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転生ヒロインの学院生活  作者: 笛伊豆
第一章 始まりの部屋
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3.落ちこぼれました

 実を言えば、これは私が特に酷いということでもないそうだ。

 王国は広く、貴族家もピンからキリまで存在する。

 だから下位貴族の中にはそれこそ爵位を持っているだけで食っていくのが精一杯とか、普段は自分の畑を耕していて何かの祭典や儀式の時だけ貴族になる、というような家もあるらしい。


 サエラ男爵家は地方とはいえ中堅の街とそれなりの広さの土地を統治してるくらいで、むしろ恵まれている方だ。

 もちろん本当の領地貴族ではないので代官という立場だが、それでも平民から見たら紛れもなく「お貴族様」。

 なので私も「お嬢様」と呼ばれる。


 男爵の下の身分である准男爵とか騎士爵とか、あるいは爵位はないけど何となく貴族名鑑に登録されているとかいう家もあって、そういった家では敢えて爵位を返上したり平民として暮らしている所もあるそうだ。

 嫡男以外は平民として育てることも多いとか。

 テレジア王立貴族学院は国が運営している機関だから学費は安く抑えられていると聞いているけど、それでも結構な金額になるらしい。

 だから下位貴族家が子弟を学院に送るためにはそれなりのリターンがなくてはならないし、そもそも入院させてついていけなかったら大恥どころかその貴族家の名誉に関わるわけで。


 なので子弟には出来るだけの教育を与えてから送り出すわけなのだが、ギリギリ貴族の体面を保っているような下位貴族家の子弟は哀しいことに最低限度の教育しか受けていない場合が多いらしいんだよ。

 私は家には余裕があっても教育期間不足で残念なんだけど。

 純粋にお金がなくて家庭教師を雇えなかったとか、そもそも平民に混じって働いていたとかいう子弟も多いと聞いている。


 やっと余裕が出来て入学してきたとか、平民のつもりだったんだけど王国から入学しろという命令が下って否応なしに入学する人なんかもいる。


 そういう人たちでも貴族名鑑に登録されている以上、学院は王国の貴族として教育しないわけにもいかない。

 だから生徒は入学前に試験を受ける。

 これはその生徒の現時点での実力を測るためのもので、どんなに出来なくても(白紙答案でも)不合格ということはない。

 私も半分くらいは答えられなかった(泣)。


 でもその結果によって生徒は足切りされて、一定以下の点数しか取れなかった者は「基礎教育」を受ける事になる。

 この集団がある意味クラスと言えるかもしれない。

 誰も言わないけど「落ちこぼれ」だよね。

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