ざわめき 4
ポセイドンのリハーサルが終わり、十戒のメンバーのセッティングに入った。彼らはキーボードとギターとドラムの3人編成で、ヴォーカルはキーボードが担当していた。ポセイドンと比べると明らかに準備不足で、演奏は精彩を欠いた。その後、コブラツイスト、クルクルパー、ファルコンと次々が演奏を披露し、最後に3年生のバンド、トップポジションが特別ゲストとして招かれた。
リハーサルが終了してメンバーたちは1階の控え室にみんなゾロゾロと向かって行った。
そして 大介が謙二に話しかけた。
「おい、最後に先輩が演奏した曲知っているか?」
「なんだ知らないのか。supercellの『君の知らない物語』って曲だ。
「聴いたことがないんだ、いつ頃発売されたんだ。やたらと早い8ビートだったな」
「4〜5年ぐらい前だと思うよ。アニメの主題歌だ」
「アニソンか聴いたことがないはずだ。少しは流行ったのか」
「そうだなスマッシュヒットって感じかな」
「なんだよスマッシュって、じゃあ少しは注目された曲なんだな。ユキチ、あの歌うたうの難しいだろ」
「日本語はわからねえな」
「憎たらしい奴だな、日本語でしか生活したことがない癖に。だけど、在校生を代表しているんだからやはり光ってるよな、実」
「ああ、でもユキチが日本語でうたう曲じゃない」
「ユキチがうたうんだったら"あれに荒れて叫びまくった片思い"みたいな曲じゃないとダメかな」
「大介、確かに〜愛してるんだクソッタレ〜みたいな曲じゃないとユキチの出番はないかもな」
「なんだよお前ら、言いたいこと言いやがって。あたいのことなんてどうでもいいだろ」
「でもユキチ、あとあとのことを考えたら日本語もうたっておいた方がいいぞ」
「大介心配無用さ。そうだ新人の2人『Highway Star』と『Smoke On The Water』もコピーしておいてくれ。しばらく叫んでないからウズウズしてんだ」
「ユキチ、ディープ・パープルを続けるなんて言った覚えないぜ」
「大介、あたいと一緒にやることに不服があるのか」
「 そんなことないけど」
「だったらそんなこと言うなよ」
「大介、ユキチに相当気に入られたな」
「実、俺足引っ張ってねえか」
「大丈夫さ、そのためにあたいたちがいるんだから。よし、じゃあ腹ごしらえしないとな。急ごうぜ」
急いで控え室に向かった。




