第1章・18話 戦に宴は付きもの
今回は例の物が再び登場?何かは読んでいるうちに分かるはずです。
ヒントはハルがおいしそうといってたアレです。
では、どうぞ。
追記
やってしまいました。新しい小説のネタを思い付いたら止まらなくなっちゃいました。で、考えた結果両方やってしまえという結論にいたりました。
そのため、読者の皆様にご迷惑をおかけするかもしれません。今まで通りに更新出来ないかもしれませんがなるべくこちらも更新していきたいと思います。
こんな小説を楽しみにして下さっている方々、誠に申し訳ありません。
切り良く第一章終了までは今まで通りに更新します。
といっても後一話で終わってしまいますが。
言い訳、もとい詳細は活動報告に記載してありますので時間がありましたら、覗いてみて下さい。
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~そんなこんなでレッツパーティー!~
「なあなあ魔王。」
「何だ?主殿?」
大急ぎでパーティー会場を作り上げている時に
魔王にずっと言わなければと思っていたことを聞く。
と言っても、そこまで大切なことじゃないが。
「お前のことは何て呼べばいいのかな、って思って。」
「別に主殿の好きな呼び方で構わんぞ?」
「でもそれだと周りの人が呼びづらいじゃねえか。」
「う~む、それもそうだな。」
「ペテル・リジェリア・ベルリード・ラ・ルバアルハリアを
どうやって短くするかな?」
ということで助っ人を呼んでみました。
「てなわけで、どうするよ?」
「無難にペテルで同かしら。」
会長さんです。きっと助けてくれます。
「でもそれじゃインパクトがなぁ~。」
「じゃあどんなの?」
「最初と最後をとってぺリア。」
「何か珍獣っぽくない?」
「じゃあ、アル。呼びやすいぞ。」
「それでいいんじゃないかしら。」
思ったより時間掛からなかった。
某錬金術師の弟みたいな名前だが別人だぞ?
「ってことで、お前は今日からアルでどうだ?」
「うむ、主殿に与えてもらった名前、大切にするぞ。」
「いや、別にそんなことせんでもいいんだが・・」
言う前に魔王・・もといアルは鼻歌交じりにスキップして
何処かに行ってしまった。
あいつがあんなに嬉しそうなのは初めて見るな。
そう考えつつも作業を終えて、一端全員集合する。
「あれ?これだけ?」
手近なイスに座りながら辺りを確認する。
此処に集合していたのは
ハル、舞、パーヴィア、会長さんの女性陣四人だけ。
「他のみんなは何処いったんだ?」
「ナナはラウを連れて机とかを借りに行って、魔王は
鼻歌交じりにスキップして何処かに行っちゃったし、ゴルドと
リアナは先生に此処を使って良いか許可取りに行っちゃった。」
舞が説明してくれた。
後で魔王の改名を宣言しなくては。
ってかここの使用許可取ってなかったのかよ。
俺が創った物で軽いダンスホールみたいなのを作ったんだ。
でも最初は此処に立てて良いかひやひやしたぜ。
だって明らかにまずいよねここ。
お墓の隣ですぜ。
いくら開いてる場所がここだけで、広いっつても、
流石に此処は無いんじゃないかな。
講義はしたんだよ?でも
「大丈夫よ~。毎年此処使ってるから~。」
と、リアナに言われた。
そして押し切られる形でここに建てちまった。
今更気にしてもしょうがないかと思い、立ち上がる。
思案しているうちにみんな自分の持ち場に戻っていた。
「お~い、コウジ、ちょっとこれを味見してくれないか。」
「ん?どれだ。」
パーヴィアに呼ばれた。
再び自分の仕事に戻った彼女の役割は料理らしい。
「おお!すんごい美味そうじゃないか。」
目の前に置かれたのは、魚の蒸し焼きのようなものに、
丸々一匹焼かれた小さめの牛の様なもの、それに特大の野菜サラダだ。
どれも手が込んでいて彼女の腕のよさが伺える。
これで全てではないのだろうがこれだけ作れるならとても期待できる。
