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(自称)我儘令嬢の奮闘、後、それは誤算です!  作者: みん


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68 その後のお話③

*ジェマ視点*



私の妹─エヴィは、魔力無しではなく、闇の魔力持ちだった。

その魔力のお陰で、悪いモノが視えたり、ソレらを祓う事ができるらしい。

思い返してみると、エヴィが欲しがるモノは殆どが食べ物だった。その中には、義母が手配してくれたベリーパイもあった。


私は前妻─フリージアの娘だ。義母には嫌われているだろうとは思っていたけど…。

一体、何を盛られていたかは分からないけど、エヴィに助けられたのは確かだ。あの最後の晩餐に出てきたベリーパイ。しかも、実の娘であるエヴィのパイにも何かが盛られていた。


「本当に、最後の最後迄、残念な人でしたね…」


「ん?あぁ…ひょっとして、ブルーム夫人の事?」


「はい……」


殿下とエヴィから色々と打ち明けられた後、『心配だから』と、私はブレイン様に連れられてアンカーソン邸へとやって来た。今日は1日泊まる事にもなった。


「まぁ…何と言うか………でも、これで、エヴィ嬢も心置きなくブルームを棄てられるんじゃないかな?」


「そうかもしれませんね……」


それに、これでエヴィが独りになる訳じゃない。戸籍上は私は既にアンカーソンではあるが、これからもずっとエヴィの姉である事には変わりない。殿下がエヴィをキッチリと護ってくれる筈。それに─


「ブレイン()()()()()として、これからもエヴィを、宜しくお願いしますね?」


「ごふっ───あっ……あぁ!勿論だ!ジェマの妹は、私にとっても大切な可愛い妹だからね!」


「ふふっ」


どうやら、ブレイン様はエヴィに対して、デレ期に突入したようだ。






卒業式迄の2ヶ月の間は本当に忙しかった。

その間学校にも行けず、エヴィにも会えなかった。

ようやく会えたのは、卒業式の当日。しかも、エヴィは、殿下の色である黒色のピアスを着けていた。


ーやっぱり…囚われてしまったのねー


嬉しさ半分、寂しさ半分である。




「ジェマ嬢、妹さん…終に捕まっちゃったのね?」

「妹のエヴィ嬢に、頑張って!って伝えてもらえる?」

「殿下、おめでとうございます」

「殿下、これで一安心ですね!」


と、卒業式の日であるにもか関わらず、私達のAクラスでは、殿下とエヴィの話で盛り上がっていた。

当の本人である殿下は、それはそれはとても爽やかな笑顔をしている。勿論、その笑顔に腹黒さは無い。


エヴィを囲い始めた頃は、本当に……本当に腹黒い笑顔が多かった。同じクラスだった私達は、その腹黒い笑顔を目にしているからか、誰一人、エヴィを妬んだりする事はなかった。


“エヴィが王太子に擦り寄っている”のではなく、“王太子がエヴィを囲い込んでいる”と言う事を知っているから。


殿下がエヴィを逃したくなくて、外堀を埋めまくって囲い込んだのだろうけど、こうやって隠さず見せ付けておけば、エヴィへの風当たりが弱くなる─と言う計算もあったのかもしれないな─と思った。





卒業式の翌日、私は名実共にブレイン様の妻となり、盛大にお披露目会が執り行われた。初夜も問題なく…迎えられました。

ただ──


「暫くは、2人だけの時間を楽しみたい」


と言っいた私達だったけど、初夜で妊娠。あっと言う間に嫡男となる男の子が生まれたのは─嬉しい誤算である。









*ブレイン視点*



『ブレインお義兄様』


あの、いつもツンツンしていたエヴィ嬢から“おにいさま”呼び。


クリーンヒットだった。


もとより、ジェマの大切な妹だ。可愛くない訳がない。



「今更だな。お前の悪い処は、ジェマ嬢が関係すると周りが見えなくなる事だ。その上、正式に義妹(いもうと)となったエヴィも、お前の弱点になったようだな?それはそれで、俺の側近としては───問題大アリだと言う事は……解るな?」


と、そこにはニッコリ微笑む王太子が居た。



それから私は、アシェルと父上にみっちりとしごかれた。

卒業して、ようやくジェマと同じ家で過ごせる!と喜んだのも束の間──一週間の休みが明けると、また更にしごかれる日々が続き、まともに家に帰れたのは3ヶ月ほど経った頃だった。



「─っ!気持ち悪いっ」

「えっ!?」


久し振りに会ったジェマを抱きしめようとしたら、手で口を覆いながら『気持ち悪い』と言われた。そのまま、ジェマ付きの侍女がジェマを支えながら邸の奥へと下がって行った。


そこから、どうやって部屋迄来たのか覚えていない。


「え?離婚の…危機…なのか!?」


この3ヶ月、アシェルと父上からのしごきに耐えに耐えまくって、ようやくジェマとゆっくり過ごして良いと、3日間の休みをもらったのに。


「どうすれば良いんだ!?」


と、ブレインはその夜は、独り眠れない夜を過ごす事になった。


その翌朝、母親からジェマの妊娠を知らされるとは知らずに。






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