第1章・13話 戦祭り開始!
明日は祝日なのでなんとなくテンションが上がって投稿します。
いつも通りに10時です。
では、どうぞ。
追記
この小説は設定などがころころ変わります。そのため、いろいろと矛盾 が発生するかもしれません。ご注意下さい。
「じゃあ、作戦について説明するぞ。」
開会式の直ぐ後、呼び出された俺達は最初の試合はチーム戦だと知らされ、
大急ぎで準備し、今に至る。
まったく関係ないがここの控え室はかなり豪華な出来だった。
控え室なのに何故か台所や風呂場、トイレなどが完備されていた。
設備のよさに呆れるほどだった。
「おっと、話がそれたな。」
「まだ何も言ってないぞ?」
「いや、なんでもない気にしないでくれ。それでその作戦だが、ルールブック
によれば魔力が制限されているのはチームごと、つまり、俺ら個人が持ってい
るわけでも、全員共通でもないので、勝手な行動一つで負ける可能性がある。」
「そこでこの馬鹿が役に立つってわけね。」
「ああ、そして、俺と舞は今回ピンチにならない限り一切魔法を使わない。」
「何でですか?」
ハルの言うことも最もだ。だが、俺にもそれなりの考えがある。
「チーム決めのときも言ったが、俺は魔力消費が極端だ。それなら使わない方がいい。
舞の場合は今の状態なら魔法を使うよりも肉弾戦の方が楽勝らしい。それにそうすれば
俺たちが使わない分の魔力を他の奴らが使える。そうなれば戦術の幅は少しは増える。」
「分かった。そろそろ時間だから行こうぜ。」
なるほど顔で時計を見ながら言うラウ。
当初はこの世界に時計があることにはかなり驚いた。さらにスピーカーや風呂、
水道などにもだ。しかしながらこれらは魔法を応用して作られており俺の知っている
ものとは構造から使用方法まで違う。後から舞に聞いた話だがこれらの物は先代勇者
たちが伝えてきたものであり俺の世界にあった物の殆どがある。
また、四季の変化や月日の数え方などその全てが日本のそれと酷似している。
そして俺が舞によってこちらに飛ばされたのは3月半ばだったため、丁度、
高校に入る前に俺のあちら側での人生は終焉を迎えた。そしてこの学園に入学した。
「おい、何ボーっと突っ立ってんだ。早くしろよ。」
「おう、直ぐ行く。」
ラウに催促された為、そこで思考を中断する。
「野郎ども~~~!!!準備は良いか~~~!!!」
しばらく歩き扉の前に着くと外から校長の声が聞こえる。
大変面倒なことに司会者は校長らしい。
そして、扉を開けて闘技場の中に入ると大歓声を浴びた。
闘技場の中央部分、開会式のときはステージがあった場所に碁盤の目のように
規則的にこの大会で最も重要な物となる水晶が並べられていた。
見た限り40~50程ある。
レイトの言っていたようにこれだけあれば大会もスムーズに進む。
観客席の上には本来得点板にでも使われるであろう巨大なスペースに画質は
あまりよくないが試合を行っている所だけを分割して映すモニターのような
物が設置されていた。おそらく連絡用の魔法を応用して作ったのだろう。
「早速だが選手同士で挨拶をしてくれ!対戦相手は目の前の扉から出てきた奴らだ!」
俺たちのほかにもすでに他の扉からも選手が出てきており、
後は各々の対戦相手を待つだけだ。
ギイイイ、そんな音を立てながら俺たちの前の扉が一斉に開いた。
「やあ、君はあの時の。今日はそれのお礼をしてあげるよ。」
俺たちの対戦相手は入学式の時にフルボッコした名も無き貴族Aだった。
「おや?そこにいるのはマイハニーじゃないか。」
その気持ち悪い単語を向けられたのは・・・ナナだった。
「そんな風に呼ばないでくれるかしら。
私はお父様にあなたのことは断っておいて欲しいと言ったのだけれど?」
「愛があれば関係ないのさ。さあ、僕の元においで。」
両手を広げていつでもバッチ来いみたいな表情で固まっている名も無き貴族A。
しかしその両手は依然として寒いままだ。
