始まり
俺の名は神倉 哲哉大学1年生だ。
今は部屋でアニメを見ていた。
別にオタクではない。
親友が面白いと勧めて来たので見てるだけだ。
コンコンと扉が叩かれた。
「入ってもいい?」
「いいよ」
そう言って入って来たのは妹の神倉 美月高校1年生だ。
「どうしたんだ?」
「明日ねVRMMORPG初のゲームRed Feather Onlineがね正式にサービスを開始するの」
「美月はベータテストやってたんだよな?」
「うん。面白かった」
Red Feather Onlineとは世界で初のVRMMORPGである。
ベータテスト版は僅か2000本と言う数に対して応募者は150000人を超えていた。
妹はそれに当選していたのだ。
「兄様も一緒にしてください」
美月は上目遣いでこっちを見ていた。
妹は高校生だが中学生みたいだし、結構可愛かった。
そんな子に上目遣いで頼まれたら断る事が出来ない。
「分かったからその目で見るな」
「こうすれば男の人は大抵の人はお願いを聞いてくれるって言ってたから」
「そんな友達とは縁を切りなさい」
「お母さんが言ってたの」
「あの人はなんてことを娘に教えるのだ」
確かに間違ってはいないが、危ない事を教えるものだな。
「そのために来たのか?」
「うん。あとゲームの説明をしようと思って」
ピンポーン
インターホンが鳴った。
「どちら様ですか?」
「哲哉俺だ」
「生憎俺と言う名前は存じません」
「からかわないで入れてくれよ」
「分かったよ入っていいぞ」
「お邪魔します」
「何で美月ちゃんが哲哉のベッドの上に?まさか哲哉お前」
「そうなんだよ。美月が一緒にしてってお願いするから」
「美月ちゃん僕ならお願いしなくてもしてあげたのに」
「お前もやるんだろ?」
「マジ?参加していいの?」
「えっ?お前ベータテストやってなかったっけ?」
こいつ男は俺の高校からの友達の坂倉 冬弥だ。
こいつの父はRed Feather Onlineを開発した会社カウスト社の社員だから不具合などが無いか探すのに息子の冬弥が担当していたのだ。
冬弥は社員ではない俺と同じ大学1年生だ。
「何の話?」
「Red Feather Onlineだよ」
「初めからその話だったの」
「他に何があるんだよ」
「俺はてっきり・・・いや何でもない」
「お前は何しに来たんだ?」
「美月ちゃんが哲哉に説明してとお願いしてきたのだ」
「冬弥って説明できるのか?」
「俺のオタク知識をなめるなよ」
「んじゃぁ説明よろしく」