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第1話 どうやら僕は獣人らしい

僕は死んだ。死ぬ瞬間なんてもちろん思い出したくもないし、それまでの人生も、大して語るべきことがない。平凡な、平凡な男子高校生だった僕は、一生の最後にとてつもない不運に見舞われて、今、こうして、真っ白い、ふわふわした空間にいる。


「……死後の世界?」

「そういう言い方もできるね。生まれる前の世界ともいえる。中継地点って呼び方が一番しっくりくるかな。」

いつの間にか、ピエロが立っていた。

……なぜにここにピエロ?

「君がなぜがっかりしているかはよくわからないけれど、私は君に転生のお知らせをしに来たよ。来世でもしっかり生きてね。」

「へ、へえ……」

「何か質問は?」

「え、し、質問!?ええっと、じゃあ、生まれた先では、何か特別な能力が得られるんですか?」

チートがゲットできれば無双やないか!

「それは答えられないね。同じ理由で生まれた先の場所、親や兄弟のことも教えられない。それに、そんなものにさしたる意味なんてないよ。重要なのは、しっかり生きる、これだけ。」

「しっかり生きるなんて、そんなこと言われたって……」

これまでの僕は、普通にイーブンで生きてはきたけど、しっかり生きてきた自信はない。

「悩んでるようだけど、簡単だよ。自分が正しいと思ったことをすればいい。そうすれば、自然と地に足はついてくる。」

自分が、正しいと思ったこと……。それだけか。シンプルでわかりやすくて、いいな。

「うん、いい顔してるね。じゃあ、行ってらっしゃい!」



まどろみのなかで、少しずつ意識が明瞭になってくる。目を開ける。僕は、わらのようなものの上に寝かされていた。周りを見てみると、兎の耳が生えた赤ちゃんや、腕が青灰色のもふもふの毛でおおわれている赤ちゃんがいる。そして……、僕のお尻にも、ぴょこぴょこ揺れる長い尻尾が付いている。


どうやらここには、いわゆるところの獣人の赤ちゃんが集められているみたいだ。でも、なぜ?たいていの異世界では、獣人の身分は低いから……、もしかしたら、奴隷として売り買いされるのかもしれないし、何かの実験に使われるのかもしれない。うわー、お先真っ暗じゃん。生まれたことを後悔するよ。

頭を抱えようとするけれど、うまいこと腕が上がらない。ええい、腕、上がれ、上がれ!


頭を抱えた本来の理由を忘れ、必死に頭を抱えようと頑張っていると、根負け(?)したのか、とうとう僕の手は頭に載った。よっしゃ、やりぃ!


謎の勝利感に浸りながら頭を触っていると、手にモフッとしたものが触れた。今まで想像もしていなかっただけにびっくりしたけれど、そうだった、僕は今、獣人なんだった。にしても触り心地いいね、この耳。無心にふわふわをもふもふしていると、頭の中に、あの真っ白いふわふわの空間と、ピエロさんの言葉がよみがえった。


『しっかり生きるんだよ。自分が正しいと思ったことをすればいい。』


……そうか。

僕や同じ部屋に寝かされている獣人のみんながどうなるかはまだわからないけれど、僕にできる正しいことを、少しずつやっていけばいいか。

ありがとう、ピエロさん。それにしても、登場間隔短いね。

特に計画性もなく行き当たりばったりで書いております。楽しんでいただけたら幸いです。作者も楽しんで書きたいです。

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