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(自称)我儘令嬢の奮闘、後、それは誤算です!  作者: みん


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67 その後のお話②

*ポーリーン視点*



「お前は“魔力無し”だな?」


ヒュッ─と息を呑んだ。


ーどうしてバレたの!?ー






家族4人でゲルダン王国にやって来た。道中は楽しい旅となった。ジェマもエヴィも居ない4人だけ。ゲルダン王国では、リンディが王弟に輿入れ。私達は侯爵となるのだ。何て素敵な事だろうか。輝かしい未来しか視えなかった。それなのに──


城で真っ先に行われたのは、魔力検査だった。何でも、魔力無しを保護する為に、魔力の有無を確認しなければいけないと言う事だった。


“保護”とはどう言う意味なのか……確か、この国の殆どの者が魔力無しの筈。例え魔力無しでも、住みやすい国だと聞いている。まぁ、調べられても、私が()()である事は知られる事はないだろう。



それなのに、私が魔力無しだとバレてしまったのだ。




私も、もともとは水の魔力持ちだった。それが、リンディとエヴィを生んだ後、産後の肥立ちが悪く暫く寝込んでしまい、気が付けば魔力を失っていたのだ。それは、まさに恐怖だった。夫であるフロイドは、魔力主義者だ。私とは恋愛結婚だったが、それは、私の魔力が強かったから。


そんな私が生んだ双子は、1人は稀な光の魔力持ちで、もう1人も珍しい二属性持ちだった。それはそれはフロイドは大喜びした。

魔力無しとなった私はどうなるのか──よくて別居、悪くて……修道院行きだ。


それから私は必死にどうするか、どうすれば魔力がもどるのかを調べた。

そうして知ったのが、魔石をある手法で加工したモノを服用すれば、魔力持ちのように装える─と言うモノだった。ただ、それは副作用があり、常習すれば、ソレが無いと錯乱状態に陥ったりする事がある為、今では服用する事自体が禁止されていた。



ーそんな事は関係無いー



と、私はソレを取り扱っている者を探し出し、ソレを手に入れる事に成功した。



ソレを服用し始めると体調も良くなり、魔力が身体を流れているような感覚もあり、私はいつしか、自分が魔力無しだと言う事を忘れてしまっていたのだ。





魔力無しとなったエヴィを蔑んだ。魔力無しのエヴィなんて見る価値も無い。


ベリーパイが嫌いだった?

ピンク色が嫌いだった?


そんな事を言われても知らない。今更だ。もう、家族ですらないのだから──。









「お前は“魔力無し”だな?」


そう言って、嗤っているのは、リンディの夫となる王弟ルシエル様だ。


「まさか、光の魔力持ちの母親が魔力無しとは……これが、この国の貴族に知られれば、お前達はどんな扱いをされるか……知らないのか?」


ニタリ─と嗤うルシエル様の顔を見て、ゾッとした。聞かなくても分かる。


「──どうか……内密に……どうか……!」


「ふん。今後一切、リンディに関わらないと約束すれば、ここだけの話にしてやる」


「分かり……ました」


そう言うしかなかった。


それなのに───






「まさか、お前が魔力を失っていたとはな……」


与えられた侯爵領に到着したその日の夜、フロイドから言われたその言葉に驚いた。


「残念だが、この国で、お前が()()()()()()()()は手に入らない。その意味が分かるな?」


あの王弟ルシエルは、それを知っていて、あの約束をさせたのだ。


「お前は……出来る限り部屋から出るな」


フロイドと顔を合わせたのは、それが最後となった。





その後ポーリーンは、数カ月後には錯乱状態に陥り苦しんだ後、最後には今迄の苦痛が嘘だったかのように、ベッドの上で穏やかな顔で眠っているかのように亡くなっているのを、使用人が発見したと言う。









“ポーリーンが亡くなった”


その知らせは、ゲルダン王国のブルーム侯爵家に潜り込ませている影からのものだった。

他に、王弟からもフロイドからも知らせが来る事はなかった。



「王太子殿下、この事を、ジェマとエヴィ嬢に伝えますか?」


王太子(オレ)に、そう尋ねてを来るのはドリュー宰相だ。


「──いや、伝えなくても良いだろう。影からの報告がなければ、俺も知る事は無かったし、もう、2人とは関係の切れた者の事だから」


「そうですね。では、この手紙は処分しておきましょう」

「あぁ、頼む」


と、ドリュー宰相は、その手紙を持ったまま俺の執務室から出て行った。


まさか、自身の魔力無しを隠す為に禁忌のモノに手を出していたとは思わなかった。こんな事を、エヴィに言える訳がない。もう、エヴィには、クズ達のせいで苦しんだり悩んだりして欲しくは無い。エヴィには笑っていて欲しい。


ー俺には、微笑んだりしてくれる事は、あまりないがー


「違うな。あの、ツンなエヴィも……可愛いな」


あの、俺を胡散臭そうに見るエヴィも、威嚇して来るエヴィも、俺にとっては、可愛いしかないのだ。それをエヴィは全く分かっていない。


どれだけ俺がエヴィが好きなのか──


「これからじっくりと解ってもらわないとな…」





ニヤリ─と笑うアシェルハイドを目にした、同じ執務室に居たロドヴィックとミリウスは『エヴィ嬢。頑張れ』と、心の中で呟いた。





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