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俺の妹は引きこもり生活をしている

「 ただいまー!」

俺は家の鍵を開け、玄関に入り帰宅の言葉を上げる。

帰宅に帰り、俺は靴を脱ぎ靴箱に靴を入れ1階のリビングに行く。

俺は、冷蔵庫の方に歩き冷たいお茶を手に取りコップに注ぐ。

「 ぷはー、学校終わりのお茶は美味しい!」

美味すぎて、また再びお茶を注ぎ俺の部屋に持って行く。


部屋に入り、手に持っているコップを机に置き、直ぐにカバンを開けある物を探し始める。

「ふふふ、やっと今日の日がやってきた!

今日の日まで楽しみにしていた、そう、それは新刊のラノベだ!」

カバンから黒い袋に入っている新刊のラノベを手に取り、嬉しそうな表情を顔に出る。



俺──高宮祐は高校1年。

学校を終わると、俺はいつも部屋に入り本棚に入っているラノベを手に取り読む事。

趣味と言えば、趣味だけど読んでいると部屋から一歩も出なく、それほどラノベが大好きなラノベオタク。

俺の部屋は、沢山のラノベの本が本棚に詰まってる。


「さぁ、新刊のラノベも買ったしゆっくり読むとするか!」

ラノベを読もうとした時、ポケットに入ってるスマホからメッセージが届いた時の通知音が鳴る。

「おいおい、せっかくラノベを読もうとしている時に邪魔が入るとは、一体誰からだ?」

ポケットに手を入れ、スマホを取り出し先ほどのメッセージを見る。

メッセージには、こう書いている。



「おかえりなさい兄ぃちゃん。 お腹空いたから夕食作って」

「なんだ、妹からか! まぁ妹が腹減ってるなら夕食を作らないとな兄として。

楽しみにしていたラノベは後で読むか。」

手に持っているスマホを再びポケットに入れ、片手の新刊のラノベはベットの上に置き自分の部屋から出てリビングに戻りキッチンの前に立つ料理を始める。

先ほどスマホからメッセージを送った人は俺の妹だ。



高宮凛──俺の妹で中学1年。

ある日、妹は部屋から一歩も出なく部屋に篭る。世間ではいわゆる引きこもりと言う言葉。

もちろん、部屋に引きこもっているから学校にも行っていない。

兄の俺でも顔を見せなく、ずっと部屋に篭る。

それからある日、俺のスマホから一通のメッセージが届いた。

メッセージには、こう書いていた。

「兄ぃちゃん、凛だよ! 何かある時にはこのメールで使ってね」

スマホから初めての妹のメッセージが届いた。

それから俺は、妹が部屋に引きこもりの間メッセージのやり取りを始める。

今になっても妹は部屋を出なく、ずっと部屋に篭る。



俺達二人は、諸事情によって二人暮らし。

親は、海外出張であまり家に帰ってこない。

その他諸々兄妹は問題だらけの我が家となる。

「さぁて、今日は何を作ろうかな?

今日は新刊のラノベも買ったし、妹にも豪華な料理でも出すか!」

キッチンのあらゆる器具を用意して、料理を始め約10分ぐらいで完成した。

「よし、完成だ。名付けて『ラノベでよく出るステーキとオムライス』だ!

まさか本当に作れるとはさすが俺、天才!」

我ながらこの一年で、妹に料理をしているから手際がよくなった。

その経験も持ちながら、俺はラノベでよく出る料理を完成できた。

俺は食事を盆に載せて、妹が居る部屋へと持って行く。

俺の夕食は後で作り、先に妹の夕食を持って行く。

これは、兄として優しい友情。


食事を盆に載せて、階段へ足を踏み出すたびにギシギシと音が鳴り、今でも階段が壊れそうな音が鳴る。

二階建ての一軒家は、二人暮らしにはかなり広すぎると思う。

まぁ親が居ない間、俺たち兄妹は広すぎる……それに、妹は部屋に引きこもりほとんど俺が一人暮らしとたまに思う。

階段を上がると、左側に妹の部屋がある。

扉には、ハートマークやシールを貼っているネームプレートがかかっていて、妹の名前『Rin』と書かれている。



食事を手に持ったまま、軽くノックし、

「凛、食事持って来たぞ」

俺は、部屋に篭っている妹を扉を開けてくれると思い、その場で待つ。

すると、スマホから妹からメッセージが届いた。

「兄ぃちゃん、何度も言いますけど私部屋から一歩も出ないからそこに居ても出ないよ。

兄ぃちゃんの考えてる事はお見通しなんだから」

俺は妹に全ての行動がバレて落ち込む。

とはいえ、ここで俺は逃げない。

今度こそは、妹に扉を開けて貰うぞ!

「なぁ凛、少しでもいいから扉開けて食事を受け取ってくれよ」

そう言うと、またメッセージが届く。

「そんな事言って、私を部屋から出そうとしてるんですよね?

