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(自称)我儘令嬢の奮闘、後、それは誤算です!  作者: みん


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60 ミュズエル王国の外交官

卒業式迄、後2週間─




『ようこそいらっしゃいました』


にこやかな顔をして出迎えているのは、外交官の長官だ。相手はミュズエル王国の外交官3人。

ミュズエル王国は、王妃陛下の母国でもあり、友好国の一つでもある。現ミュズエル国王とは兄妹になり、年2回程、ミュズエルから外交官がやって来て、王妃陛下と謁見するのが慣例となっているそうだ。


国王両陛下との謁見はお昼前。それから昼食を共に取り、その後は王妃陛下と外交官とのお喋りタイムとなる。なんでも、その外交官の長官は、王妃陛下の親戚にあたる人らしく、気安い仲なんだそうだ。3人のうち、1人はまだ若い女性である。


『ひょっとして…彼女が?』


ミュズエルの、外交官の1人が私に気付き、長官に声を掛けると、長官は私を振り返った。


『初めてお目に掛かります。エヴィ=ローアンと申します。宜しくお願い致します』


『私はグウェイン=デパレイト。こちらこそ、宜しくお願いします。貴方の事は、あちこちで耳にしていたので、会うのが楽しみでした』


と、ニコニコ笑顔なデパレイト様。『今は時間がないから、また後で改めてゆっくり話がしたいです』と言われ、外交官3人は長官と共に王城内へと入って行った。


「……私の事って……どんな事なんですかね?」


と、私の隣に居るコーディさんに尋ねると


「あーそれは…5ヶ国語も話せて、まだ学生にも関わらず現場にも出てるって事かな?」


「そうなんですね」


ー兎に角、悪い噂とかじゃないなら良いけどー


と、その時のコーディさんがどんな顔をしていたのかをちゃんと見ておけば良かった─と後悔するなんて、この時の私には予想できなかった。





******



食事会は、国王両陛下と外交官達だけでとり、その後は王妃陛下と外交官達とのお喋りタイムとなる。

本来であれば、私は挨拶が終わると帰っても良いと言われていたが、『後でゆっくり話がしたい』と言われた為、以前泊まった事のある客室に案内され、呼び出しが掛かる迄王城で待機する事になった。

その客室で昼食をとり、取り敢えずと、ミュズエル王国に関して書かれている本を読む事にした。




あれ?そう言えば、私が王城に居る事が、当たり前になってない?それに、急に王城でお世話になっている筈だけど、その時に私に付く女官がいつも同じ女官なのは、もう、絶対に気のせいではない。女官は夜勤もある為、基本は週休3日。それぞれ持っている仕事も様々で、毎回同じ女官が私に()()()のは、それなりに高確率過ぎやしないだろうか?

まぁ、いつもお世話をしてくれる女官は、私に対して嫌な態度を取ったりする事はないから、全く問題は無いんだけど…。


「考え過ぎ、気にし過ぎ…かな?」


フルフルと軽く頭を振って思考を切り替え、私はまた手元の本に意識を戻した。





****** 



『時間を作っていただき、ありがとうございます』


『こちらこそ、お話の場を設けていただき、ありがとうございます』


呼び出しがあったのは、丁度ティータイムの時間だった。場所は、来賓客を饗す為に造られた庭園内にあるガゼボ。この場には今、私と長官と、ミュズエル王国の外交官2人。あの女性の外交官は居なかった。同じ女性の話も聞けたら─と思っていたから、居なくて残念だなと思いながらも、4人でのティータイムを始めた。




『他国に関しての知識は、ほぼ独学とは…ひょっとして、言葉の習得も独学で?』


『いえ、会話は、たまたまその国の会話に堪能な家庭教師が居たので、その先生達のお陰です』


本当に、ブルームの親はクズだったけど、教育に関してだけは感謝だ。どの家庭教師も本当にレベルの高い先生だった。それが今、とても役に立っている。


『これで、アラバスティア王国の未来も安心ですね』


『それは…大袈裟ですよ』


褒められのは正直とても嬉しいけど、そこまで過大評価されると、心苦しくなってしまう。それに、私がどうと言うより、アシェルハイド殿下が次期国王として立つなら、この国は何の心配も無いと思う。


『外交に強い妃を持つのは、その国の武器になりますからね』


と、ニッコリ微笑むデパレイト様。


ーん?”きさき”?ー


あまり耳にする事の無いキーワードが飛び込んで来た。


『確かにそうですね。クレナード王国の王妃も、確か外交に明るい方でしたね』


長官も、特に気にする事無くサラッとデパレイト様との会話を続けている。


ーきさき…妃………うん。聞き間違えだよねー


『そうそう、ベル─うちの女性の外交官がエヴィ嬢と話がしてみたいと楽しみに…あぁ、丁度来た』


デパレイト様が、私の後方へと視線を向けて立ち上がり、私もその方へと視線を向けると、アシェルハイド殿下にエスコートされながら、ベルと呼ばれた女性外交官がこちらへとやって来るところだった。

その女性は、先程見た時のシャツとパンツ姿ではなく、フワッとしたワンピースを着ていて、後ろで一つ括りにしていたハニーブロンドの髪は、ハーフアップにされていて、とてと可愛らしく、さっき見掛けた人とは別人のようだった。




ー殿下と並ぶと、絵になる……お似合い…だよねー




胸がツン─としたのは……きっと気のせいだ。



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