表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/16

一話 転生したら・・・

ゆるりと更新していきます

木々が生い茂る森の中、木漏れ日が心地良くついつい昼寝でもしたくなるような場所だ...


そう、後ろのこいつさえいなければ!


「ギャァァァーーーース」

身の毛がよだつようなモンスターの声が、俺のすぐ後ろで聞こえた。


マ◯オのパック◯フラワーみたいなやつが、大きく口を開けて汁を撒き散らしながらグネグネとした動きで追ってくる。


汁が触れた場所はジュウと音を立てて溶けていく。


俺の本能が警鐘を鳴らしている。


(このままじゃ、喰われて消化されてデッドエンドだ。)


「なんで、なんで生まれ変わってまでこんな目に遭うんだ!!」


◇◇◇


遡るは、数日前...


俺はいつもの会社帰り。


コンビニに寄るためにいつもと違う道を選んだことが、まさに命とりになるとはあの時の俺は夢にも思っていなかった。


事が起こったのは、丁度工事中のビルの脇を通った時だった。


バギッと何かが折れる音。


それを認識し上を向いた時には、目前に大量の鉄筋。


「あっ」

出たのはそんな間抜けな声だけ。


(ああ、これは死んだな)


不肖、神谷健介二十八歳ここで人生儚く終わってしまうようです。


遠くで誰かの悲鳴が聞こえるような気がする。


落ちてくる鉄筋も酷くスローモーションに見える。


これは脳が危険を感じた時に起こるというタキサイキア現象なのかもしれない。


これから死ぬかもしれないという時なのに、俺の思考はとても冷静なのが不思議だ。


(生まれ変われるなら、どこか静かなところで平和に暮らしたいな...)


それを最後に俺の思考は途切れた。





はずだったのだが、


視界が白く染まってゆく。


体が暖かいものに包まれているような感覚がある。


(俺は、死んだのか?)


体は動かせない。まるで金縛にあったようだ。


(周りが白いってことは、俺は天国に行けたってことか?)


そんなことを思っていると、俺の体周りにあったエネルギーのようなものが一気に体の中に流れ込んできた。


(なんだ、何が起こっているんだ?)

俺が一人パニックっているうちに、体に纏わりついていたものが全て俺の中に吸い込まれたようで少しずつ感覚が戻ってくる。


途端に体が浮遊感に襲われる。


だんだんとクリアになってきている視界に映るのは、青い空。


それはどんどん離れていく。


(もしかして、落ちていってるのか!?)


一気に思考と体の感覚が引き戻された。


ちらりと視界の端に森が映った。かなり広いようだ。


(このままじゃ、落下死しちまう)


しかし体は加速していく一方で、空中では身動きが取れない。


(ぶつかる!!)

とっさに、目をつぶり衝撃に備えようとする。


バッシャーーーーーンッッ

背中にものすごい衝撃が走り、大きな水柱を立てて俺は水の中に落ちた。


なんとか生きているが、モロに衝撃を受けた背中に尋常じゃない痛みが走る。


「ゴボボッ!?」


息が出来なくなる。

焦る思いで、痛む手足を必死に動かして水から這い出る。


湖のようなものに落ちたらしいが岸に近くて助かった。


「ゲホッゲホ・・・・はぁはぁ・・」


取り敢えず体に異常がないか確認する。


「あんな高さから落ちてよく無事でいられたな。運が良かっただけか?」


だが、いくら水でも数十メートルの高さから落ちればコンクリート並みの硬さになると何処かで聞いた。


俺が落ちた距離は明らかに数百メートルを超えている。


(俺が金縛にあっている時に、体に吸い込まれてたやつのおかげか?)


色々わからないことが多過ぎる。

まず、俺はあの時の死んだのではなかったのか?

病院にいるわけでもないのだし。


一応、頬を引っ張ってみるが普通に痛い


「それに... ここはどこなんだ?」


周りは一面に森が広がっている。


緑が綺麗な穏やかな雰囲気の場所だ。


だが、見たことのない植物が多い。

(日本ではないのか? なら此処は...?)


取り敢えず、俺が落ちてきたと思われる空を見上げた...


が、思わず目を疑った。

俺が落ちてきたところはただの青空だった。


だが問題はそこではない。


かなりの上空に、巨大な飛行物体を発見したのだ。


明らかに鳥の大きさではなく、かといって飛行機でもない。


ドラゴンのような姿をしているが、流石にそれよりは小さく恐竜時代の翼竜に近い。


とゆうか、ファンタジーものに出てくる飛竜ワイバーンそのものだ。


それはすぐに飛び去って行ったが、俺は一人ポカンと口を開けて硬直していた。


「此処もしかして、地球じゃないのか?」


(そうなると、俺は生まれ変われたのではないだろうか!?)


「だとしても、こんなとこにずっといるわけにはいかないしまずは人探しでもするか」


一応、自分の持ち物を確認する。

家に帰る時持っていた荷物は手元にない。


ポケットに入れていた飴だけはあったが結局は一文無しだ。

しかしこちらへ来ても服装だけは変わっていない。


落ちた水の中も見てみたが、特に何もなかった。

湖自体はかなり大きいが俺が落ちたのは大分端の方でさほど深くない。

よくよく見れば魚は泳いでいるが漁をする気にはなれない。

いきなり化け物みたいなものが出てくることもあり得る。

なにせ飛竜(ワイバーン)が空を飛んでいるのだ。


諦めて森の散策に出かけることにした。


(落ちている時に森の端は見えなかったけど食料もありそうだし、しばらくすれば抜けられるかな...)


そんなことを呑気に考えていた自分を恨むまでそう時間はかからなかった。

森の正体とは・・!


「面白かった」と思っていただけましたら、感想やブックマーク、最新話の下部にある評価を押していただけると励みになります


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