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転生ヒロインの学院生活  作者: 笛伊豆
第一章 始まりの部屋

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13.地雷?

 実際、エリザベスは既に何度もそういう集まりに出たことがあって、若き殿方相手に商売知識で圧倒しているらしい。

 お相手はたじたじだとか。

「まあ、まだ早いから気長にやりなさい。声がかかるのは礼儀作法(マナー)が認められてからだから」


 エリザベスによると「始まりの場所」で頂いたメダルは基礎教育に何とか及第したというだけで、本科で舞踏会だのパーティだのに呼ばれるには不足だそうだ。

 お茶会での礼儀やダンスなんかも担当教授が頷かないと招待状が来ないらしい。


「え? 自由参加じゃないの?」

「当然でしょう。礼儀(マナー)がなってない者に更にその先の実習をさせる意味はない」

 ああ、そういうことか。

 パーティだのお茶会だのと言っても学院が主催する以上、それは授業なのか。

 厳しい。

 と同時に合理的ではあるなあ。

 つまり学院というか王家は貴族候補生にそこで大いにしくじれと言っているわけだ。

 いきなり本番のパーティや舞踏会なんかに出て、知識不足や経験不足で致命的な失敗をする前に練習しろと。


「凄くいいお話ね」

「でしょう? ついでに言うとそういう催しは学院内だけのことだから、どんな馬鹿げたことをしでかしても外部には漏れないのよ。

 まあ、噂くらいは流れるけど」

 それは仕方が無い。

 でもエリザベスによれば、貴族家の皆さんも昔学院で同じ経験をしているのでかなり寛容だそうだ。

「もちろん本番でやったら顰蹙買うけど」

「練習させて貰ってそれなら仕方がないか」

「そう。だから貴族社会は学院出しか貴族として認めないわけ。

 まあ例外はあるけどね。

 他国から嫁いできたとか、平民だったけど授爵したとか」

「ああ、それは」


 そういえばエリザベスのお父上ってまさにそれに当てはまるのでは。

「うちの親父殿のこと?

 何でも平民が授爵したら王宮に呼ばれてご指導を受けるそうよ。

 それを拒否することも可能だけど、そんなことしたら社交は全滅だから」

 やっぱり厳しいな。

 貴族である、ということは全部自己責任なのか。

 王宮は手助けはしてくれてもご親切に指導はしない。

 破滅するならご勝手に、ということだ。

 それは貴族全体に当てはまる。

 多分王家も例外じゃない。


「大変よね」

「そうね。学院が出来る前はメチャクチャだったらしいわよ。舞踏会で婚約破棄した王族がいたとか」

 本当にいたのか!

 てっきり私の前世の人の記憶だけかと思っていた。


「その方はどうなったの?」

「ご本人だけじゃなくて王家自体が傾いたそうよ。

 貴族全体からそんな事をやらかすなんてどういう教育していたんだ、という反発を食らって。

 国王陛下は退位、次の国王は傍系の公爵家から出た」

「うわあ」

「今の王家とは違う家系の話だから歴史に載っているわ。

 誰も話題にしないけど知らないと恥をかくから、今度調べときなさい」

「そうする」


 やっぱり地雷だらけだった。

 こういう知識って難しいのよね。

 普段はみんな知らないふりをしているけど、本当に知らないといつか地雷を踏み抜くかもしれないし。

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