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エピローグ


のっけから私のいけないところは先のことをあまり考えないことです。これは小説家として致命傷ですが、本当のことですから致し方ありません。


だから4月から連載を開始して8ヶ月経っても小説の中の時間がひと月しか過ぎていないのです。正直言って「潮騒 5」を書き終えた時、この事実を知り自分でも驚きました。ライブ演奏に力を入れすぎたかな、とも思います。


読者の方はもっと驚きますよね。先のことを考えずにストーリーが成り立つはずない、と。私ももう少し進んでいると思っていたのですからかなり重症です。


コンピテンスの企画段階で大介が大学生としてキャンパスライフを送るまで書けたらいいな、と思っていました。だが、シリーズ 3を迎えてもそこまで辿り着けるかどうか心配です。


センテンスがあるのだから、その中で何を書くか具体的に決まっているはずだ、と考えるのが普通です。例えば「七転八起」と命名すれば、ボンヤリと書くことをイメージします。ですがこれはあくまでもフィーリングに近く、私の場合、こういうことを書こう、と決めていません。


私は作家が神様のように全ての決定権を持ってはならない、と考えます。


例えば主人公の桐原大介には、彼なりの意思や考え方、人間性があるのです。だから書き手は彼らの声をしっかり聞いて、どうしたいのかを知るべきです。作者にとって登場人物は全員我が子のような錯覚をすることがあります。


私の考えを無視して行動し、ストーリー展開が成り立たなくなる時があります。嘘みたいですが事実です。そういう場合、どうつじつまを合わせるか、が作家の力量となるのです。本当に大変です。


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