NO.2 次元魔法の使い手
早くも3話目になりました。勿論まだまだ続きます。
ーー「つまり、貴女は魔女で魔女狩りに家を追われてきたということですか」
「ええ、そうよ」
僕は今、館のなかで手当を終えた女性に話を聞いていた。彼女曰く、魔法使いとして暮らしていたが、ある日、魔女狩りに遭い、命からがら逃げてきたという。その後、途方に暮れていたところでこの館を見つけたんだそうだ。
彼女の話が本当ならこの館に住ませてもいい。幸いこの館は広く、彼女に貸すだけなら部屋はいくらでもある。しかし、もし盗賊だったら大変なことになる。僕は慎重にならざるを得なかった。
しかし、彼女の目が本当に魔女狩りに襲撃されたことを物語っていた。見つけたときは着ていた服はボロボロで、本人も疲労困憊していた。やはり住ませた方がいいのだろうか、そう考えているとき、ひとつの策を見いだした。
「この館にはある秘宝があります。その力によってこの館を守られているわけですが、その秘宝にはある力が秘められています」
怪訝そうな顔をする女性、もといソシエール・エイリーに道を示す。
「それは鑑定です。鑑定の力によって貴女が仇なす存在かどうかを調べさせていただきます」
暫く考えた後、彼女は首肯した。
それを確認したので秘宝の力を行使する。さらりとやっているが実は初めてやるものだったりする。目を見開くソシエールを横目にその力を発動させた。
暫く彼女を調べたが、彼女には秘宝を盗もうなどとしようとする気持ちは見つからなかったので彼女に肯定の意を示すため頷くとたちまち彼女の顔に喜びが見られる。
「ようこそ。蜃気楼殿へ」
その日、蜃気楼殿へ二人目となる居住者が現れることになったのである。
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彼女の性格はかなり熱心で魔法の研究に一日の大半を費やす。いつも部屋に籠っていてご飯のときしかでて来ないほどだ。私も暇なときなど時々転移魔法の研究等はするが、ここまで熱心な人はなかなか見ない。
彼女は次元系の魔法を得意とするが、かなりの練度だ。今度手合わせ願いたいくらいだ。
とは言え私も彼女も忙しい身、なかなかその機会が得られないもので苦悩しているところだ。
その夜、また強盗に遭った。この間と同じようなものだったが、徒党を組んで攻めてきたのでどうしたものかと考えているとソシエールは、
「私に任せて」
と言っていた。彼女の力量を計る意味もあるので彼女に任せると次元魔法で異次元の世界から魔物を召喚。一方的に蹂躙した。
ーーなかなか強い。
魔物もそうだが本人の力量も十分。大量の魔力を保有しているので最大で10匹くらいなら召喚できるそうだ。
僕もやろうと思えば出来ないこともないが、彼女には魔物の質も数も劣る。魔物は召喚する者の魔力の質によってその力を左右されるので恐らく私よりも魔法においては強いと言えるだろう。
しかし、彼女には弱点がある。それは力だ。僕は未だ見た目は子供だがすでに200年程は生きている。その生活で培われたのは鬼の圧倒的なまでの力。もし僕が今ソシエールと戦っても僅差で僕が勝つだろう。
…まぁそれはいいとして僕が言いたいことはひとつ。
おめでとう!脱ボッチDA!
…字数ってこのくらいでいいのかな?