私今忙しいから、兄ぃちゃんは早く自分の部屋に戻ってラノベを見なよ。私にはラノベの面白さは分からないけど」



「な……なんだと! ラノベの面白さが分からないなど人生の半分を損しているぞ妹よ。

よし、それなら俺がラノベの素晴らしさを教えようじゃないか。

さぁ、扉を開けて俺とラノベの素晴らしいさを語ろうじゃ──」

最後まで言葉を言おうとした時、スマホから妹のメッセージが届き、それを見ると

「結構です!」

俺の話をきっぱり拒否する凛。

「そ、それじゃ食事床に置いとくから、ちゃんと食えよ」

床に盆を置き、そのまま1階に降り、落ち込んだまま自分の夕食を作り始める。



食事を終えた俺は、自分の部屋へと入り買ったラノベを手に取り、読み始める。

「さぁて、ご飯も食べたしゆっくり読むか」

食事を終えた後は、ゆっくりできる時間だ。

後は、妹が食事を食べ終わったら、スマホからメッセージが届くし、その間はゆっくりラノベを読める。

このゆっくりする時間は、俺の生活の中でも最も楽しい時間だ。

俺が楽しみにしているラノベの本は「銀翼の勇者」の二巻。

俺が最近好きなラノベ作家、ファルコン先生の作品だ。

異世界と魔法バトルもので、繰り広がれる戦闘。

「そういや、一巻の終わりでは主人公は敵のボスと挑むシーンだったよな。

今回は、その続きの戦闘シーンだし、楽しみだな」

黒い袋に入っている新刊のラノベを取り出し、椅子に座りながら読み『銀翼の勇者』の世界へと入っていく。

静かな部屋で、『銀翼の勇者』の作品を読み続け約3時間ぐらい経った頃、全部のページまで読み満足になった俺は、本を閉じた。

銀翼の勇者を本棚に入れ、それから部屋の扉の前で立ち、


「くっ、俺はこんな所で負ける訳にはいかない!俺には、妹が待っているんだ。だから、俺はこんな場所で死んでたまるか!

天より轟く雷よ……。我と契約を結ぶものとなり、大地に降り注げ!

〈ライトニング・シャイン〉!」

自分が主人公となり、詠唱し腕を突き出す。

ラノベの主人公見たいな腕から魔法を出したりすることは出来ないけど、あのラノベを見たらつい、真似をやりたくなる。

こんな姿を誰かに見られたら、俺は恥ずかしさのあまりに妹と同じく部屋に引きこもるかも知れない。

それに、主人公になりきった方がリアリティがあるからな。



「やっぱ小説家ってすげぇな。

俺もこんな小説家になりてぇ!

あっ、そう言えば、俺も確か新人賞に応募していたよな。今日が発表の日だったよな」

俺は机に向かい、ノートPCを起動させる。

俺が応募したのは、桜ファンタジー大賞のことだ。

もし、応募が受かったら賞をゲットし、もれなくデビューもできる。

「よし、PC起動出来たし桜ファンタジーのウェブサイトで受かってるか見るか……って、あれ?

一通のメールが来てる?」

PCのメールボックスに一通のメールが来ていた。

俺はウェブサイトを開く前に、先にメールボックスから一通のメールを見る。

そこにはなんと

「……なっ!? 2次選考で落選している……だと!」

そこには、俺が応募した作品が落選のメールが届いており、日付には2週間前に届いていた。

「そういや、PC開いたのは応募した以来だったよな。最近ラノベの新刊がどんどんと発売しているから忘れていたな。

まぁ落選した事は事実だし、次の新人賞に応募するか」

そう言い、俺はパソコンを閉じようとした時だった。


──ドンドンドンドン!!



天井から凄い音と天井が揺れる。

「な…なんだ…妹の部屋から凄い音と揺れが凄いぞ!」

俺は、天井に意識を向け立ち上がる。

俺は、妹に何か起こっていると思い、急いで机に置いているスマホを手に取り、妹にメールを送る。

しかし、メールを送っても妹から返信も来なく、更に天井から先ほどより天井が揺れる。

「妹から返信が来ない? まさか妹に危険な事が起きているかもしれない!」

俺は急いで、部屋を出りリビングの方に向かう。

何故、リビングに向かうと言うと、妹の部屋にはカギが閉まっており内側からしか開けられない。

だから、外側から開けるにはカギが必要とされる。



リビングの部屋にある金庫から妹の部屋のスペアキーを手に取り、急いで階段を上がり妹の部屋の前に立つ。

「まってろ、妹よ!今助けるから」

急いでカギを妹の部屋の鍵穴にカギを入れ開けようとする。

しかし、開けようとしても慌てるからなかなかカギが入らない。

「くそ、くそ!なんでカギが入らないんだ。

このままじゃ妹は、不審者に変な事やあんな事をされているかも知れないのに」

慌てたままカギを鍵穴に何回も入れようとしていると、やっと鍵穴にカギが入り左の方に手首を回すと、


ガチャン!


開いた音が鳴り、直ぐにドアを思い切り開け妹の部屋に飛び込む。

「今、助けに来たぞ妹よ!」

急いだまま妹の部屋に入り、助けようとする……のはずだけど!

俺が見た部屋の風景には、妹が一人で嬉しそうな表情で踊っている姿だった。

「り、凛?……お前、何してるんだ?」

俺はつい、言葉を出した後、妹はこっちを見て

「……にぃ、兄ぃちゃん?」

先ほど踊っていた妹は、俺の顔を見た瞬間そのまま動かなくなる。


久しぶりに妹と直接会うのが、何ヶ月ぶりか分からないけど、こんな展開で妹と会うとは思わなかった。


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