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転生ヒロインの学院生活  作者: 笛伊豆
第一章 始まりの部屋
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8.住まい

 徒歩ならどこから通っているかって?

 聞いてみたら、みんなコネで何とかしているそうだ。

 親戚や寄親のお屋敷とか、男なら騎士団の宿舎とか。

 学院の近くに宿屋とか商人のお屋敷があって、そこに下宿したりしている人もいる。

 学院は生徒の住まいまで世話してくれないからね。


 ちなみに本科の生徒もみんな同じだそうだ。

 うっかり寮とか造ってしまうと維持が大変だし、生徒に何かあったら学院つまり国側の責任になってしまうということで。

 合理的だ(泣)。


 私はというと、サエラ男爵様の寄親であるミルガスト伯爵様のお屋敷に下宿させて頂いている。

 というよりは居候かな。

 伯爵様は領地貴族なので王都にタウンハウスがあるんだけど、そのお屋敷の使用人宿舎の空き部屋が私の住まいだ。


 伯爵様にはもちろんお子様がいらっしゃって、末の令嬢は私より一つか二つ下で学院に通っていらっしゃるけど会った事も見た事もない。

 身分が違うから。

 男爵令嬢なんて伯爵家から見たら良くて侍女、普通はメイドなのよ。

 増して私は員数外というか、本当なら平民でしかない身分だからメイドでも分不相応なほどだ。

 働くとしたって下働き。


 それがまがりなりにも「お嬢様」と呼ばれて働きもせずに毎日学院に通っているんだから、さぞ風当りが強かろうと覚悟していたんだけど。

 そんなことはなかった。


 ミルガスト伯爵家は領主貴族としては中堅なので、タウンハウスの規模もそんなに大きくない。

 そこで働く使用人も少ないし、大部分は純粋な平民出身。

 だから庶子だろうが何だろうが貴族の血を引く上に貴族名鑑に登録されている私は「お貴族様」ということで、最初から一歩引かれた態度だった。

 というよりはそれとなく避けられた。


 それはそうだよ。

 平民が貴族なんかと関わっていいことは何もないしね。

 私も自分が平民だった時には貴族が見えたら逃げたし。

 大体、タウンハウスに常駐している使用人って伯爵家がそれでいいのか、と言いたいほど少なかったりして。

 だって仕事がない。

 そもそも伯爵家の人は普段は住んでない。

 今は学院に通うために末のお嬢様がいらっしゃるけど、それ以外は社交シーズン以外は皆無という話だった。

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