二年後
-2年後-
軽トラ走らせながら里の子供と先々代魔王を連れて港へ行く。
海で魚釣りしながら、3階層を4階層に下げて新3階層を作るかの相談らしい。
治癒魔法なら老人たちが使えるので大けがしなければ喧嘩しろのスタンスである。
いまでは金貨10枚・エルフの果実・ドワーフ製の武具・大量の肉塊・魔力が高まる酒・若返りの実が毎月送られてくる。
ここに住んでるからなのか、ここの収穫物は送ってくることはない。そりゃ米食えるんだから離れられるわけがねえ。
最近、味噌や醤油が作れるようになったとか聞いたから余計にだ。
金貨・武具は先々代に、エルフの果実・肉塊・酒は里で共有
若返りの実自体の話は鬼族から聞いていたので鬼族だろうと確信はしている。
渋柿のように渋いんだよこの実・・・。干し柿のようにならないから余計に厄介なんだよ。見た目は桃っぽいのに・・・。
魔族の爺さん婆さんは食べれたのになんでだ・・・。
今日もこの里は平和です。
多分、サキュバスたちが馬と交尾してるけど、子供の前ではやるなよと注意しておいたから大丈夫だろう。
魔王の愚痴
人間の王は自滅気味のようだ・・・。
宮廷魔術師の質は落ち続け、今では魔法が使えればなれると聞く。
兵士は反乱を抑えるために増やしすぎたのか、食糧生産が追い付かぬらしいな。
ドワーフからも足元を見られ、エルフとは交流できずじまい。
鬼族は我関せずを貫いているが、昨年に手伝ってくれと書簡が来たようだ。
先日には食料を売ってくれと我々にも書簡がくる。どうするべきか・・・。
攻め落とす。と言われれば勝てるのであろうが・・・。
先々代はうまいことダンジョンをお創りだな。
新兵には1階層で戦闘経験を積ませ、古参には2階層で経験を積ませる。
三階層では精鋭をあてがっても攻略はさせぬという意志を感じさせる。
参謀か軍師でも居られるのであろう。その方をこちらに送ってくださればもう少し楽になるというのに・・・。