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転生ヒロインの学院生活  作者: 笛伊豆
第三章 育預

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72.贅沢しちゃう?

 うーん。

 この際、贅沢しちゃう?


「出来ましたら語学についてもお願い出来ないでしょうか」

 学院で隣国の言葉を習ってはいるんだけど、教授を囲んでお話しするだけなのよね。

 会話は何とかなりそうなんだけど文字が覚えられない。

 参考文献というか本もあんまりないし、あってもちんぷんかんぷんだし。

「もちろんだ。

 読み書きと日常会話だな、とりあえず」

「はい」

 本当はいくつか覚えたい外国語はあるんだけどね。


 テレジア王国はどちらかというと内陸国で、南の方は海に面しているけどそれ以外は他国に囲まれている。

 つまり隣国が複数ある。

 周りにある国はテレジア王国と似たり寄ったりの国力だけど、中には大国もあるのよ。

 ゼリナ王国とかライロケル皇国とか。

 ちょっと遠いけどシルデリアという国は最近名前をよく聞くし。

 ミストア神聖国とかの宗教国家もあって、高位貴族家は教会との関係もあってミストア語は必修らしいし。


 え?

 何でそんなに外国語を習いたがるのかって?

 だって私、ヒロインなのよ?

 私の前世の人が読んでいた小説では乙女ゲームの舞台になった国で「強制力」とかいう謎の力が働くことがあるらしい。

 しかもヒロインだの悪役令嬢だのは何かというと断罪されて修道院送りとか国外追放とかの目に遭う。

 修道院はまあいいとして、いきなり外国に送られて言葉が通じなかったら即詰みでしょう。

 だから外国語は覚えておきたいと。


「よろしい、よろしい。

 では学びたい事をリストにしてくれたまえ。

 手配しよう」

「ありがとうございます」

 私の前世の人の言葉でラッキー。


 晩餐(ディナー)を終えて部屋に案内された私は「何かございませんか」と聞いてくるメイドさんにお断りして閉じこもった。

 この客間、お付きの人のための小部屋もあるんだけど、私にはそんな人いないから気楽だ。

 ちゃんと独立したトイレや洗面所もあるのよ。

 ただ炊飯設備はないのでお茶とか飲みたかったら鈴を鳴らしてメイドさんを呼ぶしかない。

 困るけど慣れなきゃならないんだろうな。


 ちなみに私が晩餐(ディナー)に行っている間にベッドメイクがされていて、寝間着(ネグリジェ)や下着も用意されていた。

 さすがに着替えを手伝ってはくれないみたいだけど、これはむしろ気を遣ってくれたということだろう。

 私は孤児出身で男爵の庶子なのよ!

 人前では取り繕っても自分の部屋でくらいは気を抜きたい。


 早速着替えてみる。

 本物のネグリジェって久しぶりだ。

 男爵家では使っていたんだけど、王都に出てくるときにほとんど置いて来たんだよね。

 荷物を増やしたくなかったし。

 それに使用人宿舎でそんなもの着たらすぐに駄目になりそうで死蔵していた。

 さっき確認したらクローゼットの中にあったけど、今着ているものに比べたら哀しいくらい安物だ。

 孤児院出身の平民にしてみれば、それでも贅沢の極みだったんだけど。

 そこら辺の意識も変えていかなきゃならないんだろうな。


 お部屋には三面開きの巨大な鏡台もあった。

 自分を観てみたら……お嬢様がいる(泣)。

 あんまり意識してなかったんだけど、私って外見は可愛いらしい。

 小顔で華奢。

 ピンクがかった金髪で紫色の瞳。

 私の前世の人が想像(イメージ)していた乙女ゲームのヒロインそのものだ。


 特に瞳。

 前にも言ったけど、これってテレジア王国の王家の色なんだよね。

 高位貴族家の色でもある。

 王家から姫君が臣籍降嫁したり王子が公爵とかになってその子孫が貴族に嫁入り婿入りしたりしていくうちに、だんだんと高位貴族に広まっていったと。

 だから下位貴族や平民にはあんまりいない。

 私も孤児院や男爵領では自分以外に見た事無かったからね。

 しかも私は童顔で小柄だ。


 実際にはそうでもないんだけど着痩せするせいか華奢に見えるらしいし。

 なので大したことがない胸も比較的大きく見えたりして。

 何か露骨に乙女ゲームのヒロインってかんじ?

 全然そんなの望んでないのに!

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