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転生ヒロインの学院生活  作者: 笛伊豆
第九章 巫女

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255.属国化

「仕方がないか。

 でも私は出なくてもいいのよね」

「そうでございますね。

 当日は離宮(タウンハウス)にてお祝いすると聞いております。

 国外からの参加者もそろそろご到着になられていて」

 え?


「外国からお客様が来るの?」

「当然でございます。

 ゼリナを初めとしてハイロンドやライロケルは貴顕のご参加が予定されていると聞いております。

 現在、客間を大車輪で整備中とのことで」


 たかが公爵の誕生日に、というわけではなかろう。

 間違いなく母上や祖母上が絡んでいる。

 ていうか、お二人ともご自分が来そうだ。

 ゼリナはどうかな。

 私の親類ではあるけど面識はないし。


 いや逆か。

 面識がないからこそ、この機会は逃せないと思っているのかも。

 まあいいや。

 私には関係ない。

 そう思っていたんだけど、翌日専任侍女(サンディ)に連れて行かれた衣装部屋(ドレッサールーム)に大量のドレスがあった。


「これは?」

「殿下のお誕生日用ドレスでございます」

「こんなにたくさん作ってどうするのよ?

 公爵家の財産は無限じゃないのよ?」

 我ながらみみっちいけど、孤児院時代は1枚の銅貨を何日持たせるか、というようなサバイバルやっていたからなあ。

 無駄は大嫌いだ。


「いえ、これらはすべて贈り物でございます」

 平然と応える専任侍女(サンディ)

「贈り物って」

「こちら3着が国王陛下御自ら。

 こちらは王妃殿下と王太子妃殿下の共同贈呈でございますね。

 公爵家からはそれぞれ一着ずつ贈呈されております。

 ちなみに誤解されたくないからということで、王太子殿下は当日、王家の筆頭料理人を派遣すると連絡が」


 何よその「誤解」って。

 母上の件もあって色々と精神的外傷(トラウマ)になっているのかも。

 何せ、私のデビュタントの時のエスコートも嫌がって国王陛下に押しつけたくらいだし。

 まあしょうがない。


「どうするの?」

「これらのドレスは一度は着て頂きたく。

 せっかく贈ったのに袖も通さずに死蔵するということは」

 何か乙女ゲーム小説の塩対応みたいな話になってきた。


「でも、本番ではこんなに着られないよ?」

「国王陛下から贈られたドレスで登場し、お色直しということで途中で王妃殿下と王太子妃殿下のドレスに着替えれば良いかと」

 身分から言ったらそれが妥当か。

 でも着られないドレスが多すぎる。


「一言お声がけして、後日に謁見の時にでもご使用になられては」

「なるほど」

 普段着、いや謁見用として使うからヨロシク、ということか。

 実際問題としてそうするしかなさそう。


 改めてずらっと並んで釣られているドレスを見てみたら、見事に全部がテレジア公爵家の色だった。

 テレジア公爵家は元王家ということで、何となく「王家の瞳」に合わせた(カラー)がトレードマークになっている。

 これは現王家も一緒なんだけど、テレジア公爵家は少し薄い紫色だ。


 ぱっと目には王家のカラーと違いが判らないんだけどね。

 なので私の勝負服(ドレス)は基本的に紫色がベースなのよね。

 もちろんバリエーションはあるし、デザインについては何でもアリなんだけど、それでも色は同系統。


「それにしても、よく被らないでこれだけ揃えたわよね」

「王家および公爵家で情報共有されたとのことでございます。

 当然でございますが、ゼリナやハイロンド、ライロケルにも筒抜けで」


 もはや開き直っているのでは。

 テレジアって既に外国の属国化しているのかもしれない。

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