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転生ヒロインの学院生活  作者: 笛伊豆
第一章 始まりの部屋
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2.格差社会だし

 むしろ年齢に関わらず、同程度の能力を示す人を一緒に教育した方が効率的ではないだろうか。

 ヒロインの前世の世界では、なぜかそんな当たり前の事実が無視されていて、子供はある一定の年齢になると強制的に集められて「学校」とやらに通わせられていたらしい。

 しかも同じ日から。

 それが「学年」ということだけど、特に子供の頃って同じ歳でも成長度合や能力が全然違うよね。

 事前の教育の問題もある。 

 テレジア王立貴族学院は貴族の子弟専用の教育機関だ。

 そして貴族家は自らの「家」の存続を少しでも確実なものとするため、子弟をできる限り鍛え上げる。

 男子だったら体力面を、女子なら礼儀(マナー)を。

 もちろんそれ以外の教養や知識、あるいは実務的な技術なども必須だが、そういうものは貴族家ごとに千差万別なので比較の対象にはならない。

 とにかく貴族家としては、子弟次第で未来の自家の浮沈が決まるわけで、力が及ぶ限り教育することになる。

 テレジア王立貴族学院の入院前にも。


 そして貴族家には明らかな格差がある。

 王家や高位貴族家と下級貴族の間には深くて広い溝があるのは当然だ。

 経済的にもコネ的にも身分的にも。

 そして、それはそのまま子弟の教育の密度に反映される。

 そう、生徒はテレジア王立貴族学院の入院時点ですら、あらゆる点で千差万別なのよ。


 例えば(ヒロイン)

 元はと言えば教会の孤児院で育った孤児で、教育と言えば最低限の読み書きどころか自分の名前を書ける程度しか受けていなかった。

 サエラ男爵様に引き取られてから促成栽培で叩き込まれたけど、最低限の礼儀(マナー)や初歩の淑女知識、それにダンスのステップ程度がやっとだった。

 もっと時間をかければもう少し何とかなったかもしれないけど私は既に15歳だ。

 貴族社会の女性の旬は短い。

 高位になればなるほど婚約の年齢は下がる。

 婚姻は色々あって複雑だけど。

 とにかく貴族なら15歳と言えば婚約どころか既に輿入れしていてもおかしくない年齢なのよ。

 これ以上待っていたら私は嫁き遅れになってしまう、という限界が迫りつつあり、見切り発車でテレジア王立貴族学院に入学することになったわけで。

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