「んじゃ早速。」
そう言って近くにあった魚を口に放り込んだ。
直後、口中に魚臭くない程よい香りが広がる。
舌触りがよく、かま無くてもとろけてしまいそうなほどだ。
「お前料理上手いんだな。この料理とっても美味しいぞ。」
途端にお玉を持って心配そうにこちらを見ていた彼女の顔に笑顔が広がる。
「それは良かった。ではこの調子で全部作ってしまうとしよう。」
そう言って機嫌よく戻っていった。
・・彼女の服装については目の毒なのであまり見ないようにしよう。
「コウ様~私のも味見してみてくださ~い。」
立て続けにハルにも味見を頼まれた。
呼ばれたのでハルが料理している場所まで向かう。
すると、辺りに瘴気がたちこみ始めた。
これは何かの演出だろう、と割り切り、歩みを進める。
さらにハルが料理している場所へと近づいた。
今度は舞が倒れていた。
「お、おい!どうしたんだ!」
心配になり舞を抱き起こす。
「う、迂闊だったよ。神をも殺しかねない究極の兵器が・・・」
そう言って舞は倒れた。
こ、これはどうせまた舞が悪ふざけをしているんだ。
またしても割り切って先に進む。
「コウ様~これ食べてください。」
ずい、と差し出されたのは何時ぞやの
ダークマターを連想させる禍々しい物体。
ハルの笑顔はひまわりのようだが何故かそれが悪魔の微笑みに見えて仕方ない。
このデスゾーン(ハルの料理してるとこ)に足を踏み入れた時点で、
多少なりとも覚悟が必要だったんだ。そしてもう逃げられない。
此処は男らしく散るしかない。
そう覚悟を決めて目の前の兵器(ダークマター 製作・ハル)
に立ち向かう。覚悟を決めてそれを口に放り込んだ。
「・・!!!!!!!!!!」
う、美味いだと!
この傘の会社の人たちが開発しそうな料理に見えないものが!
しかも最高級の黒毛和牛並みのあ・・じ・・・が、ごふっ
「並みの毒薬すら効かぬこの体にこれ程のダメージを
負わせるとはな。ハル、俺の完敗、だ・・・・・」
油断した瞬間に体がいうことを聞かなくなる。
意識が途絶えた。
「あれ?お腹一杯になって眠くなっちゃたんですか?」
しょうがないですね~、と言いながら途中に落ちていた
舞も回収して、がんばって運ぶハル。
見ているだけならとても微笑ましいが、
残念ながらこの所業は彼女がやったこと。しかも気付いていない。
「ふう~、疲れました。」
額の汗をぬぐってやり切った~みたいな顔をしています。
ここまで運んでくれたのには感謝するがアレ(ダークマター)
はとてもまずい。味的な意味でなく。
俺はもはや人の身とは言えない程の回復力を誇る為、
アレによって受けたダメージは既に回復していた。
「・・ハル、料理じゃなくて他のことを手伝った方がよくないか?」
「え?何でですか?」
う、と言葉に詰まる。純粋なやつほどやりにくいことは無い。
だが、あの料理は兵器として転用も可能なぐらいすさまじい。
それを身をもって体験したのだから説得力のある言葉だと思う。
「えっと、ほらさっき机借りに行ったやつらが人手が
足りないって言ってたし。それを手伝いに行ったらどうかな~なんて。」
「そうですか。それなら行きましょう。」
手をとって歩き出すハル。
あえてそのことには突っ込まずラウたちを探す。
「あら、仲がいいのね。」
今まで見たこと無いぐらい冷たい視線で、
繋がれた手を見つめる会長さん。
あれ?もしかしてこれまずい?
「はい♪とっても仲良しですよ♪」
気付かないハル。何故か苛立っていく会長さん。
状況がよく分からないが極めてまずい。
早急にこの場を離脱せねば。
そう思ってそろりそろりとハルの手から逃れ、脱出を試みる。
「何処に行くのかしら?」
「と、トイレに!トイレに行ってくるんですよ!」
「ふ~ん。じゃあ待っててあげるから早くなさいな。」
思いつきの言葉で逃れようとするが失敗。
結局、運命は変わらない。
だが、変えなければならないんだ!
このままでは俺の命が!
