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(自称)我儘令嬢の奮闘、後、それは誤算です!  作者: みん


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49 新たな噂

書類上、ブルーム伯爵家から籍を抜き、ローアン侯爵の養女となってから1ヶ月が経ったけど、日々の生活に変化は無かった。


お互い、色々とバタバタと忙しく、養女になったにも関わらず、直接会って挨拶すらもできていない。

ローアン侯爵様からは、「生活環境を変える必要はないから、エヴィの好きなようにして良いよ」と言う趣旨の手紙をもらい、私は今でも寮生活をしている。それと、リンディ達がゲルダン王国に移住する迄は、“ブルーム”を名乗る事になっている。

姉も、婚姻については正式な発表はしていない為、卒業する迄は“ブルーム”を名乗り、今もローアン邸から学校に通っている。なので、「私もローアン邸から通いたい!」と言えば、姉と一緒に過ごせる時間は増えるんだろうけど、変に注目を浴びるのも嫌なので、今迄通りの生活スタイルを続ける事にした。



それから更に2週間が過ぎた頃、ようやくローアン侯爵と会う事ができた。


「やっと会えたね。私はアレクシス=ローアンだ。知っての通り、ジェマの伯父にあたる。そして、こっちが私の妻のリリアンだ」


「初めてお目に掛かります。私はエヴィです。宜しくお願いします」


この2人が、私の父と母になった人達。

アレクシス様は、姉のジェマとどことなく似ていて、姉と同じ金髪に碧色の瞳をしている。きっと、フリージア様もこんな感じの人だったんだろう。

リリアン様も金髪で、瞳は水色。少しふっくらとした体型の、ふわふわした感じの人だ。


「エヴィ─と呼んでも?」


「はい。どう呼んでもらっても大丈夫です」


「うん。エヴィの事は、ジェマからよく聞いていたから、私達としては初めて会ったと言う気がしなくてね。エヴィ……1人だったジェマの側に居てくれて、ありがとう。きっと、フリージアも喜んでるだろう」


そう言って、アレクシス様はフワリと優しく微笑む。


ーこれが、子を思う親なのかー


私が知っている父や母は、今迄こんな顔をして子の為にお礼を言う事なんてなかった。いつもそこには、貼り付けられたような笑顔しかなかった。

でも、アレクシス様の笑顔はとても優しくて温かい。


時々見る、殿下の優しい笑顔も温かい


「………」


ー何故、ここで殿下?ー


「それで、エヴィ─」


ん?と、首を傾げそうになった時、アレクシス様に名前を呼ばれて、そこで思考が途切れ、そこからはアレクシス様とリリアン様とたくさん話をした事もあり、その時思った事は、すっかり忘れてしまっていた。







改めて話し合った結果、ブルーム家が移住する迄は寮生活を続け、私が3年生に進級する時に、ローアン邸に住むと言う事になった。


「んー……多分、その方が()()だと思うんだ。おそらく、これから()()になると思うから」


と、アレクシス様は困った顔をして笑っていた。「何が?」と訊いてみたけど、「そのうち…分かるよ」としか教えてくれなかった。





それから更に1ヶ月が経った頃─


「今、噂になっている事、知ってる?」


朝、教室に入って来たメリッサが、挨拶もそこそこに、ニコニコしながら話し出した内容は─


「公の夜会ではなかったんだけど、ある夜会の時に、()()王太子が、とある令嬢をエスコートしながら入場したんですって!しかも、王太子の色のピアスを身に着けて!」


「あぁ、私もその噂は母から聞いた。まだ発表も何もないから、表立って騒ぎになっていないだけで、事は色々進んでるのではないかと言っていた」


どうやら、ルイーズも知っているようだ。


「へー。それじゃあ、殿下にも遂に婚約者ができたのかもしれないね」


殿下も今年で卒業だ。これまで婚約者の“こ”の字も出なかったのが、おかしいくらいだよね?でも、一体誰なんだろう?あ、ユナ様とか?アンカーソン様の幼馴染みで、生徒会役員もしてて、ハッキリ言う人だから、王太子妃になっても問題無さそうだよね。


「──って、これ、エヴィの事じゃないの?」


「──はい?」


「だって、その噂になってる令嬢の容姿がエヴィにそっくりなんだもの」


“琥珀色の髪で、少し小柄な令嬢で、他国の言葉にも堪能”


「えー?でも、琥珀色の髪色なんてよくあるし……それに、殿下の色のピアスなんて──────」


あれ?───ピアス???


そう言えば、着けた後確認できなくて、夕食会が終わったら確認しようと思ってたけど、結局色々あって………起きた時には、ピアスは外されてたんだっけ……あれ??


「…………」


「“ピアスなんて”何?どうしたの?」


メリッサが、少しワクワクした顔で私の顔を覗き込んで来るけど、今はそれどころではない。内心焦りつつも、何とも無いフリをする。


「ううん…何でも……無い事も無いけど…………兎に角、殿下と私の間には、婚約の話なんて……出てないから!」


「そうなの?んー……仕方無いなぁ。今はそう言う事にしといてあげるわ」


と、メリッサにはニッコリ微笑まれ、ルイーズにはクスクスと笑われた。



ー後で、ピアスを確認しなきゃ………だよね!ー





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