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(自称)我儘令嬢の奮闘、後、それは誤算です!  作者: みん


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54 王太子宮①

私はただただ、去って行くポーリーンの背中を見つめて、その姿が邸の中へと消えた時、何とか耐えて立っていた足からスッと力が抜けてしまい、倒れそうになると、殿下にグイッと抱き上げられた。これで、2度目である。


「で──アシェルハイド殿下!下ろして下さい!」

「下ろしてどうする?歩けないどころか、立ってもいられないんだろう?なら、おとなしく俺に運ばれていろ。ずっと、ブルーム邸(ここ)に居たいなら別だが………」


「ゔー……よろしく……お願いします」


「あぁ、任せろ」


殿下は優しく笑って、そのまま私を馬車迄運んでくれた。








ーまたまた、どうしてこうなった?ー


私も馬鹿ではない。あんな事があった後だから、流石に学校の寮ではなく、ローアン邸に帰るものと思っていた。だから───馬車の中では、殿下が私を下ろすことなく膝の上に私を抱えたまままで、恥ずかしいやら何やらを我慢したのに─。


「少しは落ち着いたか?」


今、私の目の前にアシェルハイド殿下が座っている。

そして、今、私達が居る場所は……王城敷地内にある王太子宮の一室である。


「………ある意味落ち着きませんよ!何で───」

「あのまま、俺が素直にローアン邸に帰すと思っていたのか?勿論、ローアン邸に帰れば安全なのは確かだが、心配で、俺が、エヴィを一人にしたくなかったからな」


「………殿下は……どこまで知っているんですか?」


何故、あのタイミングで現れたのか───







*アシェルハイド視点*



『殿下、()()がありました』


「───やっぱりか。で?()()()が何をした?」


『親が、何かを食事に……。それと────』






エヴィに付けている影から()()を聞いて直ぐに、俺はブルーム邸へと向かった。


そして、ブルーム邸に到着すると、既にブレインもやって来ていた。おそらく、ブレインもジェマ嬢に暗部の者を付けていたのだろう。


「アシェル……アレは本当に、子を持つ親なのか?アレを、このまま放っておいて良いんですか?みすみす、ゲルダン王国の侯爵になど──」


「“みすみす”ではないよブレイン。アレはね、魔力無しなんだ。お前も、アンカーソンを名乗る者なら知っているだろう?魔力無しが、ゲルダンの貴族社会でどんな扱いを受けるのか。ましてや、お花畑が()()王弟の側室だ。その王弟は、どう動くだろうな?」


「ブルーム伯爵夫人が…魔力無し?気付かなかったですね……それが本当なら、私達が何かしなくても………。それと、()()()()()()()()はどうしますか?」


「それらは、ローアン侯爵が預かりたいと言っているそうだから、ローアン侯爵に任せる事にした」


“アレクシス=ローアン侯爵”


表の顔は王城に勤める文官ではあるが、“王族直属の影”と言う裏の顔を持っている一族だ。裏の顔に関しては、国王、王妃、王太子、王太子妃、宰相だけが知らされる機密事項である。


アレクシス侯爵と妹のフリージアは、とても仲の良い兄妹であった。その妹が亡き後は、妹が生んだ娘─ジェマを陰ながら見守って来ていたアレクシス。その為、アレクシスは、ジェマとエヴィの事は()()把握済みだったのだ。それ故に、ドリュー宰相が、エヴィの養子縁組の話を持ち掛けた時は、一もニもなく受け入れたのだ。


それ程迄に、アレクシスが大切にして来たジェマとエヴィに手をだしたブルーム伯爵夫人。


「まさか、ジェマ嬢と実の娘のエヴィに、媚薬を盛るとはな……」


それも、娼館で働く下男を待機させていたのだ。

その下男達は、アレクシス配下の影が連れ帰った。もう二度と、表の世界に出て来る事はないだろう。


「兎に角、私がジェマとエヴィ嬢を連れ出して来ますから、アシェルは馬車の中で待っていた方が良いかと。外堀りは埋まってますけど、まだ……あまり見られない方が、エヴィ嬢の為ですからね」


ー確かに、ここで目立ち過ぎるのも良くないなー


と、そう思い、俺は馬車の中で待つ事にした。



その後の事は、言うまでもない。俺が王太子でなければ。エヴィが俺の腕の中に居なければ、あの場でアレを処罰していただろう。


ギュッ─と、俺にしがみついて来たエヴィに、『可愛いな!』と、少し怒りが収まったが──。






帰りの馬車の中では、『下ろして下さい!』と全力で拒否るエヴィを、『家に着くまでだから』と説き伏せ、そのまま王太子宮まで連れて来た。

どんなに嫌がっても、いつも通りのエヴィに見えていたとしても、エヴィ本人は全く気付いていないんだろう。ずっと震えているのだ。そんなエヴィを、例えアレクシス(父親)であっても、他人に任せる事などしたくはなかった。




「どこまで………か。実は、光の魔力持ちには、本人や、その両親にも内緒で、その身を護る為に王家直属の“影”を付けているんだ。だから───全て知っているんだ」





ーエヴィに付けている影の事は………秘密にしておこうー




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