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転生ヒロインの学院生活  作者: 笛伊豆
第一章 始まりの部屋
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5.授業などない!

 聞いてみたら否定された。

「自習という建前ね。実際にはご指導の方がいらしてくださって、個人的に学ぶ事になるの。

 それで、出来たと思ったら申し出ればテストしていただける。

 合格すれば本科に上がれるわけ」

 私よりいくつか年上の色っぽいお姉さんが教えてくれた。

「テストですか」

「口頭試問や実技ね。いくつか単位があって、全部合格すれば卒業」


 なるほど。

 確かに合理的ね。

 ここに入ってくる令嬢は入学テストに不合格になったんだけど、それぞれ不合格の理由が違う。

 知識不足だったり礼儀(マナー)がなってなかったり。

 なので、ご指導の方に個人的に教えて貰って後は自力で復習することになる。

「合格できなかったら?」

「出来るまで挑戦。まあ、どうしても駄目な人は退学というか、いつの間にか出てこなくなるけど」


 怖っ!

 要するにここで足切りされるわけか。

 さすがは王立貴族学院。

 出来ない貴族子弟は貴族になれない。


「ほら、いらしたわよ」

 お姉さんに言われて見てみると数人ドレス姿のおばさん……貴族夫人が入ってくるところだった。

 おばさんたちは、それぞれ別のテーブルにつく。

 すると生徒達がぞろぞろと並んだ。

「あれは?」

「色々ね。判らない所を聞いたりテストして貰ったり。

 自分から申し出ないと何もしてくれないわよ」


 なるほど。

 ということで、私はお姉さんの忠告で一番偉そうな貴婦人の手が空いたところで紹介していただいた。

(カーテシー)が成ってない」

 しょっぱなから怒られたけど、そういうものなのだそうだ。

 それはそうだよ。

 出来ないから教室(ここ)に居るんだし。


 ところでご婦人方がいわゆる「教師」ではない理由として、生徒に「指導」はしても「教育」はしないからだそうだ。 

 「教育」は家庭教師や学院の正規の教師の役目で、その方々は生徒が出来るまで教える。

 生徒が出来なかったり判らない事があったりしたら個人的に付き合ってくれたり。

 でもこのクラスに来て頂いている方々は、指導はするけど結果に責任は持たないらしい。

 具体的には、例えば礼儀(マナー)については実演してくれるだけで、生徒が出来るかどうかは気にして頂けない。

 生徒は自分で頑張って、何とかなったと思ったらご指導の方に見て頂く。

 駄目出しされたら不合格。

 まあ、いいでしょうという評価を頂けたらその単位をとったことになるとか。


「単位って」

「単元と言った方がいいかな。メダルを頂けるの。必要なものを集めたら学院の事務に提出して、それで本科に行ける」

 何とも合理的なことだ。

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