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転生ヒロインの学院生活  作者: 笛伊豆
第九章 巫女

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298.国際親善

 あー、そうね。

 王女だったら普通は一人で泊まる。

 お付きや護衛は周りに居るけど、誰かと親しくお話するなんてことは無理だ。

 でも今回は同じ王女たちが周りに居て、どんなに親しくお話ししても咎められない。

 国際親善と言い張ればいいんだから。

 よって女子高の修学旅行みたいな状態になってしまったと。

 いいなあ。

 私も混ざりたい。


「いけません」

 ロメルテシア様に断られてしまった。

「この時点でどなたかと過度に親しい様子をお見せになることはご遠慮して頂きたく。

 後々面倒になります」


 そういうロメルテシア様とかメロディはどうなのよ、と言いたかったけど我慢した。

 確かにこの人達は別格だけどね。

 何せ使徒と隠れ巫女だ。

 ミストアにおいては最高位と次席。

 世俗の身分も最高位だから無敵だ。


 ということで私は大人しく寝ることにしたのだった。

 ほとんど運動してないから寝られるかどうか不安だったけど問題なかった。

 夜明け前には目が覚めたけど。

 私、寝付きも寝起きもいいのよね。

 高血圧なのかもしれない。


「おはようございます」

 専任メイド(グレース)の溌剌とした声で覚醒する。

 目覚まし時計そのものかも。

「おはよう」

「湯浴みの用意が出来ております」

「わかった」


 ということで私は全身を洗われ、居間(リビング)で髪を乾かしながら朝食を摂った。

 ここは宿舎(ホテル)なのでアフタヌーンティー風じゃなくて普通の朝餐(ブレックファースト)だったけど。

 高位貴族は毎食が餐なのよね。


 専任侍女(サンディ)が来たので聞いてみた。

「今日の予定は?」

「御用船の整備点検や護衛の手配に今しばらくかかるとのことで、本日の出発は延期になったとのことでございます」

 暇になってしまった。


「なら観光とか出来ないかな」

「……確認して参ります」

 さすがのサンディでも即答は出来なかったみたい。

 どこかに去ってしばらくして戻ってくると教えてくれた。

「許可が出ました。

 護衛の編成を行いますので、昼食後からならと」

「良かった。

 お願いするね」

「御意」


 思いがけず観光出来る事になってしまった。

 ラッキー。

 あ、これは私の前世の人の言い方で、幸運という意味らしい。

 朝食の後のんびりしていたらロメルテシア様とメロディが連れ立ってやってきた。

「観光するんだって?」

「もう聞いたの?」


 それはそうか。

 この二人は私のお付きというか側付きを自認しているから予定(スケジュール)を知らないはずがない。

(わたくし)も同行させて頂きます」

「私はちょっとやりたいことがあるから」

 まあ、予想通りだった。


「ちなみに王女様方は?」

「それぞれご希望通りにするみたいだよ。

 今更観光もないとか言っている方もいるし」

「じゃあバラバラか」

「護衛の問題もあるから、いくつかのグループに分かれるそうだけど」


 なるほど。

 私に絡もうとしてこないのはちょっと意外だ。

「マリアンヌの邪魔はしたくないんだろう。

 ああ見えてみんな社交の達人だからね」

「ここまできてマリアンヌ様のご不興を買ったら台無しでございますので」

 そんな風に思われているのか。

 私の方こそ皆様のご不興を買わないかと戦々恐々なのに。


「滅多にない機会だ。

 というよりは空前絶後かもしれない。

 楽しんできて」

 メロディは無責任に言い放って去った。

 うーん、あの人ってマジで私の前世の人の世界に流行っていた小説(ライトノベル)のヒロインみたいだな。

 少なくとも私なんかよりはよっぽど女主人公(ヒロイン)っぽい。

「そういえばロメルテシア様もここは初めてなのよね」

「はい。

 楽しみでございます」

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