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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

デルタ オスカー インディア インディア ヤンキー

作者: 神無月 郁

何となく思い付いたものです。良ければ読んで頂けると幸いです!



私は眠る。何で生まれたかも知らずに、私は眠る。

私は眠る。この世の存在理由を知らずに、私は眠る。

私は眠る。このガラス越しの世界を知らずに、私は眠る。

私は眠る。そもそも私が生きてる理由を知らずに、私は眠る。


眠って眠って眠って眠って眠って眠って眠って眠って眠って眠って眠って眠って眠って眠って眠って眠って眠って眠って眠って眠って眠って眠って眠って眠って眠って眠って……眠り続けた。


 私は何で存在するの?




 世界は等の昔に滅んでいた。理由は簡単。人間は神になろうとしたからだ。


[遺伝子操作]


 それによって人間は新たな生命を作り出した。


 "科学"は飛躍的に進歩した。何故なら遺伝子操作によって生み出した"偽りの生命"を幾らでも"使い潰せる"からだ。


 "医療"における信頼性は格段に上がった。何故なら遺伝子操によって産み出した患者の"摸倣品"によって幾らでも取り替える事が出来るからだ。


 "食料"の心配は無くなった。何故なら遺伝子操作によって早期成長食材の開発に成功し、"試験管の中でしか生きれない歪な生命"の肉が食卓に並んだからだ。


 そして"軍事"は……やはりと言うべきか進歩した。子供が新しい玩具を貰った時の様に悦び、信者が神の名を叫ぶ様に狂烈に。


 複数の種を組み合わせ化物を作り、とある優秀な人物の遺伝子から死すら許容範囲のイカれた軍団を作った。


 人々は益々の発展を約束されたも同然と心の底から思い、死をすら凌駕した存在と自負し、享楽的にそして廃退的に日々を過ごした。


"我々は天に居られる神と同列と成った!"と。


 そして彼等はこうとも思った。"我々は神をすら凌駕出来るのではないのか?"と。


 そして人間は更なる進歩の為に邁進した。己の愚かさに一瞬の疑問も持たずに……




 それはとある大国の失敗から始まった。



 その国は、大きな国土に恵まれた資源、大量の人民に寄って支えられた国家であったが、如何せん仮想敵国が多かった。


 北には一時期、同志であった国が、西には同規模の人口を誇る国が、南には小国が連合を組み、東には昔に刃を交え、海を越えた超大国がその国に勝たなければ国土が蹂躙されていただろう憎き国が存在していた。


 全方位仮想敵国と言う国故に、手軽にそして性能が良い遺伝子操作生物、クローン兵には多くの資金を投じていたのだった。


 それは一つの些細なミスであった。


 とある研究所、そこは生物による天候操作を研究していた。そこの秘匿名称"S-D"それが逃げ出したのだ。


 失敗作ならそこまで大事にならなかっただろう。精々三面記事に載るぐらい。だが不幸な事に"S-D"は成功していた。


"S-D"の持つ能力は体内で造り出される電気の放出、そして電気の吸収。


 そしてそれは国の"一部"上層部が運用しようと考えていた通りに行動したのだ。よりにもよって"自国領内"で。


 秘匿名称"S-D"……雷龍における自国内領内、全発電所破壊により、政治、経済は麻痺した。その結果をある第二砲兵指令は"敵国によるEMP攻撃"と判断したのだ。彼はその"一部"ではなかった。


彼は、彼の権限で人が創り出した叡智の火……核を撃ち出した。


 たった一人の過ちによって押されたスイッチは連鎖的にそして世界規模で行われた。あの冷たき戦争より始まった相互核破壊の原理に基づいてだ。


 そうして世界は滅んだ。


 この地球に人類と呼べる種は無くなり、人間が作った対核耐性を持つ人口生物達の子孫が核に汚染された地に住んでいるのみだった。






 私が培養液に浮かび始めてどれ程の時がたったのだろうか。


 この培養液の効能なのか分からないが、私の人生の大半は眠っている。そして、ほんの少し目を覚ますとガラス越しに見る風景は毎度変わっていった。


 朽ちているのだ。


 目を覚ますと外にある壁の塗装が剥げ。また目を覚ますと壁材が崩れ墜ち。また目を覚ますと壁が崩れ隣の部屋と繋がった。


 そして、目を覚ますと……天井が崩れ外の光が私の世界を包み込んだ。



 何とも暖かい光なのだろうか!


 光の反射によってガラスに私の姿が写る。コレが私なのか……恐らく長く生きてるが始めて見た。自分の美醜感覚が間違ってなければ悪くはない筈だ。


 その時私は外に出てみたいと思ったが、直ぐに考えを改めた……いや、正確には"諦めた"のだ。


私は外に出る方法を知らない。そもそも外に出て何をするかも知らない。どうやって生きていくのかも知れない。だから諦めた。だったらこの培養液に浮かんでいる方が良い。



私はまた眠る。生まれた理由は愛玩用……私は眠る。

私はまた眠る。存在理由は[ピー]処理……私は眠る。

私はまた眠る。外の世界は放射能の砂の世界……私は眠る。

私はまた眠る。生きてる理由など知りもしない……私は眠る。



 しかし一つ願うとするならば……次起きる時に何か新しい景色が見られたら良いな……と。



どうでしたか?面白かったなら幸いです!



題名の[デルタ オスカー インディア インディア ヤンキー]ですが分かる人は、分かると思いますが、これはフォネティックコードであり、英語にするとDollyとなります。




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