自惚れ 3
洋子と説子が楽しそうに話し合いながら校門の側のサッカーゴール付近に佇んでいた。それを見つけて大介が全速力で駆け寄った。
「お二人さんお待たせ」
「もう、本当に今日1日たくさん待ったんだから」
「説子、勘弁してくれ」
「だけど、ペアルックが憎たらしいくらい似合うわね」
「なんだよ妬いているのか」
「だって一人だけ寂しいんだもん」
「そんなことより怪我はなかったか」
「どサクさに紛れて私胸を揉まれちゃったわよ」
「よく騒がなかったな」
「いざとなると女なんてダメね。オロオロするだけで何もできなかった」
「説子は胸が大きいから」
「洋子と変わらないわよ。Dカップだもん」
「あら、Dもあるの」
「洋子は?」
「言えない」
「大介は知っているでしょ」
「知ってるわけないだろ」
「大体わかるじゃない。掌にすっぽり収まったらBだとか」
「個人差があるからな」
「誰がシビアに測れなんて言ったのよ。大体に決まっているじゃない」
「まだ洋子の了承がないからな」
「本当に2人はどうなっているの。ねんねと草食系男子じゃあるまいし」
「まあ、当たっちゃいないが遠くもないかもな」
「大介、ビシッとしなさいビシッと」
「それより洋子はかなり危なかったよな」
「うん、お腹が圧迫されて息ができなかったけど、後ろの人がステージに手をついて助けてくれた」
「心配したぜ、目の前にいるのにハラハラするしかない」
「仕方がないわよ。熱狂的なギターを弾いているんだもん。でも、ユキチさんがあまりにも綺麗だから驚いちゃった」
「ああ、確かにその辺にはいないべっぴんさんだ」
「あら、彼氏だったら否定するものよ。配慮がないわね」
「説子、ごまかしても仕方ないだろ」
「大介、それじゃ言わしてもらうけど洋子じゃ相手にならないわけ」
「何を勘違いしているんだ。ユキチは確かにいい女さ。ということは当然いい男がよって来るよな。そのうちすげーイケメンが現れて俺なんてすぐにポイさ。人には釣り合いってものがある。ユキチに相応しい男は俺じゃないのは十分承知さ。だからと言って洋子を卑下しているわけじゃないんだ。ただ俺は毎日誰かに取られるんじゃないか、とヒヤヒヤして生きるなんて御免さ」
「正直言って私ユキチさんを見て敵わないと思った。それに大介が考えているような人じゃない気がするの。私と同じ波長を感じていたら、とても怖い存在になるわ」




