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転生ヒロインの学院生活  作者: 笛伊豆
第一章 始まりの部屋

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15.貴族は働けない

 私の場合、「休日」は伯爵様の関係している教会や孤児院にお手伝いに行く事にしている。

 高貴なる義務(ノブレスオブリージュ)を果たすというか、少しでもお役に立てたらということで。

 だって他にすることないのよ。


 平民だった時は時間があれば色々と動いて稼いでいたんだけど、貴族令嬢が働くなんてとんでもない。

 そういうことは下々の役目ということで、やってはいけないことになっている。

 私の前世の人の記憶だと、小説の中では貴族令嬢が学園の食堂でバイトしたりしていたけど、頭沸いてるとしか思えない。

 自分だけじゃなくて実家の貴族家の恥になってしまう。

 良くて退学させられて領地に隠蔽、悪ければ始末されても不思議じゃない。


 大体、そんなことしたら貴族が平民のお仕事を奪ってしまうことになるじゃない。

 前世の人の世界では身分がなかったらしいから、そういう馬鹿げた発想が平気で横行していたんだろうな。

 そこら辺は男爵家の貴族教育で叩き込まれたから、私も働こうなどとは思わなかった。

 なので点数稼ぎに勝手知ったる孤児院のお手伝いなどをやっている。

 神父様やシスターには重宝がられていたりして。


 だって普通の貴族令嬢では出来ないようなことも平気でやるから。

 きかん坊な孤児をこっそり殴るとか(笑)。

 あいつら、根本は獣だからね。

 殴って従わせるのが一番早い。


「いてぇな! 本当に貴族のお嬢さんなのかよ!」

「もちろんよ。殴ってるうちが花だからね。これ以上厄介かけるようなら捻り潰すよ?」

 これで大抵は大人しくなる。

 もちろん伯爵家には秘密にして頂いているので文句は出ていないはずだ。

 それどころか「サエラ男爵令嬢は孤児達の扱いが上手い」という評判を頂いてしまった。

 おかげでその他のご用、例えばバザーで売るための刺繍などを遠慮させて頂けている。

 助かった。


 驚いたことに、私にはお小遣いが出ている。

 もちろんこれも貴族子弟としてのメンツを保つためで、ちょっとしたおやつや小物を買ったり、仲間内で奢りあったりするためのものだ。

 アクセサリーとかも必要だし。


 とにかく貴族というものは舐められたら終わりということで、男爵家といえど平民とは違うのだと普段から示さなければならないと教えられた。

 ちなみにドレスなどが必要な時は執事の人にお願いすればサエラ男爵様に連絡を取って貰えるし、何なら直接お手紙を書いてもいい。

 男爵様は私に甘いので、通学用のドレスなどはすぐに仕立てて貰える。

 というよりは自分でドレスのお店に行って注文するんだけど。

 お店の人が来たりはしないわよ?

 そういうのは高位貴族やお金持ちだけだ。

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