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転生ヒロインの学院生活  作者: 笛伊豆
第九章 巫女

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263.出撃

 そうか。

 お客様の中には王女が大量に混じっているのだ。

 公爵でしかない私が格下なのは判る。

 下手をしたら脇役、いやむしろ道化役にされかねない。

 だからガツンと?


「判った」

「それはようございました」

 恭しく言って頭を下げる専任侍女(サンディ)

 多分、サンディ自身じゃなくて誰かの入れ知恵なんだろうな。

 ルミア様とか。

 ひょっとしたらコレル閣下?

 まあいい。


 納得したところで改めて自分の姿を点検する。

 何度見ても私の前世の人が観ていたアニメに出てくるゴスロリヒロインだ。

 濃い紫を基調としたドレスで要所要所につけられた無意味なリボンやレースが何とも言えない効果を醸し出している。

 痛い。

 髪の毛が桃色(ピンク)なのがマジでアニメヒロインみたいで痛すぎる。

 厨二病患者のコスプレだ。

 メロディに見られたら何と言われるか。


「素敵でございます」

 専任メイド(グレース)が感極まったように言ったけど、アンタもいい加減病んでるなあ。

 外見的に病んでいるのは私だけど。

「やはり。

 殿下はそちらの方がお似合い、いえ本性なのですね」

 ユベニア様、じゃなくて社交侍女のユベニアが嬉しそうに言うけど、馬鹿にしてない?


「とんでもございません。

 やはり(わたくし)共の目は確かだったと感服しているところでございます」

「そうですわ。

 初めて殿下にお目にかかった時に直感致しました。

 この方はただ者ではない、と」


 サラーニア様まで。

 初めてというとあれか。

 ミルガスト家のご令嬢の紹介でユベニア様のお茶会に参加した時だな。

 孤児院上がりの男爵家庶子がいきなり高位貴族令嬢に囲まれて生きた心地がしなかったんだけど。

「まさかこんなことになるなんて」

 思わず呟いてしまったら言われた。


「なるべくしてなったお立場でございます」

「しかもまだ終わっておられないどころかむしろ始まったばかりかと。

 我々も非力ながら御身のさらなる飛躍のお手伝いをさせて頂きたく」

(わたくし)共はどこまでも殿下に従ってまいります」


 利用し尽くそうとしているようにしか思えないけど。

 でも非力な私には少しでも多くの「力」が必要だ。

 しょうがない。

「これからもよろしくお願いしますね」

「「「「お心のままに」」」」

 いい加減、何とかしてくれんかね(泣)。


 そんなこんなで居間(リビング)につれて行かれてパーティ開催まで待機だ。

 もうお腹がすいてきたのでクッキーなどを食べる。

 本当はポテトチップとか食べたかったんだけど、食い過ぎるとおならが出ると言われて我慢だ。


 ちなみにこの世界、食卓には普通に21世紀日本にもある料理が並ぶのよね。

 パンはもちろんお米もある。

 うどんや蕎麦みたいなものまであったりする。

 高火力や特殊な調理が必要なものはさすがにないけど、特におイモ関係のメニューは充実している。

 フライドポテトやじゃがバターなんかもう庶民も当たり前に食べていたりして。


 調べて見たらミストア神聖国やその他の国の文化が大陸中に伝播したものらしい。

 つまり、これまでにも転生者が結構いて食べ物を開発したんだろうな。

 特におイモはミストア神聖国発祥ということになっていて、色々なバリエーションの芋料理が開発されている。

 それどころかいくつかの国では主食になっているらしい。

 私もおイモが好きだから嬉しかった。

 それに比べてクッキーとかはイマイチなのよね。

 誰か改良してくれないものか。


「時間でございます」

 家令(ヒース)が来て言った。

 やっとか。

「では」


 そして私は大名行列を引き連れてパーティ会場に向かった。

 離宮(タウンハウス)はお城なので、舞踏会を開くための広いお部屋がある。

 天井にはシャンデリア、壁にはいやというほど大量の灯り(ランタン)

 舞踏会は基本的に夜開かれるため、灯りは必須だ。


 増して会場は離宮の中心に位置していて窓がない。

 これはお城の構造上仕方がないことで、壁に窓など作ったら強度が減るかららしい。

 だから、私の前世の人が観ていたアニメなんかで踊った後にバルコニーで涼むとか、そのまま庭園に行くとかは出来ない。

 そういうのは迎賓館でやるそうだ。

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