69 アシェルハイドの誤算?
*アシェルハイド視点になります。*短いですが、宜しくお願いします*
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デビュタント姿のエヴィは、可愛いと言うよりも綺麗だった。
オフホワイトのドレスに、耳にはあのブラックパールのピアスを着けている。正式な公の場に於いて、黒を身に着けて良いのは、王族かエヴィだけだ。それだけで、エヴィが王太子の(実質は既に王太子妃だが)婚約者だと言う事が分かる。
俺だけのエヴィだ。
勿論、エスコートをするのも、ダンスを踊るのも俺だけ……ではなかった。
「お義兄様とも約束しているんです」
と言って、(何故か“義兄”として、この夜会に参加している)デレ期に突入しているブレインとも、楽しそうに踊っていた。
ーよし、ブレインには明日、仕事量を増やしておこうー
と思ったのは内緒だ。
その夜会が終わると、俺はエヴィの手を取って、2人一緒に王太子宮へと帰る。
そのままの格好で、用意させていたお祝いのケーキを食べた後、お互いこれからの準備の為に、エヴィは自分の部屋へと下がって行った。
ここまで来るのは本当に長かった。自分で言い出した事だが、夫婦の寝室で何もせず寝るだけとは───
ー我慢できた俺を褒めてやりたいー
それから、俺も入浴した後、夫婦の寝室へと入って行った。
いつもは、ベッドサイドにあるカウチに腰を掛けて俺を待っているエヴィが、ベッドの上でチョコンと座って待っていた姿は、可愛いかった。
まさか、自分がこんなにも早く結婚するとは思わなかった。こんなにも好きになる子が現れるとは…思わなかった。
これは、俺にとっては……何とも嬉しい誤算である。
「エヴィ、愛してる」
そう言って、俺はエヴィをベッドにそっと押し倒した。




