NO.7 襲撃~圧勝と終戦~
ソシエールさんのキャラが安定しないなぁ…
転移魔法で門の上空に転移する。魔力を下向きに噴射、推進力とする。
秘宝の観測によると正面に主力を当てた布陣らしい。恐らくはここを叩けば打撃を与えられる。
息を大きく吸い、大声で言葉を届かせる。
「蜃気楼殿を包囲している者たちに告ぐ」
「即刻ここから立ち去れ。さもないと制裁を加える」
「……始めろ。奴等を決して逃がすな」
そんな声が聞こえた気がした。直後、彼等が進軍を開始した。短期な奴らめ。大体戦力を間違えている。ソシエールとの研究で前よりもずった強くなったのだから。
「…暗黒転移魔法"ダークバースト"。さようなら、愚かな方々」
それに気づいたのは、進軍している兵の先頭だった。
「なぁ、なんか暗くねぇか?」
隣の仲の良い兵に話しかけるも返答はない。
「なぁって!」
振り向くとそこにはなにもいない。
回りを見回すもなにもない。地面は平らでどこまでも続いていて、攻めていたはずの建物もない。
「嘘だろ…おい…」
その内意識がとおのいていく。必至にもがくもその苦労は報われることなく、彼は魂ごと消え去る。
今発動した魔法、ダークバースト、その正体は中位転移魔法、集団転移を応用したもの。
転移魔法を改造し、ソシエール謹製の次元の闇へ行くようにする。
闇には魂捕食という効果をつけてあり、食った魂を分解して魔力に還元。
還元した魔力は保持者、つまり僕のものとなる。
非常に効率のよい魔法なのである。それと同時に僕とソシエールの努力の賜物でもあるということだ。
威力は強烈で、先頭どころか殆どの兵が消え去っている。
「次行きますよ…」
「召喚魔法"魔獣召喚"」
目の前にワイバーンのような形をした魔獣が現れる。
「私は貴方様の忠実なる僕、ご命令を」
「回りの敵を焼き払って下さい。一人も生き残りを出さないで下さい」
「了解しました」
そして残酷な虐殺が幕を開ける。
ワイバーンが放つ強力な火炎ブレスによって兵士たちは多くが焼け死んだ。数少ない生き残りも爪により引き裂かれ、僕の魔法で魂すら捕食した。
すると、その惨状を見て股間から異臭のする物体を垂れ流しながら生き残りがなにか叫んだ。見たところ今回の首謀者だろう。
だが言葉とは思えないものだったので聞くのを諦めた。もしかしたら助けてあげたかも知れないのに。
「如何しますか?拷問でもして徹底的に痛め付けますか?」
「いいえ、殺っちゃってください、拷問しても意味がありませんから」
「ヒィィ!!イヤだ、イヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだ」
ワイバーンが彼のもとに舞い降り、熱量収束砲とでも呼ぶべきか?を発射した。それは心臓を貫き、息の根を止める。
戦場を見渡す。夥しい数の屍が造られていた。
もう朝か。朝日が出てくる。
「どう致しますか?」
「これの処理は私がやります。よく頑張ってくれました。貴方に名前をあげましょう。今日から貴方は…」
「マジックドラゴンとかどうかしら?あ!縮めてマジドラとか?」
「「……」」
暫くの沈黙が訪れる。ソシエールさん、貴女突っ込みどころ多すぎ。
「ソシエールとセヘルのシエとセルを繋げてシエセルにしましょう」
「ありがたき幸せ」
「ちょっと、私のは?セヘル?え?」
こうして、襲撃は(一応)幕を閉じたのだった。
次回からは新たにワイバーンのシエセルが加わります。