表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
恋蝶詩  作者: 楼榮 槐
1/13

1詩



「この世で極楽の地と吟われる楽園、天国、桃源郷!ここはそれ以上に美しい!」

そう高らかに声をあげる初老、十勝真三。窪んだ瞳を輝かせるのは民から巻き上げた金で買った豪華な調度品。真三はこの土地で権力を奮い、あらゆる物を奪ってきた。民は常に腹を満たすことはできず、この地を出ることも許されない。道で餓死する者あれば、景観が悪くなるからと肥溜めに捨てられる。見かけだけ美しいこの地で、今宵起こる宴を彼はまだ知らないー。



「旦那様、御食事の支度が整いました」

そう伝えた青年もまだ若かった。真三は10代の子供を拐っては自分のコレクションとして身の回りの世話をさせていた。更に気に入った者には究極の世話を。拐われた子供は自分の保身のため、そして家族の平和のため全身全霊をもって彼に仕えねばならない。そうしなければ自分は殺され、家族にも危害が及ぼされる可能性もある。真三とは、そのような危険な男だった。


青年は顔を下に向けたまま腰を低く保つ。うつむくと睫毛が長さが余計際立っていた。

「見ない顔だな」

「旦那様には何十もの使いがおりますゆえ。知らない顔も多いかと」

「ふん。なんといってもこの土地一番の権力者だからな。それにしても....」

真三はそう口にし

ながら青年の顎を掴み、上に持ち上げた。



「なかなかに美しい顔をしているじゃないか。名前は?」

厭らしい顔をしながら青年の顔を舐めるように見る。

「シノと申します」

「シノか。下賤な名前ではあるが可愛がってあげよう。今夜私の部屋へおいで」

究極の世話に招かれた青年は

「はい、旦那様」

と、まるで作られたように美しい笑顔を見せた。




初めて恋愛物書きます。アドバイスもらえたら嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