着いたところはジオーネの街。
モルガナさんの案内で西門側の住宅街へ。
着いたのは、質素な平家の一軒家。
ってか、モルガナさん、いきなりぬるりと中へ。
いいのかよ、アポ無し不法侵入。
みんなでずかずかと上がり込んだら、
なぜかここにいたクロ先生が、
看取っていたのは病床のシュマルセさん。
E7追放後、倒れ伏したその姿は、
生きる気力を無くしたかのよう。
クロ先生が御老人に手渡した一本の薬瓶。
アレってもしや……
御老人、薬を口に含んで、
優しくシュマルセさんに口移し。
そう、アレこそがクロ先生の禁断の秘薬、
エリクサー改!




