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いったい何の店なのか。行って何を買うのか。聞きたいことはいくつかあったが、「いつも覗いて知ってるくせに」と言われることを想像してしまうと、それも言えずに無言で母の顔を凝視してしまっていた。


母は「そぐそこなんだからそのままでいいよ」と、僕の心の

タイミングを見計らったように言い、僕は僕で、「う、うん。分かった」と流されるように返事をして、この瞬間に出掛けることが確定した。



玄関から出て横断歩道とは逆に少しだけ歩き車の往来を確かめてからゆっくりと横断した。ここがちょうどあの店の真正面である。


時間が時間だから半分夢のような感覚の中に居たのだが、ここに来てしまうと流石に脳が覚醒してくる。振り向いてうちのベランダを見てみると、向こうから見るよりも遥かに近く感じて凄く悪いことをしていたような気持ちになった。


もしも、店の人が気づいていたとするととんでもなく恥ずかしいことだ。



母は僕の顔を見ると、「行くよ」と言った。僕はそれにつられて「うん」と頷くと、それを確認して母は引き戸をゆっくりと開けた。引き戸は少しだけキイッと音をたてたが、それは気になるほどの大きさでもなかった。



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