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転生ヒロインの学院生活  作者: 笛伊豆
第十章 盟主

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367.お付き

 まあ、私にはどうでもいい。

 何せ私は一学生、いや研修生(インターン)でしかないのよね。

 しかも目標も期限もないから極端に言えば遊んでいてもいいという。

「そうはいかん」

 復活したメロディが目を光らせた。

「何させる気?」

「内部統制だ。

 学院みたいな閉じた組織は情報の隠蔽が容易だからな。

 外部からでは何が起きているのか判らなくなる」


 それはそうかも。

 私の前世の人の学校でも虐めとかの問題があった。

 学生の間で何か問題が起こっても外からではよく判らないし、なぜかみんなで隠そうとするのよね。

 教師というか運営側も(おおやけ)になったら自分の失点になるから穏便に済まそうとして結果的に隠蔽に加担するし。

「つまり私に諜報員(スパイ)になれと?」

「マリアンヌだけじゃないぞ。

 監視員はそれなりに配置する予定だ。

 それに巫女を危険にさらすわけにはいかん。

 マリアンヌ自身に嗅ぎ回れとは言わない。

 司令塔というか監査役だな」

 よく判らない。


「つまり、本当に動くのはマリアンヌのお付きだ」

「私のお付きって?」

 何か嫌な予感がするけど。

 数日後にその正体が判った。

「お久しぶりでございます」

「エリザベス」

 私のサポートキャラが学院の制服を着て立っていた。

 それだけじゃなくて背後に十数人いる。

「その人達は?」

「「「お目にかかれて光栄でございます。

 盟主様」」」


 エリザベスは私の何とかいう侍女だったはずなんだけど、いつの間にか出世していたらしい。

 この人たち、明らかに部下くさいのよね。

 しかも淑女だけじゃなくて殿方もいる。

「マリアンヌ様の護衛要員(ガーディアン)でございます。

 僭越ながら同級生(クラスメイト)や同僚として」

 さいですか。

 それはそうかも。

 私はテレジア王国の男爵子女として学院に通うわけだし、正体を知っているのはごく一部だ。

 特に学生たちはまさか連盟の盟主が研修生(インターン)として自分たちの側にいると気づくはずが無い。

 ということは連中にとって私は下位貴族の令嬢にしか過ぎないわけで。

 ちょっかいをかけてくることも十分考えられる。


「なるほど」

「もちろんここにいる者共だけではございません。

 学院長(メロディアナ様)はもちろん学院幹部の大半はマリアンヌ様のことをご存じですし、(おおやけ)には無理でもそれとなく牽制致します。

 それでも万一を考えると」

「判りました。

 エリザベスは私についてくれるのよね」

「御意」

 みんなの前だから配下モードか。

 頭が切れることは間違いないし、もともと乙女ゲームのサポートキャラだものね。

 適役かも。


「判りました」

 ということで解散。

 思ったより大事になっているみたい。

 ホイホイと学生になって学院に通うというわけにはいかないのか。

「来月、入学式があるから」

 メロディがこともなげに言った。

 あんたねえ!

 少しは心の準備をさせろよ!

「いいじゃないか。

 どうせ暇なんだろう?」

「そういうことじゃなくて」

 もういいよ。


 しばらくすると私の制服が届いた。

 当然だけど私の前世と違って学院の制服といえどオーダーメイドだ。

 つまり私にぴったり合っている。

 姿見に映してみたら、何か凄く既視感があるような?

「可……お綺麗でございます」

 ロメルテシア様がうっかり口を滑らせた。

 可愛いと言いかけたな。

 何せ桃髪(ピンクヘアー)のブレザーだからね。

 ミニスカじゃなくて足首まで隠れるロングスカートだけど。


 こういう制服って私の前世の世界にあった絵物語(アニメ)にも出てきたような。

 上流階級のお嬢様たちが通う女子校の制服がこんなんだった。

 お姉様が後輩に「タイが曲がっていてよ」とか言って直してやったりして。

 いやいやいや!

 私の桃髪(ピンクヘアー)が全部ぶち壊しにする。

 私の外見って一見、いかにも私の前世の人の絵物語(アニメ)に出てきそうなヒロインみたいなものだし。

 ん?

 何かもの凄く嫌な予感が走った気がして背筋が凍ったけど気のせいよね?

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