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転生ヒロインの学院生活  作者: 笛伊豆
第二章 学院本科

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32.実績重視

「前に貴族社会は学院を卒業してない貴族を認めないと言ってなかった?」

 聞いてみた。


「まず、そもそも学院には『卒業』という制度はない。

 近いのが『修了』だけど、実際には大抵の人は『退学』する。

 重要なのは学院に通うことじゃなくて、講座でメダルを頂けたかどうかね」

「ああ、なるほど」

「だから講義や実習を受けなくても担当教授に試験して貰って実力があると認められればいいわけ。

 領地貴族の嫡男なんか小さい頃から忙しくて学院に通っている暇なんかないからね。

 領地が遠ければ尚更。

 なので、自分の領地で家庭教師について実力をつけてから学院で試験して貰うの。

 受かれば学院に通ったのと同じ評価を頂ける」


 私の前世の人の記憶にあった「スキップ」という奴か。

 確かに家庭教師について学んだ方が効率がいいし、その人が合格を出したのなら学院でも通用するだろうな。

 お金がかかるけど。


「なるほど」

「学院で学べるのは初歩だからね。

 むしろ領地経営とか特産品とか農地改革とかだと学院では教えられないから、そういう実績を示せばメダルは貰えるそうよ」

「とことん実績重視と」

「それはそうでしょう。それがない人のための学院なんだから」


 耳が痛いなあ(泣)。

 ということはサエラ男爵家の方々も同じなわけね。

 次男や長女は学院に通って卒業、じゃなくてメダルを頂いて退学したと。

 今婚活の真っ最中だ。


「そうか。領地を継げなかったり仕事がなかったりするから学院に来る訳か」

「そうそう。学院(ここ)で将来の仕事に必要なことを学ぶと同時にコネを作る」

「じゃあ、高位貴族家の子弟の方はどうして学院に来るの?」

「やっぱりコネと、それから知己を得るためじゃないかな。

 ほら、将来王宮や政府に仕えるにしても派閥とかあるから」


 ああ、そういうことか。

 将来に備えて今のうちから準備しておくわけね。

 そこの所は高位も下位も一緒か。

 あれ?


「でも学院って高位貴族と下位は完全に分かれているって言わなかった?」

「接触するための機会がある。教育(カリキュラム)に含まれているし、あとお茶会とかパーティとか舞踏会とか。

 ダンスの授業なんかそれそのものよ」

 ああ、そういうこと。

 あれってお友達と仲良く、じゃなかったのか。


 私の前世の人の記憶だと学院の同級生(クラスメイト)なんかと楽しく遊んでいたみたいだけど、むしろ仕事というか授業の一環らしい。

「学院が催してくれるの?」

「場所と機会を提供してくれるだけね。例えばお茶会は生徒が申請すれば許可が出る。

 パーティなんかも可能らしいわ。まだ見た事無いけど」

「なんで?」

「パーティや舞踏会を主催出来るくらいの貴族家なら自分のお屋敷があるでしょう。

 それがないような家は最初から無理だから。もっとも」

 エリザベスはにやっと笑った。

「うちくらいになれば可能だけどね。

 どう?

 やりたいのなら手を貸すけど?」


 無理。

 ていうか意味がない。

 私がパーティを主催してどうするのよ。

 男爵家の庶子だよ?

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[気になる点] >それから知古を得るため 知古(チコ)はボーッと生きてんじゃねよと怒る女の子 知己(ちき)は親友、友人、知人の事
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