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(自称)我儘令嬢の奮闘、後、それは誤算です!  作者: みん


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41 夕食会③


夕食会は、アラバスティア国王の挨拶から始まり、今は会話を楽しみながら食事をしているところである。基本は着席して食事をしているが、自由に動いて色んな人と会話を楽しんだりもしている。この国での普段の夜会では考えられないが、相手はのんびりおおらか、自由なお国柄のレイラーン王国。このスタイルが普通なんだそうだ。


『失礼、あなたがエヴィ嬢でしょうか?』


と、私に声を掛けて来たのは、レイラーン王国の外交官の人だった。


『あ、はい。私が、外交のお手伝いをさせていただいている、エヴィ=ブルームと申します』


席を立ち、軽く頭を下げて挨拶をすると、『頭を上げて下さい!』と、焦ったように言われてしまった。

それからは、殿下から聞いていたように、お礼を言われて、レイラーン王国からもお礼としてフルーツを用意していますと言われた。それから暫く会話を交した後、外交官の人は、また違う人達の所へ挨拶をしに行った。


「エヴィ、お疲れ様」


と、隣の席に座っている姉が、スッと飲み物を渡してくれた。


「ありがとうございます」


ー姉は優しくて本当に気が利く人。良いお嫁さんにしかならないよね?ー


「あ、お姉様、そろそろデザートを取りに行きませんか?」


この食事会は、食事は順番にサーブされるけど、デザートはホールの壁側に配置されているテーブルの上に、色んな種類のモノが置かれていて、自由に取って良いようになっている。



「あ、桃のコンポートがある!桃のタルトもある!」

「エヴィ、良かったわね」


ー大好きな桃を使ったデザートがたくさんあって、嬉しいなー


と、いくつかのデザートをお皿に乗せて、席へ戻ろうとした時、リンディもデザートを取った後に、支給係に声を掛けてドリンクを受け取っていた。今の所、リンディはおとなしく食事をしている。


ーこのまま、何もなかったら良いけどー


姉と共に席に戻り、デザートを食べていると、リンディがこちら側に歩いて来るのが見えた。


「───────は?」


思わず出てしまった言葉に、慌てて手で口を抑えて姉を見たけど、姉には聞こえてなかったようだ。ホッ──としてる場合じゃない!気持ちを落ち着かせて、もう一度()()に視線を向ける。リンディが手に持っている二つのグラス。さっき、支給係から受け取ったドリンクだろうけど、二つのうち一つだけの方から、ピンク色が溢れているのだ。


ーピンクって何!?ー


今迄見たことがない色だ。ある意味、こんな可愛らしい?感じの色は見たことがない。濃淡の違いはあるけど基本は黒。いかにも“良くないモノ”と判る色だ。それが、ピンク。もしかして、逆に身体に良いモノとか?兎に角、そのピンク色が溢れている方のドリンクが、誰の手に渡るのか……それとも、リンディ自身が飲むのか……。リンディに気付かれないように、そのグラスに注意を向ける。


「ブレイン様。取って来ました」


「あぁ、リンディ嬢、すまない。ありがとう」


ーえっ!?アンカーソン様!?ー


って事は、多分、命に関わるようなモノではないだろうけど、良いモノでもないだろう。祓わなければいけないんだろうけど……。私は、そのモノに触れないと祓えない。ここでまた、我儘を言ってあのグラスを取り上げる?今のアンカーソン様なら、何か気付いてくれるかもしれない。でも、この場には、自国のアラバスティアだけではなく、他国の外交官も居る。目立たずにするには……どうすれば良い?


そうして、リンディが私の座っている席の近く迄来た時、私は咄嗟に、立ち上がる為に椅子を後ろに引いた。


「きゃっ──」


と、()()()私の後ろを歩いていたリンディに椅子がぶつかってしまい、リンディが手にしていたドリンクが零れて私に掛かってしまった。


「エヴィ、大丈夫!?」


姉が慌てて、私の状態を確認してくれている横で、リンディは怒っている顔をしている。幸い、ドリンクの色が無色透明だった為、服が濡れただけで、そこさえ拭いてなんとかすれば、着替える必要はなさそうだ。


ーあれ?ひょっとして、口に……入っちゃった!?ー


ただの水だったのか、味はしないけど、口元に少し掛かってしまったようで、少し濡れてしまっている。


ー祓ってないよね?毒では無いと思うけどー


「あ、リンディ……ごめんなさい。リンディに気付かなくて……リンディは大丈夫?」


態とだけど、申し訳無さそうにリンディに謝ると、怒り顔をしたリンディはハッとなって「わっ私はだっ……大丈夫よ!エヴィこそ、大丈夫?」と、リンディはかなり焦っている。


ー一体、何を仕込んでいたの!?ー


幸い、私達の周りの人は席には居らず、あちこち違う場所に居た為、私達の出来事に気付いている人は居ないようだ。


それにホッとした時、「エヴィ嬢、大丈夫か?」と、心配そうに声を掛けて来たアンカーソン様のその声を耳にしたとたん、私の体かゾクゾクと震え出した。



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