「・・・・まあいいさ。この試合で勝って君に僕を認めさせてあげるよ。」
ちょっと悲しかったようだが直ぐに復活して何かほざく。
「寝言は寝て言え。名も無き貴族A。俺らは負ける気なんてさらさらねえよ。」
「なっ・・僕は名も無き貴族Aじゃなくt
「それじゃ早速始めるぜ~~!!全員水晶に手をつけ~~!!」
校長の叫び声によって遮られ、ものすごい勢いで俺を睨んでくる名も無き貴族A。
それでも審判を含めた全員で水晶に触る。
魔法研究部にあったような小さいものでなく軽く1~2mはあるので全員が触れる。
「戦祭り!!スタ~ト~~~!!!!!!!!」
校長の掛け声と共にあの奇妙な感覚が訪れる。
そして気が付いたときには岩だらけの荒れた大地にいた。
「お互いに出るメンバーを決めて下さい。」
審判らしいおっさんに言われてメンバー決定をする。
「ここは無難にコウ、ナナ、ハル、ラウで良いんじゃないかな?」
「お前はどうすんだ?」
「僕は様子見といくよ。まだ、注目されたくないしね。」
舞よ、その願いはとっくの昔に散っているのだよ。お前が転入してきた時点でな。
「分かった。じゃあリーダーとして俺が報告してくるぜ。」
審判に報告が済み、お互いに戦闘態勢に入る。
相手は名も無き貴族Aとマッチョな人たちでの4人編成。俺らでも十分いける。
「両者、構え!では・・開始!!」
審判は合図と共に遠くに跳んで離れた。その時に何かを突き抜けたみたいに
見えたから多分、特殊な結界でも張っているのだろう。
「まずは俺が行く。」
そう言ってラウが飛び出していった。
「それじゃ俺達はあいつの援護な。」
「リーダー先に出しちゃっていいの?」
「ナナ様、こっちには非常識の塊であるコウ様がいるんですよ?」
「そうね。じゃ、ピンチの時はあんたに任せたわ。」
「ええっ!俺ってある意味切り札?!」
「そんなとこです。」
「期待してるわよ~。」
二人に言われたがラウだけでもいける気がする。
すでにマッチョ集団のうちの2人を倒した。
・・その間にかなりの魔力を使ったみたいだが。
「ラウ!ストップだ!このままいったら魔力切れで負ける!」
「はいよ、っと。」
敵の攻撃を避けながらラウが俺たちのいるところまで戻ってきた。
上手く障害物である岩を使いながら避けるのが重要になりそうだ。
「そろそろ俺も出る。二人はラウを守りつつ、援護を頼む。」
「分かりました。」
「がんばってね~。」
「お、俺の時にはこういうのがなかったのに・・・」
何か軽く絶望しているラウをほっといて敵に近づく。
「ふんっ!」
「はっ、こんなもんかよ!」
マッチョな人(三人目)に殴りかかられたがその程度では俺の脚は止まらない。
そのまま近づき、陽影を抜刀する。
「んじゃ、お疲れさん
{如月護身流剣術 攻式四ノ型 徹らず通り・大・羅生門}」
相手に四方八方から壁が迫る。否、壁ではない。大きく上下に揺れながら
迫る高速の斬撃が壁のように見えるのだ。
これが{徹らず通り}の由来となっている。
斬撃が当たる寸前にマッチョな人(三人目)が消える。
これで残るは名も無き貴族Aのみ。
「さあ、お前で最後だぜ。どうするよ。」
「ふふふ、あの筋肉馬鹿どもも少しは足止めに使えたな。」
「?」
「あの時は効かなかったがこれはどうだ?
我が前に立ちはだかる敵の全てを無効化せよ {ハイ・クリアーウォール}!」
奴がそう唱えた時、俺たち全員が半透明の結界に閉じ込められた。
「まずいです!このままでは魔力切れで負けてしまいます!」
「何でだ?」
「この結界の中に居るだけで魔力が吸われて行きます!しかも魔法が使えません!」
魔力感知が苦手な俺にはよく分からないが徐々に魔力が失われてきているらしい。
「だったらぶっ壊しゃあいいじゃねえか。」
「これをやるっていうの?一体どうやって?」
「こうやってだ!」
[創造]を使い、歪な剣を作り出す。そしてそれを結界に向かってぶん投げる。
パリーン!