「いや、やっぱりラウたちの手伝いをしにいこうかと。」
「そう、私も手伝いにいくわよ。」
に、逃げられない。
パニックに陥った鋼嗣は二人の手をとって無我夢中に走り回った。
「ちょ、ちょっとコウジくん!」
会長さんは顔を赤くしながら何か言ってたが届かずに、
爆走を続ける。そして、ようやくラウとナナを見つける。
「はあ、はあ、はあ、ら、ラウ。手伝いに、来た、ぞ。」
「随分と急いできたな。しかも両手に花とは。」
肩で息をしながら両手を見る。
ハルと会長さんは目を回していた。そのうえ顔色も悪い。
急ぎすぎたせいだろうか。後で謝っておこう。
そう思いながらも二人を壁際に寝かせて、
ラウとナナの手伝いをした。
俺の参加により、思うより早く準備が終わり、
ついにパーティーの準備が整った。
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「おっほん、まずはお知らせがあるから、俺の話を聞いてくれ。」
見慣れたメンバーの前に立ち、大声で呼びかける。
「えー、まずは魔王。名前があまりにも長すぎたため、
俺と会長さん、それと本人によって呼び方が決まった。」
「我の名はアルに決まった。改めて宜しく頼む。」
アルが前に出てきて礼をする。
ワアアア!!と会場(?)が沸く。
ノリが良いことに苦笑しながらも続けて紹介をする。
「次はパーヴィアだ。」
「半竜人のパーヴィア・ラビン・ミットだ。宜しく頼む。」
「知ってるやつもいるかもしれんがこいつは俺たちを襲ったやつだ。
でも、こいつはあの時操られてたからなんだ。
決して自分から進んでやったわけではない。それは分かってくれよ?」
「あの時は迷惑をかけてしまったな。すまない。」
アルとは別物の礼をする。
「と、いうわけでこのことについては終わりだ。
これ以上なんか文句あるやつがいたら俺のとこに来い。
パーヴィアの代わりに俺がぶっ飛ばす!・・以上!」
先程の雰囲気は何処へやら、丁寧に腰を折りながらお辞儀する。
クソ爺とクソ親父にこのようなことも教え込まれていたので、
それなりに教養はあるつもりだ。
・・日常時では絶対にしないが。
「パーティーを存分にお楽しみ下さい。」
にこ、っと紳士のよな笑みを浮かべる。
普段はこんな言葉遣いも態度も取らないが今日は
パーティーがあるのでその余興としてやっただけだ。
この時に遠くからなにか声が聞こえたが気にしない。
実は遠くから隠れ鋼嗣ファンが覗いていて、
魔法を使い、その姿を激写しまくっていた。
そこで、今回のこれだ。
激写していた人たち全員が鼻血を出して倒れた。
※もちろん、女子生徒だけでなく男子生徒も含む。
恐るべし、如月鋼嗣!
「さて、連絡も終わったし飯にありつくとしますかね。」
そう言って、バイキング形式でよそってきた大量の食事に食らい着く。
ちなみにハルの作ったダークマターは勿体無いので
一応出してあるが、置いておくだけで周りのものに
瘴気を振りまくので、片隅に置いてある。
舞と協力して最前の処置を施した。
犠牲者が出ないようにうっすらと警告が書かれた紙を張ってある。
それをおいしそうに食べているのはハルだけだ。
ふぐは自分の毒では死なない。
それを見た鋼嗣はそう思った。
「僕はどうしてこんなに苦労しなければならいんだー!!」
酒が入っているらしくゴルドが酔っ払っていた。
一人で騒いでいる。彼の苦労性を考えれば、
ああでもしなければやっていけないんだろう。
この世界の法律はかなり緩くて、未成年でも酒、タバコはOK。
ただし薬物の類は禁止。と微妙な規制がかけられている。
この世界は魔法が故に危険な薬物も存在する。
ん?酒?
そんなことを考えていたら少し引っ掛かりを覚える。
誰かにそれを飲ませてはならない。そんな気がしたのだ。
その誰かを必死に思い出そうと己の記憶と奮闘しているうちにそれは起こった。
作「もし番外編が決まらなかったらどうしよう。」
コウ「大丈夫だって、もし決まら無かったら俺が無双する様でも書いてりゃ良いじゃないか。」
舞「それは何時もやってる気がするよ。」
作「それに、もし読者の方から連絡があってそれを実現できないのは非常に失礼だから。何時ものようにその回を軽く流す気は無い。」
舞「これから先も番外編についてはしばらく募集し続けています。ご協力のほどお願いいたします。」
作・コウ「お願いします。」
舞「ではまた次回お会いしましょう。」
追記
次話更新はおそらく来週の土曜の朝十時のはずです。
出来なかったらごめんなさい。