表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
(自称)我儘令嬢の奮闘、後、それは誤算です!  作者: みん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

71/73

70 その後のお話④

名実ともに王太子妃となってから2年が過ぎた。


「今日から、エヴィ殿下の専属近衛騎士になりました。ルイーズ=ファルストリアです。宜しくお願い致します」


と、私の友達でもあるルイーズが、1ヶ月程前から私の専属近衛騎士になった。もともと、ルイーズの父が団長を務める第二騎士団─近衛騎士になりたいと言っていたルイーズ。しかも、この若さで王太子妃の専属となった。どれ程の努力をしたのか……想像する事もできないけど、ルイーズが側で護ってくれると言うのは心強く、とても嬉しい事だった。



王太子妃となっても、外交の場に出る事は続いていた。


「エヴィ様なら─」


と、言ってもらえたりもする。それに、やっぱり他国の知識を得る事はとても楽しいし、勉強にもなる。その事に関して王妃陛下─お義母様はいつも“偉いわね!”と、褒めてくれるのだ。それもまた……とても嬉しい。





******


「明日のゲルダン王国との交渉の場には、エヴィは出なくて良い」


2ヶ月程前、お義母様から『ゲルダン王国から、魔石のやり取りについて、新たな契約を結びたい─と、外交官が来るのだけど、エヴィとは多少なりとも縁があるから、同席してみる?』と言われ、知る事はできないかもしれないが、その後のリンディの事も気になっていたのもあり…『はい。お願いします』と答えた。



そして、いよいよ明日、そのゲルダン王国の外交官を迎えると言う日に、アシェルにそう言われたのだ。

どうやら、アシェルが反対するだろうと思ったお義母様が、今日の今日迄私が明日、交渉の場に同席する事を知らせていなかったそうだ。


「どうして駄目なんですか?」

「──相手国が、ゲルダンだからだ」


スッ─と、アシェルが私から左下に視線を逸らす。これは、アシェルにとって、少し後ろめたい気持ちがある時にする癖だ。


「俺は、もう、エヴィに傷付いて欲しくないと──」


そう言われれば、今迄の私なら『私の事を思って……』と、頷いていたかもしれない。でも──


アシェルは、その腹黒さで、私に対する悪意は前以て全て排除してから路を作るのだ。


“私は愛されている。護られている”


良いように捉えればそうなのだろう。でも、それでは駄目なのだと……ようやく気が付いた。


「───嫌です。同席します」

「え?」


私が拒否するとは思わなかったのか、目の前のアシェルは驚いている。


「今迄、私はずっとアシェルに護られて来た。それは、とても嬉しかったし、感謝しているわ。でも──私は王太子妃なの。護られているだけでは嫌なの。どんな嫌な事や大変な事があっても、それを自分の力で乗り越えて、胸を張ってアシェルの隣に立ちたいの」


そう言い切ると、アシェルは瞠目した後、フワリと微笑んだ。


「そんな事を言うエヴィが……可愛い」

「────はい?」


ーあれ?今の会話の何処に、可愛い要素があったの?ー


アシェルと一緒に過ごすようになって4年。少しずつアシェルの事を分かって来たつもりだけど、未だに分からないのが……アシェルの私に対する“デレスイッチ”。

本当に、全く分からないタイミングで、その“デレスイッチ”がオンになるのだ。そうなると、その場から近衛騎士のルイーズや、専属侍女のライラ達が、気が付けば居なくなっている─空気を読み過ぎてはいないだろうか?


「ひやぁ─っ!」


ひょいっ─と、私を横抱きに持ち上げるアシェル。


「なら、明日に備えて、早目に寝ようか?」


ニッコリ微笑むアシェルに、顔が引き攣るのは…仕方無い。


「アシェル?分かってるよね?私、明日は交渉の場に同席するからね?」

「分かってる。その交渉が、()()()だと言う事も分かっている」

「………ソウデスカ……………」


久し振りの爽やか腹黒笑顔のアシェル。最近では、そんなアシェルも……嫌いではない。抗うのは止めて、私はアシェルに身を任せた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