結界がガラスの割れるような音と共に砕け散った。
俺が投げたあの剣は{ルールブ〇イカー}、魔法に関するものの全てを破壊する。
ちょっと違うが解釈としてはそんな感じの凄い剣。
「「「「ええええ!!!!!!!」」」」
また、まずいことをやっちまったらしい。
「な、ななな何だ!今のは!」
「あのままでは負けるとこだったから、結界をぶっ壊した。」
「あのぉ、それって結構異常な事だったりするんですが・・・」
「ハル、あなた自分で言ってたじゃない。こいつは非常識の塊だって。」
「まったく持って異論が無いな。それには。」
「・・・・めんどくさいからさっさと終わらせるぞ?」
言って、相手に急接近する。
[加速]ではなく如月護身流体術の基本運歩法である{縮地}を使ってだ。
基本に{縮地}がある時点で異常だけどな。
「へ?」
「{如月護身流体術 内崩掌}」
手の平に気を集めそれを相手の内部に放出。相手の気を逆流させ、内蔵に
ダメージを与える内部破壊攻撃。それにより名も無き貴族Aは強制射出させられた。
「勝者!一年生チーム!なんと3年生のチームを破ったああああ!!!」
「「「わあああ~~~~!!!!!」」」
観客席から歓声が送られる。
それに手を振りながらも他の試合の様子を見てみた。
試合がこんなに速く終わったところは俺たちのところだけらしい。
・・・手を振った時に男女問わずに黄色い歓声が起こった事について
は触れ無いでおこう。
「初勝利おめでと~~♪」
しばらくは試合が無いので控え室から出て観客席に出たところで会長さんに
声をかけられた。
「はい、楽勝っす。」
「こいつがやられなきゃいいだけだから比較的楽だったな。」
「コウジちゃんが頑張ってたしね~。」
「そうですね。コウ様のお陰ですね。」
「僕は見てただけだけどね。」
「それよりもナナ。」
「ん?なあに?」
「そのコウジちゃんっていう呼び方何とかならんのか?
昔その呼び方に少しトラウマが・・・」
この話は俺の黒歴史に関わることなので思い出さないことにする。
「じゃあ、コウちゃんは?」
「どうしてもちゃんは取れないんだな。・・わかった。それでいいよ。」
「やった♪私、弟たちのことをこんな風に呼んでたから最近恋しくて。」
どうやら俺を弟たちの変わりにそう呼ぶらしい。それだけでいいなら問題ないが。
「あ~、そうそうコウジくん。一般の部には生徒会の役員が
チームを組んで出ることになってるから宜しくぅ~♪」
「ええ~、めんどくさい。」
「そういわずに~、ね?」
会長さんにそう頼まれると断りずらい。
女の子にかわいらしく頼み込まれたら断れないのは男の性だろうか?
「今、10時ぐらいだから、次チーム戦があるのは午後1時からだな。」
「でも、コウジくんはその後休憩なしに2時から一般の部よ?」
「結構大変だな。」
「まあ、がんばってね、コウ。」
そう言われ、舞にウィンクされた。
一瞬ドキっとしたが今更こいつにときめくことも欲情することも無く
気を取り直し、試合の観戦に移ることにした。
「あのイケメン強いな。」
「ああ、お前といい勝負じゃね?」
「なんでもあの男の人は一般の部に単独でエントリーして連戦連勝らしいわよ。」
「ふ~ん、チーム戦も許可されてるのに単独で・・・」
あの男に興味がわいた。別に俺は戦闘狂では無いが一介の武道家としては
是非とも手合わせ願いたい。
「それより、ちょっと早いけど昼ごはんを買いに行かない?」
「それもそうだな。混む前に済ませたいな。」
ナナの提案にみんな頷き、昼飯を買いにいくことになった。
あの一般人の男のことも気になるがとりあえず今は昼飯のことに
集中することにして、観客席を立った。
作「そう言えば最近、ハルのキャラが当初の設定より傾いている気がする。」
舞「それを言ったら他にも・・」
作「このままではグダグダに!強制終了!」
コウ「俺の出番は?」