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(自称)我儘令嬢の奮闘、後、それは誤算です!  作者: みん


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閑話ー報告書ー

❋アラバスティア王国の宰相─ドリュー=アンカーソン視点の閑話になります。本編の補足的なお話なので、読み飛ばしていただいても大丈夫です❋









私の名前は、ドリュー=アンカーソン。

アラバスティア王国の宰相を務めている。


私が仕えている国王陛下は、賢王と謳われる程の王である。

その息子である王太子─アシェルハイド殿下も、次代国王に相応しい王太子である。


王太子殿下が光の魔力持ちと言う事は、殿下が成人される迄は秘匿される事になった。光の魔力持ちは、色んなの意味で狙われやすい事と、体調が不安定な為()()()()()()()()()()からだ。


そんな殿下が()()()令嬢が、エヴィ=ブルームだった。


『我儘で自分勝手な娘だ』と、母親であるブルーム伯爵夫人は憂い、

『いつも私を無視するので、寂しい』と、双子の妹は切なげだった。


実の母親と双子の妹が言うのだ。本当の事だと……思ってしまった自分を殴ってやりたい程だ。


ー本当に、舐められたものだー


王太子殿下からエヴィ嬢の話を聞いた後、直ぐにアンカーソン私用の暗部に指令を飛ばし、もう一度ブルーム伯爵邸を探らせた。そして、指令を飛ばしてから3ヶ月して、ようやく報告書が上がって来たのだ。






1、フロイド=ブルーム


魔力持ち主義者。

光の魔力持ちであるリンディ第一主義。

二属性を持っていたエヴィ嬢を嫡子としていたが、魔力を失ったと同時期に、その嫡子扱いも保留となり、そのまま弟であるサイラス殿が嫡子となる。

以後、魔力無しとなったエヴィ嬢に対しては、“失望”扱いし、存在自体が無いかの様な対応。


マトモな縁談探しではなく、“如何に得をして嫁がせる事ができるのか”を第一に縁談先を模索中。


ジェマ嬢に関しては、ポーリーン夫人の希望もあり、別邸にて暮らさせていたが、バックにアーロン侯爵とアンカーソン公爵が居る為に、信頼のおける使用人をつけていた。

子供一人ではあるが、特に不自由なく暮らしていた。


サイラス殿は嫡子であり、男の子と言う事もあり、殊更甘やかして育てているせいか、伯爵家嫡男としてのマナーや教養に関しては疑問有り。




2、リンディ=ブルーム


光の魔力持ちではあるが、その力を他人(ひと)に使う所を目にした者は殆ど居ない。邸内でも滅多に目にする事はない。“本当に光の魔力持ちなのか?”と口にした使用人は、翌日クビになった。

幼い頃より、両親には殊更大切に育てられた。

エヴィ嬢と同じ様に教育を施されてはいたが、本人はヤル気は無く、厳しすぎる教師は悉く辞めさせられた為、リンディ嬢もマナーや教養については疑問有り。

魔力無しである双子の姉のエヴィ嬢を、“役立たず”と呼んでいる。ソレに関して、両親が咎めたのは最初だけで、今では咎める事はない。

学校では、エヴィ嬢を貶めるような発言有り。且つ、自分は姉に無視されていると悲劇のヒロイン気取り。Bクラスに限り、信じる者は少なくはない。


王族、公爵との婚姻を強く望んでいる。

母親からは、ブレイン=アンカーソン様を勧められているようで、婚約者であり異母姉であるジェマ嬢に、何かしら仕掛ける可能性有り。


お気を付け下さい。




3、サイラス=ブルーム


ジェマ嬢とエヴィ嬢との接点は殆ど無し。

親の影響を受け、ほぼリンディ主義者。

ジェマ嬢とエヴィ嬢を虐げる事はないが、存在を無いものとしている。幾度か、家令や侍女長が窘めてみるも、改善するどころか、姉2人に対して嫌悪感が増したのみ。




4、ポーリーン=ブルーム


後妻ではあるが、恋愛による婚姻。

二属性持ちのエヴィ嬢と光の魔力持ちのリンディ嬢を生み、自尊心が高まった。

特に、光の魔力持ちのリンディ嬢を溺愛。何事にもリンディ嬢を最優先。エヴィ嬢が高熱を出し倒れた時も、元気だったリンディ嬢とのお出掛けを優先。その時、エヴィ嬢の治療が遅れ魔力無しになってしまったにも関わらず、魔力無しとなったエヴィ嬢を精神的に虐げ始めた。


後は、ドリュー様もご存知の通りです。





余談ではありますが、家令のケンジー、侍女長のエメリー、その娘のアリスは、エヴィ嬢が成人され独り立ちする際には、ブルーム邸から去る予定との事です。








「胸糞の悪くなる報告書を見るのは、久し振りだな……」


こんな事をしていれば、邸の守りが固くもなるわけだ。そう言う悪い事だけには頭がよく回るタイプ。逆に、甘いモノには弱いタイプだ。兎に角、これで、4人とも一纏めでやって良いと言う事が分かった。丁度、ゲルダンの()()王弟からリンディ嬢を迎えたいとの親書が届いた。纏めて……送ってやろう。真実は隠したままで。


「ん?」


報告書は3枚。それらとは違い、小さなメモ用紙が挟まっていた。そこには──




“ポーリーン夫人は、魔力無し”

“この事実を、フロイド伯爵は知らないようだ”





ー自身が魔力無しであるにも関わらず、同じ境遇の実の娘を虐げていたのかー


もう、この女には容赦する必要は無いだろう。伯爵が知っている知らないはどうでも良い。ゲルダンに行って、どう言う扱いをされるのか……私には関係の無い事だ。どんな扱いになろうと、自業自得なのだから。



「さて。先ずは…愚息とジェマ嬢の婚姻と、エヴィ嬢は……ローアン侯爵が喜んで迎え入れてくれるだろう」


ーまぁ……エヴィ嬢がローアン侯爵令嬢である期間は……短いだろうが………ー


王太子殿下の外堀り埋めは、ほぼ終わっている。


エヴィ嬢に同情しつつも、彼女なら何も問題無いだろう─と期待を抱きつつ、私はクズ親子の処理を進めて行った。





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