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転生ヒロインの学院生活  作者: 笛伊豆
第一章 始まりの部屋

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25.貴婦人もきつい

「それだけ?」

「だけって、結構大変よ?

 旦那様が外で働いている間、お屋敷を維持しないといけないんだから。

 予算管理や人事もしないといけないし。

 後は社交ね」


 うわー。

 それってなまじの仕事よりきつくない?

「きついわよ?

 自分だけの力でやろうったって無理」

 それはそうだよ!

 ではどうするのか。

「命令する。

 旦那様から代理権限を頂いて、執事に」

 さいですか。

「でも何をどうやって」

「だからある程度は知識を得ておく必要がある。

 少なくとも状況を理解出来る程度にね。

 細かい所は後でいい」

 そうきたか。

「社交は社交秘書雇って、後は実家のコネとかね。

 と言っても私も貴族の社交に詳しいわけじゃないから」


 その割にはよく知ってるなと思ったら、エリザベスは幼い頃から親にくっついて色々な貴族家に行っていたそうだ。

 親たちが商談している間、その貴族家の子供と遊んだりしていたという。


「そんなこと許されるの?」

「むしろ商売のお相手の貴族から求められるのよ。

 貴族子弟って箱入りで育つから人見知りになる。だから少しでも多く他の貴族家の子供と付き合わせて慣れさせたいらしくて」

 高位貴族の子弟は基本的に外出しない。

 危険だから。

 ぶらぶら出歩いていたらあっという間に誘拐される。

 だからある程度大きくなって自分で自分を守れるようになるまでは、それはそれは大切にお屋敷の中だけで育てられるらしい。

 なのでどうしても世間知らずでボッチになりやすいから、親としてはよその子供と接触させる機会は逃したくない。

 よってエリザベスみたいな「安全な」子供は歓迎されるという。


「見下されたりしなかった?」

 聞いてみたら少しはあったらしい。

 でも子供だから身分なんかよく判らないからね。

 増してエリザベスは男爵家とはいえ富豪の令嬢だから、なまじの貴族子弟より着飾っていてむしろ圧倒していたとか。


「だから私は今でも王都の侯爵家とか伯爵家の子弟とは顔なじみなのよ。

 結婚対象としては考えられないけど、友人枠は維持(キープ)している」

 凄い人だった!

 さすがはヒロインのサポート役。

 ていうかむしろエリザベスがヒロインやった方がいいのでは。

「そのヒロインというのが何なのか知らないけど、私のコネはあくまで商売上の結びつきよ。

 一線を踏み越えたら信用に関わるから絶対にやらない」


「結婚は?」

 やはり気になる。

「商売上の繋がりで決まるでしょうね。貴族相手はまあ、ないんじゃないかなあ」

「そうなの?」

 エリザベスは可愛いし性格も悪くないし、顔が広くて社交的だから貴族家に嫁入りしても上手くやっていけそうだけど。

「私は商人として育てられたからね。

 今更貴族の奥方は無理。そういう勉強してないし、なったら今まで培ってきた知識やコネが無駄になる」

「そうか。貴族家の奥方って商売しないのか」

「する家もあるけど。うちなんかそうだし。でも、そういう家ってよその貴族家からは嫁を取らないから」

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